金曜日、魔本の図書館に行く前に金稼ぎを
学校のお昼休み、ご飯を食べ終えた後、色々とファンタジーフリーダムの事を考えていた。
「金がねぇ…」
「え、どっちの話だ?リアル?」
「ファンタジーフリーダムの話だ」
高田に現実の話かどうか聞かれて、答える…。
リーダーに糸を布にする技術費としてお金の全てを使ってしまった、その事に関しては職人の卵として、後悔は全く無い…がログアウト後、回復系の消耗品が乏しい事に気付いたのだ。
「あー金稼ぎか、いらない素材とか売ったのか?」
「いや、それが…2つ理由があって売れなくて、1つは後々使うのではないか?という気持ちと…もう一つは、妹と倉庫を共通して使ってるせいで、どれが自分の物か妹の物か、わかんなくなって…」
「貧乏性と…もう一つのは、ただの管理不足じゃねぇーか…」
否定したいが、その通りだから何も言えない…。
「金策ならば、あの電子書籍リーダーに聞いてみたらどうだ?あの人ならば、レンナに合う金策を教えてくれるんじゃないか?」
「高田は教えてくれないのか?」
「俺は金策なんてしたこと無いからな、教えられん」
その言葉と共に、お昼休みの終わりを告げる音が学校内に響き渡った。
「と、次は数学か…面倒くさいな」
そう言って、高田は準備の為に、席に戻っていった、こうして学校の時間は過ぎていった。
『金策?物を作って、オークションに流すのがレンナさんの最高の金策だと思うよ。
後は刀神好みの刀を作って荒神に売りつければいい、あいつ金持ってるからな』
夕食を食べた後、ファンタジーフリーダムのユリのマイホーム内で、リーダーさんに金策を聞いて、返ってきたメッセージを眺めていると、フェルが話しかけてくる。
「何してるんですか、レンナさん?」
「いや、魔本の図書館に行く前に、薬とかを買いたいから、リーダーさんに金策を聞いてたんだけど、物を作って売れと言われたから、どうしようかなと思ってね…」
「作らないんですか?」
不思議そうに頭を傾げるフェル。
「別に作る事はいいんだけど、何作ればいいのかなと、お金ないからレシピは買えないし…
材料もどれを使うか…倉庫にしまった素材は、どれが自分で取ってきたものか、わからなくなったからな…」
「あ、それならユリが倉庫の内のインゴットとかの素材は、好きに使っていいよと言ってました、ダメな奴は分けて、駄目と張り紙が貼ってるみたいです」
「出来ればユリに借りは作りたくないが…今回は力を借りるか…」
借りを作りすぎると、兄としての立場がなくなってしまう…。
この世界だと、ユリに妹扱いされてもおかしくないので避けたかったが…他に稼げる手段がちまちまと戦って素材を集めて売るのだが、それで買い足したい回復薬とかの消耗品を使ったら本末転倒だ、そう思いユリのマイホームの倉庫を確認する。
前はここでデートの時に使った、茶色いマントとか使わせてもらったな…そんな事を思い出しながら倉庫を探ってみる。
『倉庫内のアイテム
アダマンタイトインゴット
ミスリルインゴット
金インゴット
銀インゴット
聖水
魔力の水晶
竜の鱗
リッチの骨
人魚の鱗
アイドルの粉
リダの骨
ロケットパンチ』
一部を抜粋したが、まだまだ素材はある…これを使えば、アースキーより強い装備が作れてしまいそうだが…アースキーや火光以外の武器を増やしても、扱い切れる気がしない…。
それにアースキーと火光は愛着が湧いているので、完全に乗り換えるという気も今の所起きない。
…いや、今は自分の装備よりも、売る為の装備の事を考えないと…どれを使おうか…?
それはそれとして、後半は興味本位で抜粋したが、リダの骨て何だ?このゲームは、どれだけダメージを負っても、骨が出る事はないんだが…ネタアイテムかな?
鑑定眼で見てみると、素材にもならない偽物の骨だった…やっぱりネタアイテムなのか…というかどういった経緯で生まれたのやら?
ロケットパンチは使えば鉄の腕を撃ち出して攻撃できる消耗品だった…。
アイドルの粉はなんだこれ?説明がアイドルの放ったオーラの粉としか書かれてない…何だこれ?
「レンナさん、目的から脱線してませんか?」
「あ、ごめん、すぐ素材を決めるよ!」
やばい、フェルが居なかったら、ずっと倉庫の謎アイテムを眺めてたかもしれない、自分は再び目的を見失う前に鍛冶で使う素材を探し出した。