レイドバトル!天下無双の名乗り口上?
レイドバトルが始まり、ゴブリンや猿達が動き始め、ランダム救援要請で来てくれたプレイヤーが各々猿やゴブリンに攻撃し始める!
自分も動くべきだが、リーダーさん達が気になってしまう。
「行くぞリダ!」
「……………この窮地を切り開く為に!」
「我らはここにやってきた!」
リーダーさんとナナサカさんが高らかに声を上げる。
「魔の力はここに!」
「刃の力はここに!」
2人の周りに炎が巻き起こる!
「万知の賢者リダ!」
「万刃の刀神ナナサカ!」
「「天下無双の魔刀コンビ、ここに見参!!」」
ジジャーンと効果音とパワーアップしたかのエフェクトと共に、2人が決めポーズを取る!2人の背後で歌っているリオアもノリノリだ!
ウランさんは手に録画出来そうなカメラを2人に向けている。
リーダーさんは最初は赤面だったが最後には目が死んでいた、それでも動きには迷いが無く、キレがあったあたり、何度もやっていたのかな?
反面ナナサカさんはノリノリだ。
ランダム救援で来てくれたプレイヤーは何やってるの?と言わんばかりに2人に白い視線を少し向けたが、すぐにレイドバトルのボスを倒す為に戦いに戻る。
自分は、完全に2人の名乗り口上に呆気に取られていたら、敵に後頭部を殴られて、HPバーが8割消し飛ぶ!
「あ、ポーションスロー!」
ウランさんが回復アイテムを投げて、回復してくれた。
即死しなかったのはリオアの歌効果もあるのだろう…。
振り返ると棍棒を持った猿がいた、どう見ても後頭部を殴ってきた猿だろう、というか再び殴りかかってくる!
「だあ!」
アースキーで棍棒を迎え撃って、棍棒を吹き飛ばすと、ウランさんが放った矢が猿の頭を貫いた!
「ありがとう、ウランさん…」
「あの2人のせいで強襲許してごめんね、レンナさん」
「俺のせいなのか!?」
ウランさんの言葉に、抗議の声を上げるリーダーさん。
「いいから早めに行くぞリダ、MVP取ろうぜ」
「……じゃあ俺はゴブリンを殺る、お前は猿でも斬っとけ!」
色々と文句言いたげなリーダーさんはそう言うと、一番大きなゴブリンに向かって走り始める…。
魔法とか使わないのか?と思ったが、リーダーさんの持つ短剣から長剣位の長さの魔法の刃が出現して、近くにいたゴブリンを撫で斬りしていく!
「さあさあ、死にたいやつから前に出な!俺はプレイヤーだろうがぶった切るぞ!」
そう言いながら、討伐目的である1番大きな猿に向かって、走り出すナナサカさん、邪魔する猿はあっという間に真っ二つになってるけど、刀抜いてた?見えない…。
て、2人の行動ばっかり見てないで自分も戦わないと!かと言って妖精火門は他のプレイヤーにも被害いきそうだよな…地門で堅実にダメージを与えていこう!
「地門!地門!」
攻撃していく中、TTは何しているのかと探してみたら、猿を倒していたが、視線は完全にアイドルのリオアのライブしか見ていない、どうやって戦ってるんだあれ?視界外の敵をまるで見えてるように殴り倒している…。
というか周りを見たら他のプレイヤーも戦いながらもリオアのライブを見るという離れ業をしている…。
リオアファンなのだろうか、訓練されている…。
何度も地門を撃ちながら、更に辺りを見渡すと、そこにはウランさんがいて、上空に大量の矢を放ち、天から降り注ぐ矢が、ゴブリンと猿達を射抜いていく!
「うわ、強い…」
自分がなにもしなくても、このまま勝ってしまいそうだ。
だがレイドバトルの行動で、イベントポイントがどれだけ貰えるか変わるので、ひたすら地門で攻撃していく、ついでに討伐目的のゴブリンと猿にも地門を放つ!戦場に遮蔽物がないから射程距離が視界内の地門が大活躍だ!
「アナライズエンド!」
「神斬り!」
地門を放っている中、リーダーさんとナナサカさんの声が響き渡る、両者派手なエフェクトを散らして、目標のゴブリンと猿を赤いエフェクトに変えていった!
『ゴブリンキング1体、キング猿1体の撃破されました、2分後に元の場所に送還されます!』
セイレーンの時よりもあっさりと終わったのだった。
もうあの2人だけでいいんじゃないか…?
スキルメモ
天下無双の名乗り口上
リダ&ナナサカの専用スキル。
名乗り口上と共にヒーローポーズを取るスキル。
予備動作がかなり長く、使用時にヘイトを集めやすく、2人共その間は隙だらけになるので、時間を確保しやすいレイドバトル以外では、基本的に使えないスキルだが、発動までこじつければ強力なバフ効果を得られる。
リオアの補助スキルと合わせればまさにゲームバランス完全崩壊する天下無双である。
MPは使わないが、リダの精神は恥ずかしさでごっそり減る。
昔2人で参加したとあるコンビ大会で優勝した時に得たスキルらしい。
勿論1人では使えない。