パーティの下準備
パチパチパチと拍手の音が聞こえる、拍手の音に振り向いたらユリとメーチャさんがいた。
「ユリ!?いつからそこに?」
「自分の事を知らないか…例え君が忘れたとしても、装備は忘れないよ…の所からいやー良い物見せてもらったよ」
「声真似が上手いな…というか止めろ恥ずい!」
と、というかつまりこれって………フェルとキスした所見られたことじゃん!?!?
も、もしかしてさっきメーチャさんの用事てユリとあったということか?
「おー2人共顔真っ赤じゃん…これが青春というやつじゃん」
「メーチャ!ちゃ、茶化さないでよ!?」
「親友の恋愛事なんて茶化さないほうが失礼じゃん?」
「茶化す方が失礼なんだよ!?」
フェルとメーチャさんが言い合う。
「全く…ごめんねメーチャ、心配かけて」
「まあ、長時間じゃないから気にしなくていいじゃん、全部思い出せたらハッピーエンドじゃん」
「…いや、まだ全部思い出せてません…レンナさん、記憶の大半は思い出したんですが…昨日の午後の事だけが思い出せないんですが、そこだけ教えてくれませんか?」
そういえばリーダーさんがそんな事言ってたな…昨日の事だけは思い出せないかもしれないって。
「あ、聞きたい、どうしてフェルが記憶を失ったか知りたいじゃん」
「わかった、説明する…」
オールモスキート戦の説明するのは4回目だ、サクサクとフェルとメーチャさんに説明する…誓いの事やキスした事に関しては伝えなかった…これ以上妹にからかわれたく無いからな…。
「なるほど、禁忌の力に関しては全く分からないけどそれを何とかするリーダーさんという人凄いじゃん…可能ならあって色々と聞きたい…」
そういえばリーダーさんと合流出来てないや…今からでも合流したほうが良いかな?
「うーん、なんとなくそうだったという感じはしますが…実感がわかない…」
「まあ、思い出せなくても、殆ど思い出したのなら無理に思い出さなくていいよ…また頭痛くなっても困るだろ?」
「そうですが…なにか大事な事を忘れているような…」
思い出そうと考え込むフェル…誓いの記憶とかを思い出して欲しいけど、今思い出されると妹に何言われるかわかったもんじゃない…。
「フェル、せっかく記憶を思い出したのならお母さんに報告した方が良いんじゃないか?」
「あ、そうですね、お母さんには心配かけたので安心させないと…」
「私も行くよ、他にどんな妖精がいるか見てみたいしね」
何とか話題を反らして自分達はフェルのお母さんに会いに行く事にした。
移動中、自分に1つのメッセージが届く、リーダーかな?と思って見てみたら、神官騎士のイツキからだった、内容は………なるほど、これはフェルに朗報だな…返信を返しておく。
「フェル、フェルのお母さんと話をしたらツー街に行こう、そこに会うべき人がいる」
「え、会うべき人?リーダーさんですか?そうですね、薬を作ってもらったお礼をしないと…」
フェルは勘違いしたが、訂正しないでおく、サプライズの方が嬉しいのかなと思ったからだ。
「よかった!フェルが元気になって!」
「お母さん今抱きつかれるのは少し恥ずかしい…」
フェルのお母さんはフェルと会って早々フェルを抱きしめた…うーん、微笑ましい。
しかし会っただけで全てを察するとかフェルのお母さん凄いな…。
「フェルが元気になったー!」
「これでハッピーエンドなのー!」
「花畑も沢山あるし宴も出来るね!」
「我慢してた分沢山あそびたいーパーティをしたい!」
周辺にいた妖精達もフェルが元気になったのを知り、ガヤガヤと騒いでいる。
「そうね、せっかく皆の気分が上がっているのにパーティをしないのは失礼ね、皆パーティの準備をしましょう!」
「「「「はーい!」」」」
フェルのお母さんの一声で妖精達が準備の為かここから飛び去る、フェルのお母さんはそれを見送った後、自分の方を向いた。
「レンナさん、もしも可能ならこのフェアリーガーデンを救う過程で力になっていた人達が居たら呼んでくれませんか?お礼を言いたくて」
「呼んでいいのか?なんというかここは秘境という感じだけど…」
「問題ありませんよ、それに貴方の事を信用していますし、悪い人は連れてきませんよね?」
当然だが悪い人を連れて来る気はない、というか悪い人だとそもそも自分と敵対するだろうしな。
「なら後はフェアリーガーデン関連で深く関わっているリーダーさんとTT、リオアとナナサカさん、あとは一人連れてくればいいんだな」
フレンドに一覧を見ながら呟く、アッシュルさんとウランさんはログアウトしていて呼ぶのは無理そうだ…。
「お、お兄ちゃん、リオアとはフレンド結んで無いでしょ、どうやって呼ぶの?」
「うん?同じチームであるリーダーさんやユリがフレンド結んでるんでしょ?呼んで貰おうかなと思ってけど、どうかしたのか?」
因みにナナサカさんもフレンドである可能性が極めて高いリーダーさんにお願いすれば連絡出来るだろう。
「あー…無理だと思うよ、リオア忙しいし…」
そうか、リオアはアイドルだし忙しいか…。
「一応ダメ元で連絡入れといて欲しい」
「わかったけど期待したらだめだよ?」
ユリはそういうと素早い手つきでシステム画面を操作し始める。
「あの、レンナさん、あと一人連れて行くて誰をなんですか?」
頭を傾げるフェル。
「それは会ってからのお楽しみだ、それじゃあ世話になった人を呼んできますね、ユリはここで待ってて欲しい」
「行ってきます、お母さん」
「はい、行ってらっしゃい」
「行ってらっしゃい、お兄ちゃん」
フェルのお母さんとユリに見送られて、自分は胸ポケットにフェルが居ることを確認して駆け出した!