リーダーリダとの遭遇
さて、街に戻ったのはいいけど……一つの問題に突き当たる。
「まいったな、そういえば鍛冶場に行くにはユリの助力が必要だったか……」
確かあの鍛冶場は、ユリが所属しているチームの共有施設であり、ユリがいて、リーダーの許可がなきゃ、前の鍛冶場は使えない……たしかそういう話だったはずだ……。
「ユリさんに連絡しないんですか?」
「そうするべきなんだが……」
妹にも妹の事情がある、昨日作った武器の試し切りもしたいだろうし、邪魔できない……。
どうするべきか悩んでいると、背後から声をかけられた。
「あれ? 君は体操服の鍛冶屋じゃないか」
「貴方はリーダーさん?」
後ろを振り向くと、昨日鍛冶場でみた人がいた。
あの時はユリに振り回されて、注目してなかったが、よく見ると全身を守るようなプレートアーマーを装備していて、黒髪黒目の男性イケメンさんだ、キャラメイクを頑張ったのだろうか?
「リーダーじゃなくてリダという名前なんだけど……まあ、いいや、話は暴れユリから聞いてるし、口止めの件も聞いているよ、困った事があるなら協力する、体操服の鍛冶屋さん」
「ありがとうございます、自分の名前はレンナといいます、口止めとか妹がすみません……あの、厚かましいお願いなんですが、再び鍛冶場を貸していただけないでしょうか?」
リーダーさんの気遣いに頭を下げる、というか暴れユリて、あの子なにやらかしたのさ!?
「うん、いいよ、こっちも昨日の鍛冶を見せてほしいし、もし必要なら裁縫などのスキルとかも教えるよ」
「裁縫スキルを教えてくれるんですか? ただでさえ、設備を借りてるのに、至れり尽くせりで感謝しかない」
「…………兄妹でこんなに性格違うのか? と、取り敢えず鍛冶場に案内するよ」
ユリはこの世界でどんだけはっちゃけているんだ? そんな疑問を抱きつつ、昨日訪れた鍛冶場に向かった。
「さて、なにを作るつもりなんだ? 可能なら多少の素材を融通するが」
「うーん、どうしよう、せっかくならこの手に入れた地の結晶(特大)を活用したいんだよな……」
「レンナさん、随分とレア物を手に入れたみたいですね」
ドンとシステムの力で何処かに収納していた地の結晶(特大)を取り出すと驚くリーダー、それだけレア物なら、かなり強い装備ができそうだな。
「でも大丈夫ですか? 前回完成時に何故か死んでましたが……」
「……スキルの都合上で、作業時に命の摩耗が加速するから、作業中回復する力がほしいです」
「私もリジェネレートで、レンナさんが倒れないようにします!」
フェルのサポートはありがたいが、それでも完成時のHP減少で死にそうだが……そうなったらそうなったで諦めるしかない。
「なら回復なら少しだけ手伝いますよ、多少の他者回復スキルなら持ってますので」
「ありがとうございます、ぜひ力を貸してください」
助力を得られるのはありがたい。
「それでなに作るんですか? 物によって材料とかレシピとか変わりますが」
「……すまん、レシピてなんだ?」
そう言うとへ? と理解できないという表情を浮かべるリーダーさん。
「鍛冶スキルの上級者ですよね?」
「この世界では昨日降り立って、昨日の作業で鍛冶スキルは6になりました」
頭を抱えるリーダーさん、因みに妹が言うにはスキルレベルは10でカンストらしい、リーダーから見たら、昨日来た初心者がもう鍛冶レベルが6となってるのが信じられないのだろう。
「ユリと聞いてた話が違うんだが……??」
「あの多分だけど、リアルで鍛冶仕事の見習いをしてたので、その影響で一気にレベルが6 になったのだとおもいます」
「……レンナさんの経緯は良くわかんないけど、取り敢えずレシピや昨日のレンナさんがしていた事以外で、鍛冶に必要な事に関しては教えるよ」
リーダーの説明が始まる。
レシピというのは、簡単にいうと作り方が書いてある紙や本であって、作る物に対応する本や紙を持ってないと、作業難易度があがるらしい。
前回はユリが設計図持っていたから、難易度が上がることはなかったみたいだ。
「じゃあ、地の結晶に対応したレシピを探さないといけないのか?」
「いや、どっちかと言うと型紙に近い物だから、シャベルが作りたいなら、シャベルのレシピ、剣を作りたいなら剣のレシピが必要な感じたな、シャベルのレシピなら余ってるけどいる?」
「ください!」
素材を集めることメインで、お金稼ぎしていない為、所持金では微々たる額しかない、多分レシピを買う額は無いだろう、ならば作れる物はシャベルしかなさそうだ。




