クイズを切り抜けた先
出てくる問題は、金属の専門的な問題と、ファンタジーフリーダムの世界観の問題ばっかりだった…。
完全に自分達専用の問題だ。
何が辛いのかと言うと、金属の高度な専門的な問題はフェルに答えられないし、世界観に関しては、自分が知識不足過ぎて、答えられない…各町の正式名称なんて、誰も使ってないからわかんない!
それでもフェルが町の名前等知っていていたり、頑張ってくれたお陰で、8問目が終わった時に目標の6問以上の正解を達成することが出来た。
「さて、貴方達の勝利は確定しましたが、最後まで問題を出させていただきます!
第9問、鍛冶と呪鍛冶をスキルレベル10にして結合進化をした場合、進化先は呪血鍛冶ともう一つは何?」
「…………………忘れた」
一気に難易度が下がったが、答えを思い出せなかった…記憶していれば確実に答えられる問題なのに…。
「呪文鍛冶です」
「正解です!」
頭をかかえていたら、フェルが答えてくれた。
「すまん、フェル助かった」
「それでは最後の問題です!
数多のプレイヤーの目的はなに?」
フェルにお礼を言った直後に、最後の問題が出題されたのだが…。
プレイヤー達て自分達の事だよな…?多分ファンタジーフリーダムのホームページとかで見れる世界観説明を見れば、プレイヤー達の目的とかわかるのだろうが…。
うん、ホームページとか見たこと無いのだ、見なくても全然問題なかったし…。
「れ、レンナさん…」
フェルがどうすればいいのかわからずに、こちらを見ている。
落ち着いて考えろ、色んなプレイヤーを思い出して、答えをだすんだ。
「…人生を楽しむ為だ」
頑張って答えをひねり出す、結局の所、自分も他のプレイヤー達も、お金払ってやる行為なんて、生命活動の維持の為か、楽しむ為に娯楽をする為だと頭の中で浮かび上がった。
多分はずれの可能性も高いかもしれないが、まあ規定の問題数は正解しているので、外れても問題はないはずだ。
「………正解は伏せさせていただきましょう!」
え!?正解教えてくれないのかよ!?
「さて、規定数正解したコンビには報酬をプレゼント、それではまたのクイズ大会をお楽しみに!」
そう言って、クイズマンは光の粒子になって、散っていった…。
そして眼の前に、雑に宝箱がどごんと置かれて、それと同時に、封じられてたフレンド一覧とアイテム一覧のコマンドが使えるようになったと、システム画面が現れた…。
「何だったでしょう?あれは…?」
「わからない、少なくともリーダーさんから貰った情報とは違うボスぽい…」
必ずクイズしてくるボスなら、リーダーさんが絶対教えてくるはずだ。
ひとまず宝箱を確認する、中には使用したら、知力が永続的に5増加する薬が入っていた。
「フェル飲んでみる?」
「いいんですか?」
フェルのステータスはわからないが、効果があるならフェルに飲ませた方がいいだろうと思い、フェルにも提案する、乗ってきたので飲ませてみる。
「味はグレープフルーツですね…」
薬を飲んだフェルはそんな感想をこぼした。
「根っからの鍛冶屋よ、よくここまで来ましたね」
「…その声は…何処だ!?」
フェルに薬を飲ませて一息ついていると、はっきりと、テレパシーが聞こえる…素早く辺りを見渡すが、更に地下に進める階段はなく、本棚しか無い。
「なにか聞こえたですか?レンナさん」
「ああ、聞いたことのある声が聞こえた、しかもはっきりと」
フェルにテレパシーの事を伝えると、再び声が聞こえる。
「根っからの鍛冶屋よ、眼の前に見える本棚にある、烈火の火工という本を押し込んでください…」
「あの本を押し込んだらどうなるんだ?あんたの名前は何なんだ?」
返答を待ってみるが、返答は帰ってこない…。
「返事は来ない、押すしか無いか…」
「気をつけて行きましょう、レンナさん」
少なくとも本を押しただけで、即死トラップ発動とかは発動しないはずだ…そう予測して、指定された本を押してみた。
するとゴゴゴと本棚がスライドして、地下へ進む道が現れた。
「…リーダーさんですら知らない隠し階段」
「何者が待っているんでしょうか?」
「………わからないけど…悪いやつではないと思う、なんか声がそんな感じがする、降りてみよう」
気のせいかな、なんか鍛冶していた時に聞こえた謎の声に似ているんだよな…。
聞こえた声にそんな感想を抱きつつ、階段を降りていった。