上級クラスは高難易度?
「すみません、上級クラスになりに来ました!」
転職神殿にいたNPCに話しかける。
「いらっしゃいませ、上級クラスの確認ですね、あちらの鏡の前にお立ちください」
3枚ある姿鏡の前に立つ、すると鏡が光り輝きら、眼の前にシステム画面が現れる。
『レンナ レベル40 性別:男性 妖精鍛冶屋/妖精門の技師
転職クエスト開始可能上級クラスと派生クラス(サブクラス設定不可)
禁忌技師
妖精の英雄
妖精鍛冶匠
刀神の司教
転職可能中級クラスと派生中級や下級クラス(メインが上級クラス時、サブクラスに設定可能)
妖精鍛冶屋
妖精門の技師
共鳴技師
マルチクリエイター
呪詛鍛冶屋
下級クラス等、他のなれるサブクラスを表示する。』
システム画面を確認したら、鏡から離れて、どのクラスになる為か考える為に、直ぐ側に置いてある椅子に座る。
「前よりなれるクラス増えてますね」
「そうだな、専門的な事しかしてないから、一つくらいだと思っていたが…意外と選択肢があるんだな…」
なれる可能性がある上級クラスは4つ、その詳細を確認する。
『禁忌技師
禁忌に触れ、その代償を踏み倒した経験がある者だけがなれる魔法クラス、ハイリスクハイリターンな力を振るうことが出来る、HP、力が全く伸びないが、MP、知力が大きく伸びる。
妖精の英雄
妖精達の天敵、己にとって最悪の敵を勇気で打ち砕き、平和をもたらした者だけがなれる戦闘クラス、バランス良く伸びる。
妖精鍛冶匠
愛する妖精と一心同体になり、鍛冶に打ち込み、妖精門の技術も得た者のみがなれる生産クラス。
力とHPが伸びないが、それ以外は伸びる。
刀神の司教
マイナーゴッドの刀神直々の加護を受け取った者か、刀神に深き信仰を持つか、刀神の試練を超えた者のみなれる、癒やしの信仰クラス、運、防御が伸びないがHP、力が伸びやすい。』
なんというかバラバラにクラスがあるな…禁忌技師はナンバークエストで禁忌報酬を受け取って、支払った代償をリーダーさん達の力を借りて、取り戻した結果得たクラスだ、ピーキーそうで避けたい。
刀神の司教は…ナナサカさん?ナナサカさん??怖いよ、神官とかヒーラー系のクラスなんだろうが、今まで回復スキル覚えてないのに、上級クラスが生えてくるなんておかしくないか…?
妖精の英雄はナンバークエストの結果からくるクラスだ、英雄なんて男性なら高確率で憧れるものだ、魅力的だ。
妖精鍛冶匠は妖精鍛冶屋として正統進化だ、鍛冶屋としてより高みを目指すなら間違いなくこれ一択だ。
「どれも魅力的ですね」
「個人的には妖精の英雄か妖精鍛冶匠の2択だなー」
禁忌技師はピーキー過ぎるのと、刀神の司教は宗教良くわかんないし…いい面を見たこと無いので避けるとして…あと信仰している神と何度も決闘する司教てなんだよ。
英雄か鍛冶匠……非常に悩ましい…。
両方なりたいが、サブクラスに設定不可なので片方に絞らないと行けない。
「……うーん、うーーん……妖精鍛冶匠かな」
妖精の英雄はとても良い、魅力的だ…だがどうせなら下級から中級までやっていた鍛冶屋として更に高みを目指したい。
それに妖精鍛冶匠はフェルと共に頑張ってきた証感があって、とてもいいのだ。
ポチリと妖精鍛冶匠を選択すると、転職する為の条件が現れた。
『転職クエスト:妖精鍛冶匠
自身と妖精のフェルの鍛冶スキルの合計経験値????/????クリア
妖精フェルとの愛を深める????/1000クリア
妖精と共に妖精の厄災を倒す1/1クリア
名声値が一定値以上??/1000未クリア
未達成の条件がある為、すぐの転職は出来ません、クエストを受注しますか?』
伏せられた数値多いな!?名声値て何だ?名前からして有名度的な感じなのかな?
?が二桁の中、要求されるのは1000…他の?の数からして、桁数は隠されていないので、少なくとも現状の10倍以上を稼がなければ行けない…。
あれか、鍛冶屋ならある程度名を知られてないと駄目というやつか、どんなに凄腕でも知られてなきゃ仕事の依頼来ないもんな…。
「うーん、すぐにはなれないか」
ひとまず転職クエストを受ける、リオアのライブ配信で名声値稼げないかな?と思ったが、名声値が上下する条件が明確にわからないので、過度な期待はしないほうがいいだろう。
というかそういうのは後でリーダーさんに聞けばわかるか。
「フェルはクラスチェンジとかできないのか?」
「レンナさんとの冒険で私も強くなりましたが、そういうのは出来ないですね…人だけの特権…かもしれません」
フェルに質問すると返ってくる、フェルはクラスチェンジ不可能なのか…もしかしたら別の方向で強くなる方法があったりするのかな?
「この後はどうするんですか?」
「特に急いでないから、ツー街で買い食いしてのんびり過ごすか」
別にナンバークエストも転職クエストも急ぎではない、というか地魂の遺跡が地殻変動でなくなってから、フェルとゆっくり出来てなかったから、今日はゆっくりしたいのだ。
「あ、それならコスメを買いに行きませんか?レンナさん」
「え?フェルは化粧しなくても綺麗だろ?」
「えへへ、私のじゃなくてレンナさんのですよ、せっかく明日アイドルと一緒に並んで立つなら化粧したほうがいいですよ!」
赤面しながらとんでもない事を言ってくるフェル。
まさかフェルから化粧をしましょうと言われると思ってなかった為、返答に困る。
「自分も見た目がいいから化粧は不要だろう??」
「なら髪型を整える為に髪留め買いましょう!」
「ま、まあそのくらいなら別にいいけど…そこら辺のセンスはないからフェルに頼むよ?」
「任せてくださいレンナさん!」
こうして自分達は今日の残りの時間を買い物をしながら楽しく過ごすのだった。