歪なエゴ
「え?」
画面に生じたヒビに、画面に触れようとしていた指が止まる、またバグなのか?
画面のヒビはさらに広がり、選択報酬画面と禁忌選択画面が文字がグチャグチャに変化する。
昔の黒歴史で、パソコンがウイルスに感染させてしまった時に似ている。
「まってくれ、ホラーかよ!?報酬どうなるのこれ!?」
ひび割れて壊れた、システム画面にビビって、システム画面から距離を取る。
「まって、武器は…ない?あ、ハンマー!」
咄嗟に何があってもいいように武器を探したら、アースキーはなかったが、鍛冶で使っていたハンマーがあった、人間の時は片手で持てたが、今はスレッジハンマーみたいで、両手で持たないと持てない、それに視界端にいつもの自分のHPバーも現われる。
「え?え?自分生きてるの?ちょっと誰か説明してくれよ!」
「マジックショットブレイク!」
アースキーを構えていると、ひび割れた画面が砕けて、中から誰かが現れる……え?
「フェ……ル………?」
ちょっとまってくれ、状況が飲み込めないよ…なんでフェルがここに?ここはフェルが来れないエリアじゃ??
「はあ、はあ…なんとか届きました…」
「えーと、フェル?どうやってここに?」
「わかりません!気がつけば変な暗い所にいて、壁の向こう側でレンナさんが馬鹿な事をしようとしたのがわかりました!それで止める為に、壁を攻撃してたんです!ネージュフラワーも機能しなくなって、壊せるか不安でしたが…」
か、壁?それを破った結果、この謎の空間に?でも気がついたらここにって、まさか真っ先に選んだ選択報酬1の効果なのか?
というかネージュフラワー壊しちゃったの!?それにこころなしかフェルの声に怒りを感じる気が…。
「それよりもレンナさんのバカ!バカ!ばか!私は貴方を止めます!例えこれが間違いだと言われても!マジックショット!」
フェルの手から魔力の弾が撃ち出される、その標的は自分だ!?
「な、なんで攻撃するんだよ!?」
ハンマーで魔力の弾を撃ち落とす、魔力の弾はハンマーに当たると弾けたので、それによって僅かにHPが減る。
「レンナさんが一番わかっているんじゃないですか!」
……もしかして禁忌報酬を受け取ろうとしていたのを見ていたのか?
どうやって…?いや、よくよく考えたら、シンクロの効果があったな、いつぞや目が潰された時に、フェルの視界を使う事が出来まけど、フェルが自分の視界を使って、自分がする事を理解したのか?
それとも考えが全部伝わったのか?
1つだけ分かる事は…フェルがめちゃくちゃ怒っていると言うことだ…。
「ちょっとまってくれ、話を聞いて欲しい…」
「……なんですか?」
「えーと、フェルの記憶を勝手に消そうとしてごめんなさい!」
「レンナさんのバカ!マジックショット!」
魔力の弾丸が撃ち出される、回避も防御もせずにいると、胴体に当たり、痛みが走る、ノーガードで受け止めたせいか、初期魔法でHPが3割ゴリッと減る。
「え、なんで防がないんですか!?」
回避しなかった事に驚くフェル…。
「いや……好きな人の記憶を勝手に消そうとしてしてたから当然の報いかなと思ってね…」
「ー!」
フェルに驚愕の表情を浮かべる。
冷静に考え直したら人の記憶を勝手に干渉して消すてかなりゲスな行為だ…。
攻撃されても文句は言えない、そう考えると体が動かなかった…因果応報という言葉が当てはまると思う…。
「……なんで…なんで………」
「なんでて…それがフェルが1番幸せに…」
「なんで錬那自身の幸せを度外視しているんですか!!不思議な力で知りましたが、レンナさんはフェアリーガーデンを救う為にレンナさんの全てを捨てようとしていましたよね…。
私は共鳴の試練で知り、ユリから色々と教えてもらいました、レンナさんやユリ…他の一部の人間は何度も消えては復活する理由を…でも今のレンナさんがしようとするのは復活すら出来なくなる行為なのはわかります…だから無謀だとしても、止めます!レンナさんを!」
不思議な力はシンクロの効果だろう…プライバシーもクソもないが、それはどうでもいい…。
ど、どうすれば良いんだよこの状況…というかシステム画面割られたから、もう禁忌報酬を受け取る事も出来ないんじゃ…。
そう思った時に再びシステム画面現れる、それは先程の砕け散った選択報酬と禁忌報酬の画面だ…ああ、何度でも出てくるのか…。
そう思った時に更に画面が現れる、それはさっきオールモスキートと黄金蜘蛛と戦った城の大広間を撮影した映像と思われる画面で何故か虫が集まっている…。
なんだこの不気味なシーンはとなった瞬間その虫が映ってる画面に文字が現れた。
『選択の間からログアウト時のフェルのリスタート地点』
おいまて、もしかしてこれってフェルがここからでたら、虫に囲まれるということか!?
なにそれ安全の保証てこの一時のみなの!?だとしたらクソ選択肢じゃないか!?