トラップダンジョン
地魂の遺跡が消えて、新たに現れた遺跡に入り込む、アースキーを構えて、周囲の警戒しながら進んでいく。
「ゴーレムとか居ませんね」
「まあ、違う遺跡だしな…」
そんな会話をしながら歩いているとカチリと足下から音がした。
その瞬間真横の壁から矢が発射された!
「ぐう!」
「レンナさん、リジェネレート!」
矢を避けれずに太ももと肩に矢が刺さる…3割ほどHPバーが削れる、それに反応して素早く回復魔法をかけてくれるフェル。
またそれを待っていた!と言わんばかりに矢が飛んできた壁とは真逆の壁が、両開きのドアのように開き、そこから犬の形をした、ゴーレムみたいな物が2体出てきた。
その犬型ゴーレムの全身の大半は、植物のツルに包まれていて、所々に花が咲いている。
「トラップに嵌めて、弱らせてからモンスターを放つとは、随分合理的に殺しにかかってくるな!」
当然だが、犬型のゴーレムが襲いかかってくる!
「チェインライトニング!」
フェルがネージュフラワーを使い、雷を放つが、雷を食らっても、2匹の犬型ゴーレムは止まらずに噛みついてくる!
「オールアップ!」
「はあ!」
フェルの補助魔法を受けつつ、1体はアースキーでゴン!と頭を殴り飛ばしたが、殴れなかった1匹が自分の足に噛み付く!
「ぐう!だあ!」
フェルの魔法で、回復するよりも早く減り始まるHPバー、そして足に走る痛みを堪えて、噛みついてる犬型ゴーレムにアースキーを叩き込む!
3度殴ったら赤いエフェクトを放って消えた。
だが一度しか殴ってない、犬型ゴーレムに逆の足を噛みつかれる!
「ぐう!やめろや!」
「アイスランス!」
フェルの氷の槍で犬型ゴーレムを撃破する…1度噛みついたら死ぬまで離さないのかこいつは……。
「大丈夫ですか!?レンナさん!」
「ああ、大丈夫だ…でも少し休んだから進もう」
2回噛まれたせいでHPバーは自分の残り体力が3割になってしまう…あ、今持続回復で4割になった。
レベル的に優位でも最大HPが低いせいで難易度が低くても油断できないな…。
倒した犬型ゴーレムからアイテムがドロップする。
装備の強化素材には使えないが薬の材料として使える、植物ゴーレム犬の牙を手に入れた…売れば多少はお金になるだろう。
「うーん、地魂の遺跡のゴーレムを倒した時には、武器に使えるコアが落ちたけど、ここでは薬の材料が落ちるのか…?」
「どうなんでしょう?植物とか取れたりするんでしょうか?」
というか地魂の遺跡がなくなって、新たな遺跡が現れた超常現象を、ゲームだからって自然と受け入れてるけど、フェルも自然と受け入れているんだな…。
休憩してHPを回復した後、再び探索を始めるが…さっきのトラップみたいなのが無いか、怖くて探索速度はかなりゆっくりだ、そんな中フェルが天井を指差す。
「レンナさん、天井にトゲがたくさんあります!」
「えげつないトラップだな、針の下に移動したら、地面か天井が動いて、突き刺して来そうだな…これどうやって、解除すれば良いんだ?」
天井が落ちててくるのか、地面が上昇して突き刺してくるのか…それで解除方法が変わりそう。
勿論どうにかしなければ、先には進めない、まだ探してない所にトラップを何とかする装置とかあるのかな?。
「レンナさん、ここは任せてください!」
「どうするの?」
「リーダーさんから教えてもらった魔法でなんとかしてます!フロートシューズ!」
自分の足に風のエフェクトを纏う、名前とエフェクトで効果がなんとなくわかった、なるほど僅かに浮いて、地面を踏まなくなる効果かな?
さっきの矢のトラップは、地面にあったと思われるスイッチを踏んで、発動したんだ、つまりフロートシューズの効果を受けた今の自分なら、天井の針に関したトラップが発動せずに、通り抜けられるだろう。
「ありがとうなフェル!」
フェルにお礼を言って、天井に針がある通路を通り抜ける、トラップは発動しなかった…。
「でも怖いなこれ、戻る時にうっかりフロートシューズ入れた状態で戻ったら、串刺しか…」
想像してブルッと一回震えてたら、レバーを見つけた。
下手に触ったらだめなのはわかるけど、あからさま過ぎてトラップという感じがしなかったので、レバーを操作してみる。
すると天井の針が消えていった…更に地面の一部がキラキラと光って模様が変わっていった…。
「これはトラップのオンオフが出来るみたいですね」
フェルの声を聞きながら再び操作すると、天井に針が再出現した、勿論針は消しておく、こんなもんオンで得するとは思えない。
「取り敢えずこれで問題ないかな?行こう、フェル」
「はい!」
自分達は更にダンジョンの奥へ進んでいく…。




