フェアリーパーティ
ユリと妖精達と合流したら妖精達は大はしゃぎだ、TT、リーダーさん、ナナサカさんは妖精達に囲まれてる…。
ちょっと羨ましいなと思っていたらフェルにほっぺたつねられた…。
「フェルー?何してるのー?」
「少しレンナさんのほっぺたをつねりたくなっただけです」
「お、おう?」
え?何?嫉妬?そう思っていると、フェルのお母さんが手を叩く音が鳴り響く。
「皆ーお客様が気になって話したいのはわかるけど、おもてなししないと!」
「「「「はーい!」」」」
妖精達はお菓子やジュース等用意し始める、自分も手伝おうかとしたら、ナナサカさんに止められた…。
「パーティの主役はお手伝いよりおもてなしを受けるべきだぞ」
「そんな事言われてもおもてなし受けろとか慣れないな…あ、そうだ、ナナサカさん、なぜか自分は刀神を信仰していることになってるけど、なにかしました?」
「うん?ああ、何回も決闘した時に何も信仰してなかったから、ちょっと加護を付与したら、ああなったんだよ、役に立っただろう?」
「いや、自分基本フェルと行動するから1対1の力はほぼ腐るぞ…」
そう伝えると、ナナサカさんはあ…と声を上げた…フェルの事を考慮してなかったのか…。
胸ポケットにいるフェルがジト目という感じでナナサカさんを見ている…。
「ま、まあ…その加護があれば面倒な宗教に追われなくなるからお守り代わりに持っておくと良いよ」
「あ、ありがとう」
ナナサカさんは少しバツ悪そうに自分から離れていった。
というかやっぱり、この人だけ別ゲーやってないか?他者に加護与えるとか完全に神様じゃん…。
そんな事を思っていると自分達に料理が運ばれてくる、お菓子やケーキ、ジュースが主でパーティというよりかはお茶会をイメージするな。
一口食べてみると甘みが口の中に広がる…ナナサカさんとの激戦による疲れが取れた気がした。
「美味しいですね、レンナさん」
「そうだなー」
フェルはケーキを食べている…それを眺めていたら、TTに話しかけられた。
「凄いなここ、ちょっと龍の力を見せたら、妖精達にめっちゃ凄いと褒め称えられて、自己肯定感めっちゃ満たされる」
「楽しそうで何よりだな…」
「ああ、楽しいパーティ招いてくれてありがとうな…またなんかあったら呼んでくれよ、と妖精達に動物の力を見せに行ってくる」
「ああ、またなんかあったらお互い助け合おうな」
TT楽しそうだけど、ここで動物の力を見せつけてたら、ナナサカさんに決闘挑まれるんじゃ…まあいいか、別にただボコボコにされるだけで、TTが失うものはないし。
しかしこのパーティでリオアだけ呼べなかったのは残念だな…そう思っているとステージと思われる場所で一部の妖精達が音楽を奏でて、綺羅びやかに着飾った妖精が踊り始める。
それを見ていたらリーダーさんに話しかけられた。
「VIP待遇だなレンナさん」
「リーダーさんのおかげの所も大きいよ、なにかお礼したいけど、なかなか難しい…リーダーさんは大半の物持ってそうだし…」
禁忌を覆すフェルの記憶を思い出す薬を作ったり、工房を何度も貸してくれたり、割と力を借りっぱなしがおおい気がする。
「フェアリーガーデンに連れてきてもらったから十分だよ、妖精達に色々と妖精の事を聞けたしな大儲けだ」
「…売るのか?その情報」
「うーんどうするかは未定だけど、多分売らないかな、物によってはレンナさんに迷惑かけちゃうしな、とあんまり主役を独占するのは良くないか…それじゃあ俺はもう少し、妖精から色々と聞いてくるよ」
そう言ってリーダーさんは自分から離れていった、売らないのに大儲け?どう言う事なのかな?
情報を得るほど強くなれるとかなのかな…?
相変わらずそこら辺はわからないが、これからも仲良くしたいものだな。
そんな事を思っていたら、妖精達のステージに一人のプレイヤーが参上した。
「やっほーリオアだよ!取っておきのスペシャルステージだよ!」
リオアだった!?忙しいしんじゃなかったのか!?
「うおおおお!?リオアのライブ!?しかも観客がほぼいないのライブ!?うひゃーあ!?ラッキーだ!」
あ、TTが壊れた…というかなんで妖精達は騒いでないの?なんか事前に打ち合わせでも出来たの!?
でも歌声が凄くて圧倒されてしまうな…皆がリオアのライブに注目している。
「凄いライブだな、フェル…」
「レンナさんは気づかないですか?」
「何が?」
「……………いえ、リオアさんの衣装が妖精達と似ててびっくりしたんです」
「そ、そうなのか?」
確かにリオアの服が妖精ぽいけど、なんか他に言いたいことがあるようなだんまりがあったような…。
「これからも楽しい冒険をレンナさんと一緒にしたいです」
「うん?そうだな、虫や圧倒的強者との死闘はもう勘弁だけど、まだまだ色んな所がありそうだから冒険するのもありかもな、リーダーに聞けば良いところ紹介してくれるかも」
リーダーさんなら安全で、絶景スポットとかしってそうだ。
「あ、そうだ…お礼を言い忘れてました」
フェルが肩に乗ってくる
「お礼?」
「私の為に薬を運んでくれてありがとう!大好き!」
ほっぺたにキスされる…。
「お、おう、俺も大好きだ」
顔が熱くなるのを感じながらも自分は恥ずかしさを隠すように、リオアのライブを見るのだった。
【夏のフェアリーガーデン編完】
【あとがきとお知らせ】
ひとまずレンナとフェルの一夏の冒険はひとまずこれでおしまいです。
次からは季節が代わり、新たな物語になります、仕事の都合上ここからは1日1ページの更新を目標にしての活動となりますがそれでもよろしければお付き合いください。