秋イベントのフィールドへ!
システム画面から、秋イベントの詳細を確認出来ると高田に聞いたので確認する、大体の内容は夏イベントと変わらない。
ルールに変更があるとしたら、水着とかの服装によるイベントボーナスが無くなっていて、フェルを連れていけないのと、死亡時はイベントフィールド内限定で、一定時間ステータス減少の状態異常になるみたいだ…沢山死亡するほどステータスも下がるらしい。
ログインして無くても、状態異常の時間経過は進むみたいなので、殺られた日には、素直にログアウトして、寝たほうが良さそうだな。
後は自己防衛の目的以外でPKした場合、カルマ値は増加せず、イベントポイントを大きく得るが、引き換えに、殺られた際にポイントを全てロストする状態異常を1日中得るらしい…こんな事書くなんて、PKを推奨しているのか?
というかカルマ値てなんだ?ステータス画面には書いてないんだが…まあ、文面的に善悪の示す数値ぽいな…。
まあ、自分は攻撃されない限りは自分からプレイヤーを攻撃する気はないので、気にしなくていいか…正当防衛ならなんか悪影響はないみたいだし。
確認を終えた後、魔法陣の上に立つと、秋イベントに行くための画面が現れる、夏イベントと同じように乱数値を入れてからワープするみたいだ、夏イベントと同じ乱数でいいだろう。
「それじゃあ行ってくる」
「行ってらっしゃいです!」
フェルに見送られて、自分は秋のイベントステージにワープした。
ワープ先は、赤と黄色い葉をつけた山の中だった、周囲にはコテージのような建物があり、そこは消耗品を売るお店だったり、イベントポイントを交換する交換所がある。
交換所を覗くと、目的である魂の糸が置いてあった…30個となると結構なイベントポイントが必要そうだ…。
取り敢えず、ここがスタート地点でセーフティエリアでもあるのかな?
『レンナさん、聞こえてますか?』
「フェル、聞こえてるよ」
通信機からフェルの声が聞こえる、ワープ先でも問題なく会話出来るみたいだ。
「今は赤や黄色い葉っぱが舞う山の中にいる、山小屋のような建物があり、それがお店のようになっている」
フェルに自分の周辺を説明する。
『山の中ですか…私も行きたかったです』
「まあ、お土産とか手に入れてくるから今日は家でゆったりして欲しい」
『わかりました、ゆっくりします、なにかあったら連絡しますね、逆になにかあったら連絡してください!』
そう言って、フェルの通信が切れた。
さて、取り敢えず探索をするにしても、まずはクエストを受けないとな…。
近くにいるNPCに適当に話しかけると、クエストを見つけた、そのクエストを出してくれるのは、自分の体より幼い、子どもの女の子だった。
「そこのお姉ちゃん、ボス猿を倒して欲しいの!」
「ボス猿?」
「うん、大きくてとても悪いやつなの!おねがい!」
クエストを受けるかどうかの画面が現れるが、めちゃくちゃ情報が少ない…。
まあ時間制限も失敗ペナルティもないし、受けるだけ受けるか。
ボス猿との戦いの依頼を受ける、更に採取依頼を数件受けてから山を探索し始めるのだった。
のんびりと採取しつつ、時折敵と戦闘してイベントポイントを稼ぐ予定だったが…。
「ヒャッハー!汚物は消毒だ!!!」
運が悪いのか、放火魔とエンカウントしてしまった…。
多分自分と同じプレイヤーだと思うが…あれはロールプレイなのか…?少なくとも分かるのはこちらに敵意を向けていることだ!
「燃えろ燃えろ!ポイントに変換してやる!」
複数の火炎瓶を投げて攻撃してくる!
「アースキー!」
火炎瓶を回避しつつ、相手の投擲に合わせてアースキーを放火魔に向かって投擲する!
アースキーは投擲した直後で回避が出来ない放火魔に直撃する!
だが自分の顔面に火炎瓶が飛んでくる!
「だあ!」
体を捻り、火炎瓶をキャッチする!
だが火炎瓶に付いている火に手が焼かれて、持続的にHPバーが削れ始める!手が火傷したかのような痛みが走るが、この痛みは鍛冶屋の修行で慣れている、怯んでられるか!
「返す!」
キャッチした火炎瓶を投げ返して、アースキーを食らって尻もちを付いている放火魔を攻撃する!
「うぉ!?あっちいい!」
投げ返した火炎瓶は放火魔の足に当たり、炎が放火魔の下半身を包む!
「火光!燃えるなら自分だけ燃えろ!」
一気に接近して、放火魔の胸に火光を突き立てて、トドメを刺す!
「あーくそ、殺られた…」
放火魔は悔しそうな声を出して、消えていった…リスタートしたのだろう…。
初戦闘がPVPとはついていない…だがイベントポイントがそこそこ入ってきて、旨味を感じる…。
PKする人達の気持ちが少しわかった気もしつつ、アースキーを回収、回復薬でHPを回復してから、探索を再開するだった。