血気盛んなフォー街にご注意?
フォー街に向けて歩く中、TTは自分に向かって忠告してきた。
「そうだ、レンナ、フォー街にたどり着いたら注意してくれ」
「え?なんで?街はセーフティエリアでしょ?」
モンスターとかはわかないはずだ…。
「ファイブ街が開放されて、まだ日が立ってないから、フォー街はまだ結構な数のプレイヤーが居るんだよ…その分治安も、他の街と比べて悪いから…レンナの美少女ボディだと、結構な確率でトラブルを招くだろうな」
「そ、そうなのか?」
「治安が悪いんですか…」
いやまあ、この体で一度ナンパされた記憶があるが…フェルは不安げだ。
「場合によっては、見た目で判断して、一部のPKがちょっかいかけてくるかもな…」
「PKて同じプレイヤーを殺す人達だっけ?」
夏イベントで一度襲われたが…あの時はナナサカさんがいたし、妖精火門で薙ぎ払えてたが…出来れば関わりたくないものだ。
「ああ、万が一今襲われたら、フォー街入口にある魔法陣に触れてマイホームに逃げればいいだよ。
下手に戦うと、粘着される可能性もあるし…PKしているやつは一度返り討ちにすると、暫くはログインできなくなるから、その間に忘れられる事を祈る事になるな…PKの状態によってはアイテム、装備全ロスして、心が折れて引退する場合もあるけどな」
TTの説明を聞いていると、街の入口が見えてきたのだが…入口でガッツリ、PKと他プレイヤーの戦いが繰り広げられていた。
「さあ、経験値と有り金をおいてけ!」
「くそ、街の入口で出待ちしてとか汚いしせこいな!」
「は、PKに秩序求めるなんぞアホのすることだ!」
戦っている人達の声が聞こえる…。
「これは助けに入った方がいいのか?」
「何言ってるんだレンナ、お前は万が一やられたら取り返しのつかない存在がいるだろう、PVPしているあいつら全員プレイヤーだから、死んだとしても、失うのはお金や一部の持ち物だけだ。
今のうちに横を通り過ぎて、入口の魔法陣に触れよう、魔法陣に触れれば、マイホームに帰ることが出来るぞ」
そう説明してくれるTT…万が一やられたら駄目な存在はフェルか…。
「レンナさん、どうしましょう…?」
「避けて街中に入ろう、相手の実力がわからない以上、下手な介入は危ないし、助けは求められていないし、時間もあまりないからな…」
フェル言葉に答える、リスクとリターンで考えてみたらリスクの方が圧倒的に大きいと判断した。
さっきシステム画面を呼び出し、現実の時間を確認したが、そろそろ寝ないと明日に響いてしまう…。
「…わかりました、目立つのは危ないですし隠れて行きましょう」
フェルは少し不満そうだけど、納得してくれた。
こうして自分達はPVP…プレイヤー達の戦いが発生している所を避けて、フォー街に向かって移動する。
その間に戦闘はPK優勢でこのままPKが勝ってしまいそうだ、周りを見てみると他のプレイヤーも居るが助けに行く様子はない…。
PVPは不干渉というルールなのか?とも思えてしまう…。
そんな中、フォー街の入口にある魔法陣に触れる事が出来た。
『魔法陣の登録が完了しました、今後は以前行った事のある街と行き来可能になりました。』
これでひとまずユリのマイホームに帰る事が出来るな…。
「よし、今日の目的は達成したし、今日はもう解散か?」
「そうだな、ありがとうなTT、助けてくれて…」
TTにお礼を言う。
「気にするな、またなんかあったら呼んでくれよな?」
そう言ってパーティを解散してら魔法陣で何処かに移動するTT。
チラリとPVPしている所を見ると、見知らぬ人が乱入して三つ巴になっていた…。
漁夫の利かヒーローかわからないが…自分が巻き込まれないように気をつけよう…そう思いながら自分は、ユリのマイホームに戻りログアウトして、眠りにつくのだった…。