兄妹の力を合わせて戦闘
二刀流の攻撃はナナサカさんに届かない、重いはずの刀をまるで羽のように振るい、こちらの攻撃を弾き、カウンターのように刀で攻撃してくる!
「はあ!」
刀をバックステップで回避する、ナナサカさんの体を操っている奴の攻撃は、ナナサカさん本人の攻撃程鋭くはなく、速くもない、それはまだ残っているリーダーさんの補助魔法のおかげかも知れないので油断は出来ない…。
「パラライズウィンク☆」
ユリの声が聞こえたと思ったらナナサカさんの体にバチリと静電気みたいなエフェクトが走り、動きが一瞬止まる。
「ナイスだユリ!」
アースキーで思いっきり殴りかかる!
ゴイン!とナナサカさんの頭にアースキーの殴打が炸裂する!先程の攻撃よりも手応えを感じた!
「排除する!」
「ナナサカさんの体で変な機械音出すんじゃねぇ!」
刀の攻撃が飛んできたので、火光で受け流す!
「チャームアイ♡」
背後からユリの声が聞こえるが、ナナサカさんの体に変化はない。
刀の鋭い突きが飛んでくるが、サイドステップで回避して、なんとかナナサカさんの手に一撃を加える。
「やっぱり効かないか…オールブースター聞いてるから、殆どの補助魔法が重複しないし…歌は今日の夜予定あるし…アイテム投げるしか無いわね!」
「独り言多いぞユリ!」
「癖だから気にしないで戦闘に集中して、お兄ちゃん!」
独り言を注意していたら刀で僅かに斬られて、HPが2割程削れる…かすり傷でも2割とか、直撃なんてしたら即死なんだろうな…。
気合を入れ直して武器を構えてたらユリの援護か、背後から複数のボールが飛んできて、1つがナナサカさんに直撃する、それ以外はあらぬ方向に飛び、地面にバウンドして消滅した。
しかしナナサカさんの体に変化がなく、再び高速の攻撃を仕掛けてくる!
「何したのユリ!?」
「アナライズ!…攻撃力が低下したよ!」
なるほど、ユリが投げたボールはデバフボールだったか、結局あれ持ってるけど自分は殆ど使ってないや!
「どちらにせよ、攻撃を喰らわないことに越したことはない!」
攻撃力低下はあくまで保険、ナナサカさんの攻撃はダイレクトに喰らえば多少攻撃力が落ちていたとしても、脆い自分だと即死圏内…なんてことはあり得る。
突撃してきたナナサカさんの刀を、アースキーで受け流して、火光での攻撃を当てる、少しずつだがナナサカさんの鎧がボロボロになっているように見える。
「なんとかして妖精火門を当てたいな…」
火光の必殺技を防御力ゼロのナナサカさんなら倒せる可能性を秘めているが、避けられたらアースキーの1本で戦う事になるし、MPがゼロになって防御面も不安になる…まあナナサカさん相手だと多少防御力の装備であっても、防具諸共斬ってきそうだ…。
ユリの足止めしてもらって、味方にはダメージが無い事をいい事に妖精火門を使って攻撃という手もあるが…下手したら妹との喧嘩になりかねないから最終手段だ。
「ユリ、足を攻撃すれば動けなくなることてあるのか?」
「あるよ!」
ならば足を狙うか!しゃがんで火光を振ったらナナサカさんの体はジャンプしてそのままこちらの脳天を叩き斬らんと刀を振ってくる!
「エアロバースト!」
だがユリの起こした風でナナサカさんは吹き飛ばされて、刀がこちらに届く事はなかった。
「ありがとうユリ!」
「頑張ってお兄ちゃん!化け物レベルに強いと言っても元は一人のプレイキャラクターだからHPが高いわけじゃないはず!エアロショット!」
ユリが風魔法で立て続けに攻撃するが、それは回避されて再び自分に斬りかかってくる!全く夏イベントで何度も斬り殺された記憶が呼び覚まされるな!
「そこだ!」
アースキーで刀を弾いて、火光を突き刺す!火光はナナサカさんのボディに深々と突き刺さる!
「ナイス!お兄ちゃん!」
反撃されない為に、すぐさま火光を引き抜いて距離を取る、夏イベントの時は全くダメージを与えられなかったが、今回は防御力がゼロの影響か、ガッツリと有効打を与えられている…。
どれだけのダメージを負ってるかはわからないが、あと少しで倒せるはずだ!
そう思った時、ナナサカさんはもう一本の刀を取り出した…待って、ナナサカさん二刀流も出来るの!?というか胴体に火光突き刺さっても、死なないのかよ…。