ボス戦、毒蛙!
『ボス:ジャイアントポイズンフロッグ×2が現れました』
システムのアナウンスと同時に、自分と同じくらいの大きさの毒々しいカエルが2体現れた…。
まて!?2体!?
「リジェネレート、スリップガード、パワーアップ、スピードアップ、エレメントブースト!」
フェルの補助魔法が自分に付与される…ボス戦は逃げられないらしいので、覚悟を決める。
先手は毒カエルだ、二匹のカエルが紫色の舌を伸ばし、攻撃してくる。
「せや!」
シャベルをこちらに伸ばしてきた舌に狙いを定めて、振り下ろし、打ち落とす…が舌を地面に叩き落とせたのは一つだけでもう一つはお腹に当たり、吹き飛ばされる。
「大丈夫ですか!?レンナさん!?」
「ぐぅ…毒ったか…大丈夫、まだ戦える」
素早く解毒薬と回復薬を飲んで解毒と回復する。
舌の攻撃をシャベルで迎え撃つと、もう一つの舌で攻撃される…。
それに舌を地面に叩き落とす攻撃をしても、舌を叩き落されたカエルは痛がる素振りも見せない…舌を攻撃してもダメージを与えれないなら、舌を攻撃するのはあまりいい手ではないみたいだ…。
「取り敢えず近付かないとな!」
立ち上がりカエルに向かって走り出す。
「ゲコーー!!」
次は舌ではなく、紫色の明らかに触れたらやばい毒液を飛ばしてくる、それを横に飛んで避ける、だが立て続けに毒液が飛んでくる、波状攻撃で回避できない。
「だあ!」
完全に1対2のアドバンテージを生かしてくる、シャベルを振るい少しでも毒液を被らないように払う。
そこそこ毒液を被って毒になったが、立ち止まらずにカエルに接近する。
流石に2体では交互に立て続けに攻撃は出来ないみたいなので、ダッシュの勢いを乗せて、毒カエルにシャベルを突き立てる、すぐに引き抜いて追撃の突きを刺し込む。
「もう片方が飛んできます!」
だが三回目の攻撃をする前に、攻撃してた毒カエルAが大きくジャンプして、こちらとの距離を取り、無傷の毒カエルBがこっちに向かってジャンプして、のしかかり攻撃を仕掛けてくる。
フェルの声のお陰で攻撃を察する事が出来たので、ギリギリ当たらないように回避をして、何度も毒カエルBの腹部に刺突攻撃を繰り出す、シャベルがフェルとの共鳴の力で、火を纏って毒カエルを焼く!
「左後ろ舌来ます!」
その言葉に、右にステップして、背後から来た毒カエルAの舌攻撃を回避する、毒カエルAの舌が毒カエルBにぶつかる。
「おら!」
回避した影響で毒カエルBの顔面の前まで来たので、顔面に向けてシャベルを刺す!するとシャベルは深々と突き刺さり、雷が迸る!すると雷が舌を通じて毒カエルAも感電させる。
「これでトド……くぅ」
シャベルを引き抜き、トドメを刺す寸前で、毒により視界の左上にある自分の緑のHPバーがやばい事に気づき、トドメを刺せずに距離を取りながら回復薬と解毒薬を飲む…。
フェルのリジェネレートで、毒の力を相殺しているが、自分のHPそのものが少ない故に、あんまり毒を無視できない。
「大丈夫ですか?」
「なんとか…先に1体仕留めたかったが…上手く行かないものだな…フェル、毒は食らってないよな?」
「はい!敵が来ます!」
再び、舌攻撃を仕掛ける二匹の毒カエル。
片方の舌を回避して、もう片方の舌をシャベルで受け流す、するとシャベルが雷を発して、受け流した舌を伝い、顔面にシャベルを突き刺した毒カエルBを感電させたかと思えば、赤いエフェクトを纏って消えていった。
「よし、後一匹!」
このボス毒カエルの強さは2体による数的優位だ、これで一気に楽になる!だが油断は出来ない…。
一気に近付いて、一気に仕留めようとするが、毒カエルは辺りに無差別に毒液をばらまきまくる。
「やば」「きゃ!?」
近寄った結果ガッツリ毒液を被ってしまった、ダメージと共に再び毒になる…俺だけならともかくフェルも多分毒になっただろう…ここは退くか一気に終わらせるか……
「フェル、自分自身にリジェネレート使って耐えて!」
「リジェネレート!」
解毒薬の大きさはフェルと同じくらいだ、重さ的にもフェル一人で解毒薬を飲めるか怪しいなら、とっととボス戦を終わらせて解毒薬と回復薬を飲ませる!
そう判断して、一気に毒カエルに近づく、するとジャンプしてのしかかり攻撃を仕掛けてきたので、避ける。
「1体だけなら敵ではない!!」
全力の力を乗せて突きを放つ、シャベルは黒いオーラを纏って毒カエルの腹部に深々と突き刺さる。
「これで終われ!」
刺したたまま、シャベルを半回転させて引き抜く、すると毒カエルは赤いエフェクトに塗れて、散っていった。
レベルアップの音を聞きつつも、すぐに解毒薬を取り出して、フェルに飲ませる。
「んく………んく……ふう、もう大丈夫です、レンナさん毒は消えて、残った毒の痛みはリジェネレートでなんとかなります」
「そうか、なら良かった」
自分も解毒薬を飲んで、毒を解除する。
ボス戦で解毒薬を4本使って残りは3本、残りはまた食らってもいいように、保管しとこう。
回復薬も残りは5個…これも次に使えるだろう。
息を整えた自分は、レベルアップとか確認せずにそのまま次の街に向かって歩き始めた。