月曜日の文化祭の訪れを感じつつ、もう一度魔本の図書館へ。
日曜日は家族とお出かけしていたのでファンタジーフリーダムの世界にログインする事無く、代わりにレシピセットのお礼として友奈に明日のデザート込で3個フォンダンショコラを奢った次の日の月曜日。
学校では今週の金曜日にある、秋の文化祭の話で盛り上がっていた。
個人的に文化祭は少し苦手だ…。
鍛冶屋ということだけで、大道具とか作るの得意だろ?と言う感じで色々と作らなきゃいけなくなるからな…しかもただで…。
「はあ、文化祭めんどくいな…」
「相変わらずだな錬那」
お昼休みでそんな事を嘆いていると、TT…高田に話しかけられた。
「別にいいだろ、大道具係をやれば当日は色々と免除されるんだろ?」
「そうだけどさー…今年はコスプレ喫茶…作るのは看板とかがメインになるな、後は飾り付けか…コスプレ服は殆ど学校にある既製品とかだろ?」
一部の生徒は自前で作ると言ってたな…作ると言った人は手芸部だったけ…。
「そうだ、そのコスプレで相談したいことがあるんだ」
「はあ…なに?TTの防具を模したコスプレ衣装を作って欲しいのか?」
「あー、それもいいなー2人でファンタジーフリーダムの防具のコスプレでもするか?」
想像する、レンナが着てたコートやジャケットを自分が着る……サイズ差でパツパツになるコートやジャケットがイメージ出来てなんか無いなと思った…。
「ないな…」
「妖精とデートしていた時のドレスでもいいぞ」
「TTと違って、柔いその手を握りつぶそうか?」
「勘弁してくれ…STR差は現実じゃ逆なんだから…非力な俺の手が壊れる…」
あれは限りなく女性に近い、レンナボディだから赦されたやつだからな?現実でドレスとか、マジで罰ゲーム以外なんでもないからな?
因みに、高田の現実の体の筋力は平均男性以下だ、その代わりパソコンとかを使ったデスクワークとか凄く強い。
「まあ、コスプレ関連は手伝う予定はないよ、大道具でいっぱいいっぱいだ」
「そうか、なら諦めるか」
「というかコスプレ関連なら、手芸部に頼んでくれよ、こっちは帰宅部の鍛冶屋だぞ」
金属が専門なのに、布でも木材でもある程度の加工が出来ると、専門外関連で頼られることが多くなるのはちょっと困るな…。
「というか、なんのコスプレ衣装が欲しかったんだ?」
「え、とあるゲームのマスコットキャラのぬいぐるみ全身隠れるやつ」
「そんなもん鍛冶屋に頼むな、荷が重いぞ」
全身きぐるみの作り方なんて知らんぞ…というかそれはコスプレなのか…?
そう思いつつ、お昼休みは終わりの時間を告げる音が学校内に響きなるのだった…。
時は流れて夕方、晩御飯を食べた自分はファンタジーフリーダムの世界に降り立った。
「おかえりなさい、レンナさん!」
「ただいまだ、フェル」
ユリのマイホームで、フェルが出迎えてくれる。
目的であるフェアリーガーデンへの道筋は再構築は完了した、再び目的を失ってしまったが、今日はどうしようかな……。
「そうだ、フェル、魔本の図書館で本が読みたいんだけど、付き合ってくれないか?」
「はい、いいですよ!」
思いついた事を口にする、結局魔本の図書館のセーフティエリアを重点的に調べてないのだ、面白そうな本もあったし、探索ついでに、読書するのもいいかもしれない。
そんな考えが浮かび、フェルに提案すると快諾してくれたので、自分達は再び図書館に向かった。