ジテン山を登って
「ここがジテン山か」
リーダーさんから貰った地図と道中にある看板を頼りに進んでいるとジテン山にたどり着いた。
山に来るまでの道中は敵と遭遇はしなかった。
「レンナさんのお父さんて、そんなに凄い鍛冶屋なんですね!」
「うん、なんとかお父さんに追いつけるように頑張っているんだ」
道中の会話はフェルにせがまれて、両親の仕事の話をしていな。
母親の漫画編集者の仕事に関してはユリの方が詳しいからな…殆どが父親の話になっている。
「レンナさん、前方に敵です」
「え、あれはヘビ…」
フェルの一声で戦闘態勢に入る、出てきたのは紫色のヘビ…肌色で明らかに毒持ってますと自己主張が凄い…。
噛まれないように、ヘビの顔面にめがけてシャベルを振り下ろすが、避けられて右足を噛みつかれる、半ズボンの体操服故に、素肌にガッツリ牙が食い込まれている。
「はあ!」
嫌な感覚と毒になっている感覚を感じつつ、噛みついてる蛇にシャベルの刺突の一撃を叩き込み、一撃で屠る…が次は左足に痛みを感じる。
「もう一体いたのか!」
噛まれた事で後ろにもう一匹の蛇の存在を知り、シャベルで迎撃する。
蛇は一撃で倒せるが、毒という置き土産が厄介だ…買った解毒薬を一つ飲み干して、毒から回復する。
「回復します、リジェネレート!」
「助かる、複数で来られると毒を回避できないな…」
それに背後からの蛇に気付けないのはまずい…。
「フェル、楽しい会話はここまでだ、ちょっと集中しないと、山超えられそうにない」
「はい、私は背後を警戒するので、前に集中してください!」
「ありがとう、一緒に山を越えよう…駆け足で行くから肩から落ちないでね!」
胸ポケットから出て、肩に掴まるフェル、これはありがたい…。
長くとどまっていると、解毒薬が足りなくなると思い、駆け足で山道を駆け出す。
数分ほど駆け足で移動していると、蛇ではなくカエルと遭遇した、犬くらいの大きさで割と気持ち悪い。
「後ろから猿です!」「了解!」
カエルを倒そうとしていたシャベルを一回転するように振り回し、背後に向かって攻撃放つと、先に何かがあたった手応え、その後には視界に赤いエフェクトに包まれて消える猿がいた。
「もう1撃!」
カエルに向かって共鳴の力で火を纏ったシャベルを振り下ろして、叩き潰した!赤いエフェクトが飛び散る。
「シャベルが絶好調だぜ、フェルも敵の接近報告ありがとう!お陰でなんか体が自由に動くよ」
「はい、レンナさんも戦闘お疲れ様です!」
一度呼吸を整えて、再び走り出す…マップを見た感じ、頂上にボスがいて、そいつを倒せば、次の街に行けるみたいだ…なお迂回は出来ないようになっていてるらしい。
「あと半分位ですかね?」
「そうだな、まだ油断は出来ないから気をつけて行くぞ!肩に掴まってるのがしんどいなら言ってくれ、休憩をとる」
「はい!今は大丈夫です!レンナさんも体力消耗に気をつけてください」
フェルの言葉を聞きつつ、再び走り始める。
時折戦闘をこなしたが、40分ほどでボス戦前の所まで来ることが出来た、ご丁寧にこの先ボス戦ですという看板が作られてるのは、自分と同じプレイヤーが作った物かな?
ボス前まで三体ほどのヘビに襲われたり、警戒の薄かった木の上からヘビがふってきたせいで2回ほど毒とダメージを貰い、二本の解毒薬を消費してしまった。
「ふう、ボス戦前で解毒薬7本残せたのは良かった…これなら、ボス戦で解毒薬を使い切ることはないかな?」
「大丈夫ですか?山頂で強いボスが居るんですよね?その時は全力で補助魔法でサポートします!」
「ああ、頼む!このボス超えたら街らしいから温存はしなくていいみたいだ!」
フェルのリジェネレートで回復した自分は、シャベルを強く握り、ボスがいるエリアに踏み込んだ!