リスタートとデスペナ
…うん、別に死ぬ事も一応折り込み済みでやったけどさ、それでも殺されるて腹が立つな…。
つまりゴブリンは当然ながら、猿も敵か…両方敵ならゴブリンのボスと戦うクエストもありそうだよな…。
一息ついて、今日はもうログアウトするかフェルとおしゃべりするか考えようとした時、自分の頭上に1という数字が浮かんでいる事に気がついた…。
「……これ死んだ回数か」
つまりこの数字が多くなるほど、イベントフィールド内限定で、ステータス低下のペナルティを強く受けるのか?
いや、それだと死神の頭上の数字が説明つかない、危険な死神が10回も死ぬのか?
というかこの考えだと、死神も自分と同じプレイヤーになるな…。
「わからん…」
少なくとも頭上の数字に関しては、イベント説明の画面にはなかった。
考えた所で仕方ない…ステータス画面を確認したら、約1割位ステータスにマイナス補正がついていた…気分的な問題か、体も重く感じる。
「…きついな、今日はここまでにするか?」
頭上に数字が浮かぶのは致命的だ、隠れても悪質なPKに見つかりやすくなるだろうし…。
殺られて、ポイント減少のペナルティは無くても、倒されることにモチベーションに大きなダメージを受けてしまう。
別に急いでフェアリーガーデンに行く必要はない、月1でフェアリーガーデンに帰ってきて欲しいとフェルとフェルのお母さんが約束している為、潤沢に余裕はないが、約束の期限まで2週間位余裕がある。
「いや、不足の事態を想定して、もう少し魂の糸の交換ポイントを集めるの頑張るか」
気合を入れ直す、確かにステータス減少は痛いが戦えない訳では無いし、戦闘が厳しいならもう少し採取を頑張ればいい!
そう、気合を入れて再びセーフティエリアから出て、探索を始める。
アースキーを使い、イベントアイテムである植物を根っこから掘り起こして、採取していく。
敵が1体と接敵したの時にはアースキーの地門や火光の風の刃で素早く倒して、複数人の場合はバレてないなら避けて移動したり、見つかってたりしてたら素早く逃たりしていた。
「ふう、罠や敵、PKに警戒しながら探索は結構疲れるな…」
時間をかけて、ある程度のイベントアイテムを採取して一息つく。
「1人だと寂しいものだな…」
何時もは胸ポケットにフェルがいて会話しながら行動をしていたが、フェルはお留守番で居ない…。
通信機があるから通信すればフェルと会話出来るが、なんというか寂しいから通信したとか恥ずかしくないか…?
気を持ち直してもう少し採取活動をしようとしたらレザーアーマー装備で体に大量の薬瓶を装備した薬師みたいな女性プレイヤーが草むらから飛び出し、自分の前に現れた!
「誰か助けてください、PKがこちらに!」
「まじか…」
ユリから教えてもらった事がある、これはトレイン行為!あれ?トレインて大量モンスターを引き連れるやつだっけ?
そんな考えの中、PKと思われるプレイヤーが現れた、暗殺者みたいな装いをしたプレイヤーで手にはクロスボウが握られている!
「ち、他のプレイヤーか!」
暗殺者は躊躇いなくこちらにクロスボウが向けられる!
矢の狙いの先は自分の頭、完全にヘッドショット狙いだ!
「真っ先に殺しに来るとか手慣れてやがる!」
夏イベントの時よりPKに出会う確率高いな!
全力で矢の射線に入らないように体を傾ける!
だが暗殺者の手によって放たれたクロスボウの矢は吸い込まれるように顔面に飛んでくる!普通に怖い!
「ひい!?あぶな!?」
「遅い!」
アースキーでクロスボウの矢を防ぐ!だが防いでる隙を突かれて、暗殺者が投げた投げナイフが太ももに深々と突き刺さる!
「ぐう…」
更に毒になり、HPバーがじわじわ削れ始める!毒の投げナイフか!?
「助けます!」
薬を大量にもった女性プレイヤーが薬瓶を暗殺者に向かって投げるが、暗殺者のクロスボウで弾かれ る、その瞬間薬瓶は派手に爆発した!
その爆発範囲は広く、こちらにもがっつりダメージを与えてくる!助ける言いながら殺す気だな!?
「ぐぅ……………妖精火門!」
毒投げナイフと爆発ダメージで平均より低いHPバーは尽きかけ、このままでは毒ダメージで死ぬ、HP回復薬を飲んでも、その隙を確実に暗殺者に突かれて死ぬ確率特大だった。
どう考えても死から免れない、そう悟った自分は切り札を使う、先に危害加えられたんだ!
「全て消しとべあぁぁぁ!!」
その魂の叫びと火光を地面に突き刺すと同時に毒でHPバーは無くなり、視界が真っ暗になった…もしも山火事になっても知らない!