兄妹?姉弟?
知らない街に放り出されて、どうするべきか辺りを見回していると『鍛冶屋の兄歓迎!』という看板を持った、金髪巨乳、背が大きな美少女が視界に入った。
……あれは…友奈…?
「……………………」
妹の友奈は中学生としては、かなり背が低く、まあ…成長が遅い子だ、セクシーボディに憧れるのはわかるが…。
「そこのシャベル持ってる人、妹にゲームをお願いされた方ですよね?」
声をかけるべきか悩んでいると、逆に話しかけられた。
「そっちは、毎年兄にアクセサリーをもらっている人ですか?」
確認の為にそう聞くと、セクシーボディの金髪の美少女…友奈が全てを理解したかのように、ニヤリと笑顔になった。
「まさかお兄ちゃんが妹になるとはねー、取り敢えずフレンド申請するね」
素早く指を動かす友奈、すると自分の目の前に画面が現れた。
『ユリからハイフレンド申請が届きました』
そんな選択をなにも考えずに、ハイと答えると、急に友奈に抱きつかれた、普段はしてこないスキンシップだった。
「お、おい!?」
「わーい、かわいい!」
「キャラ崩壊してない!?」
頬ずりしてくる妹に混乱するしかない、というかなんか周りの目が妙なものを見る目で見てきてないか!?
「取り敢えず離せ……拘束硬い!?」
「レベル一で私の拘束から抜け出せないよ?」
力技で脱出しようとするが、びくともしない…。
だがある程度頭を撫でたりするのに満足したのか、離してくれた。
「おーい、武器を作る話なのに、なんで妹の人形になってるのさ…」
「いやーごめん、余りにも私の好みな女の子だったので、思わず…兄だし、少し可愛がってもいいかなーと、その為にガッツリ抱きついてもいいハイフレンド申請したし」
「おいおい…まあ、いいけど…で鍛冶場はどこだ?」
今日くらい振り回されるのは受け入れよう…そう思いつつも、本来の要件を果たすために友奈に聞く。
「その前にステータス確認とクラス設定しないとねー」
「ステータスの確認とクラス設定?わかった、取り敢えずステータス出してみるよ」
システム画面を操作して、ステータス画面を出して見てみる。
『レンナ レベル1/クラス未設定』という表示と共に低い力、防御の数値、多分普通くらいの器用さと俊敏の数値、多分高い知力と運の数値が表示されていた。
「おー見た目通りの魔法使い型ね…でもこの数値…お兄ちゃんは、姿はおまかせでキャラエディットしたのね」
「ステータスでわかるのか?」
「勿論、でもこれだと鍛冶作業は出来ないよ…力の数値が低すぎて、ハンマー持てない…」
な!?まさかステータスで、妹の約束が果たせなくなるとは…
「キャラメイク、1からやり直したほうがいい?」
「もったいないよ!それなら、レベリングしたほうが良いよ!私もいくから、一緒にレベリングしようよ!」
『ユリからパーティ申請が来ました』
システムに従って、はいと押す。
すると視界の端に、ユリの名前と体力と思われる緑のバーが出現した、勿論その上には自分の体力と思われる緑のバーがあった。
「よろしくレンナ、ここだとユリと呼んでよ?ゲーム世界に本名は厳禁だよ、取り敢えずついてきて!」
「わ、わかった…」
そういっても、自分は本名で名前登録したんだけど…そう思いながらも、妹のユリについていくのであった。