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鍛冶屋の息子、MMORPGにはまる  作者: リーフランス
図書館の奥底にあるナンバークエスト
306/626

大地の神ガイアの教会、宗教争い?

教会の中に入ると、外の寂れ具合とは違い、比較的奇麗な内装をしていた。


なにかの女神と思われる彫刻が飾られていて、その彫刻の側に、2人のシスターがいた、椅子に座っていて、背中を向けている為、こちらに気づいていない。


「すみません、ここはなんの教会ですか?」


2人のシスターに向けて声をかけると、ビクリ!?と驚いたように立ち上がって、こちらに振り向いた。


2人のシスターは金髪でサイドテールで揃えた髪型、赤目で童顔で小柄な2人のシスターだった、双子のNPCみたいだ。


「え!?えーと、ぼ、冒険者さん、こんにちは、ここは大地の神ガイアの教会です!」

「凄いよ、お姉ちゃん、お客さんが来るなんて…」


ワタワタとこちらに近付いてくる。


「大地の神ガイアの教会…?名前の割に寂れているな…」


明らかに規模が大きそうで、有名そうな神な気もするが…。


「実は前任の神父さんが色々とやらかしてしまって、多額の借金を…その結果他の街のガイア教会すら見捨てられた所なんです」


「その前任の神父さんは?」


「行方不明になりました…その結果神父さんの責任と借金を全部私達が背負ってる事になりまして…」


責任と借金を背負うて、連帯責任者にでもなったのか?


「あ、あのもしよろしければあそこの箱にお金いれてお参りしてください!」

「神社かな?」


シスターが指さした所には賽銭箱が置かれていた、教会だよなここ?思わず神社と口にしてしまった。


「な、なんだか変な所ですね…」


胸ポケットに隠れながらも困惑するフェル…興味本位で入ったが、とんでもない所に来たかもしれない。


そんな予感がより深く的中するように教会のドアが蹴破るように開かれた!


「おら!出すもんだしな、集金の時間だ!」


両手でハンマーを握り、スキンヘッドでローブを着ている男性と杖を持っていて、スキンヘッドと同じローブをきた長髪の男性が入口に現れた。


「まて、ガガ、誰かがいる…ただの通りすがりだったら、集金活動に巻き込んだら面倒だ」


「でも見た目的に俺達と同じプレイヤーだろ、邪魔や攻撃してきたら撃退すればいいだろ?テックス」


ハンマー使いがガガで、杖持ちがテックスみたいだな…自分達と同じプレイヤーみたいだ。


「ごめんなさい、お金はもうありません」

「もう米しかないよ!」


双子シスターが声をあげると、2人は呆れた声をあげた。


「そうは言ってもな、こっちも金の神官としてのクエストだし、恨むなら、勝手にあんたらに連帯責任にした神父を恨んでくれ」


哀れみのような声を出すテックス…見た感じ悪人ではなさそうだが、クエストだからやっている感じか。


「なあ、いっそのことシスターの服も脱がせていいんじゃないのか?売ればそこそこの金になるだろ?なんならこの協会もろとも徴収しないか?」


ガガは結構やばいかもしれない。


「おい止めろ、そこの一般人が聞いたらやばい人達に見られるだろ」


「一般人かどうかはお前がサーチすればいいだろ?もしかしたらここの新しい信者かもしれないだろ?ならそいつから金を貰うのもありだろう」


一般人て、自分の事か…実際大地の神とは関係のない第三者だから、一般人だ。


「済まないが調べさせてもらうぞ、フェイスサーチ………なんでこんな所に刀神の名誉顧問がいるんだ…?ここ大地の神の教会だぞ?」

「げ、刀神!?」


困惑するテックスと顔を青くするガガ。


「刀神の信者!?あのやべーやつしか信者がいないあの刀神の!?」

「荒神の刀神を信仰する人本当にいたんだ…」


双子のシスターが驚きの声を上げる。

ナナサカさんなんなの!?廃神ゲーマーなの!?


「すまんテックス、ここは引こう!刀神とは関わってはいかん!」


「え、まあ、こういう系のクエストなんか嫌だし、なんとか上に交渉して、別のクエストにしてもらえるようにするか、効率よくてもこういうのはやっぱり好かん」


真っ先に去るガガと、ため息をついて去るテックス…もしかして、ガガはナナサカさんにバッサリやられた経験でもあるのか?


「えっと…刀神のお偉い神官はどうしてここに来たんですか?乗っ取りですか?」


双子のシスターの片割れがびくびく聞いてくる。


「いや、ただの通りすがりだから乗っ取りとか全く考えてないからな!?」


駄目だ、口で言っても、双子のシスターの視線が完全に警戒されている…。


「えーと失礼します」


気不味くなり、賽銭箱に少量のお金を投げ入れてから、教会から出ていった。


「すみませんレンナさん、私の興味の結果変な所に導いてしまって…」

「いや、気にするな」


そう言いながらユリのマイホームに帰宅して、今日のファンタジーフリーダムのプレイを終えるのだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] ナナサカさんいったいなにをしたらこんな事になってるんだろ…。
[一言] 全ての作品と更新に感謝を込めて、 この話数分を既読しました、 ご縁がありましたらまた会いましょう。
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