魔本の図書館地下1階
地下への階段を降りると、古本のような匂いを感じる。
「ここにも本棚がありますね、関係者以外立ち入り禁止と書いてありましたが、どれも危険なんでしょうか?」
フェルが疑問の声を出す。
確かに取り扱いが危険だから、関係者以外立ち入り禁止の所に置かれているだよな?
そして少なからず、地下3階以上あるという事はそれだけ危険な本があるということだ…。
直ぐ側の本棚をみる…背表紙のタイトルが日本語でも英語でもなく、読めないので危険度はわからない。
「読める?フェル?自分は読めない」
「いえ、読めません」
フェルも読めないならどうしょうもない。
読むのを諦めて、魔本の図書館の地下3階へ目指して、探索を始める。
「レンナさん、来ます!」
フェルの声で身構えると、壁の本棚から2冊の本が本棚から零れ落ち、浮かび上がった。
「なるほど、あの自立して動く本が、このダンジョンの敵か…」
「アイスランス!」
フェルが先制攻撃として、氷の槍を撃ち出す!
それに反応するように、浮かぶ本が石の槍を撃ち出して相殺する!
「はあ!」
アースキーを振るい、浮かぶ本に攻撃するが、攻撃は空をきる…。
厄介だな、小さくて浮かんでいると、シンプルにアースキーが当てにくい。
「任せてください、チェインライトニング!」
フェルの杖から出た敵から敵へと感電する雷が本を貫く!
「ナイス!そこだ!」
雷を浴びて動けなくなっている本に、アースキーを叩き込む!アースキーの先端は、1冊の本に直撃して、赤いエフェクトを発して消える!
「もう一発頼む!」
「はい!チェインライトニング!」
残った本が撃ってきた、光の槍を避けながら、フェルにお願いして雷を放ってもらい、浮かぶ本を感電させてもらう。
そして雷で動けない所にアースキーを叩き込む!するともう一つのは本は赤いエフェクトを放って消滅していった。
「…ふう、誘導性のある攻撃方法が欲しくなるな」
戦闘を終えて一息つく、本だからかどう動くかわからないし、小さいから攻撃が回避されやすい…戦いにくい敵だ。
魔本のページというのが手に入った、強化素材にすれば魔法の力が上がるみたいだ…。
「レンナさんお疲れ様です」
「フェルも雷の援護射撃助かった」
お互いに労いつつ、地下探索を進める。
たまに氷や土の攻撃魔法を放つ、浮かぶ本との戦闘に苦戦するしながらも探索を進める中、フェルがあるものを見つける。
「レンナさん、あそこになんかカーテンがかかってます、怪しそうです!」
「え、あれって…なんだろう?」
フェルの指差す方向には、怪しげなカーテンで道の先が見えない…。
他の道もあるが、思わず気になって、カーテンの先を見てしまう…。
カーテンの先には本棚しかなく、ざっと見た感じ、特にこれといった異質な物は見当たらない…。
「これは……」
「臭いですね…」
異質な物は見当たらないが、異臭がする…古本の匂いではない…生物が腐ったような匂い…いや、血か…?
「フェル、ここは探索せずにいこう…」
「そ、そうですね…私も賛成です」
危機感知スキルはないが、本能的に危険な何かを感じた自分達は、カーテンの先を調べずに、他の道を探索し始める。
探索の道中で闇の玉を撃ち出す浮かぶ本、光の剣を撃ち出す浮かぶ本の攻撃を回避しながら、撃破して進んでいくと、そしてさらなる地下への階段を見つける事が出来た。
「レンナさん、あそこに読める文字が書いてあります!」
周囲の本に注目していたら、フェルが何かを見つけた、見てみるとそこには、地下2階に何があるかを示す、小さな看板だった、うっかりしてたら見落としてしまいそうだ。
『■下2階、魔■練習場』
2文字ほど欠けて読めないが、大体はわかるので問題はない…地下2階には魔法を練習するに適した広い場所があるんだな…。
えーと、ダンジョンの中にある広い所はボス戦と思えだったっけ?ユリの言ってた言葉を思い出す…ボス戦があるかもしれない。
「フェル、MPの余裕は大丈夫か?多分、この先に強いやつが居る可能性がある」
「はい、全然余裕です!行きましょう!何がいても倒してフェアリーガーデンに行きましょう!」
フェルのやる気を感じつつ、自分は地下2階に降りていった。