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結合進化とその結末

黄金蜘蛛が虫を召喚していくなか、自分の思考は加速する、走馬灯に近い状態なのかもしれない。


妖精の血と道具術がレベル10になって、結合進化が可能?道具術はわかるが妖精の血にレベルなんてあるのか?


自分の疑問に答えるかのように、システム画面が現れた。

最もシステム画面の内容は、自分の疑問へのアンサーではなく、結合進化の選択画面だったが。


『道具妖精

道具の真価を引き出せる妖精になる、このスキルを所持している間、体が小さくなり、羽のエフェクトが防具を貫通するようになる。

このスキルはステータス画面に表示されず、スキル封印することは出来ない。

妖精になりたい人におすすめ。

またアースキーの地門が妖精地門に進化します』


『妖精の道具術

妖精の道具を使いこなす術、妖精が制作や強化に関わった道具をより専門的に使いこなせるようになる。

また一定レベルの道具なら妖精が関わって無くても性能を万全に使えるようになる。

人でありながら妖精の力を使いこなしたい人向け』


進化先は2つ、道具妖精と妖精の道具術。

道具と妖精が入れ替わって、のと術の文字があるかの違いだが…効果は全く違った。


片方が文字通り妖精の道具を使いこなす術なんだが…もう片方が妖精になると書いてある。


はっきり言って、この状況を打破するなら道具妖精だ、妖精地門の効果はだいたい分かる、妖精火門の地属性バージョンだ、大量の敵の足元に大地の針を作り出して刺してダメージを与える効果だろう…。


これなら大量に召喚された虫に対処できて、なおかつ黄金蜘蛛を倒せるかもしれない。

だが1番のデメリットは身長の低い妖精になることだ…。


今は自分の胸ポケットにフェルがいることで、常時アースキーのダメージ肩代わりの効果を発生させる事で、フェルを守れたけど、フェルと同じ妖精になればそれが出来なくなる…。


そして、妖精地門の消費コストは妖精火門、妖精氷門と同じく、全MP消費なのは目に見えている…。


倒しきれなかったら、小さくなった体で逃げなきゃ行けなくなる…逃げられる可能性は人間時より低いだろし、戦いなんて厳しいだろう…。


かと言って、妖精の道具術だと大量に召喚された虫は倒しきれるか怪しいし…。


「レンナさん!」


フェルの声が聞こえる、黄金蜘蛛の居る所を見ると大量の虫が召喚し終わって、召喚していた魔法陣が消えていっていた。

もう時間がない!


「フェル!胸ポケットからでて自分から離れて!」

「え!?う、うん」


フェルが胸ポケットからでて、自分の背後にに立つ、そして自分はアースキーを地面に突き刺して選択した。



道具妖精を!



『スキル:道具妖精を覚えました、アースキーの特殊スキル:地門が妖精地門に変化しました』


システム画面を認識した瞬間自分の体が光だし、視界が光に包まれて見えなくなる。


そして視界が元に戻ったら眼の前の黄金蜘蛛が巨大にみえた…いや、自分が小さくなったからその分大きく見えるのか…。


「え!?レンナさん!?!?え!?」


驚愕の声が背後から聞こえる、勿論フェルの声だが、返事をしている暇はない、側に突き刺さっている自分より何倍も大きなアースキーに触れて、全力で叫んだ。


「妖精地門!」


地面に茶色い巨大な魔法陣が展開されたと思ったら複数の大地の針…いや鋭い杭が魔法陣から撃ち出され、全ての虫を貫いた!


だけど油断は出来ない、もう一度すぐさまMP回復薬を取り出すが…MP回復薬も両手で持てる程度に小さくなっているが…。


それでも飲むのに時間が掛かりそうだ、鑑定眼で見たらMP回復量は変わってないみたい…とにかく飲まねば。


「あの、レンナさん?私状況が理解できないんだけど…」


薬を飲みつつ、背後を見ると自分と同じ身長のフェルがいた、でも完全に混乱しているフェル、悪いが状況が状況なので説明できる暇はない。


1つのMP回復薬を飲みきる、妖精になる前に飲んでた薬の量的に、リアルならもうお腹が水分でタプタプタプだろう、それでもまだ飲めてしまう感覚がある…ゲームの世界恐ろしいな。


虫の方を確認すると、妖精地門で生えた大地の杭が消えていって、黄金蜘蛛以外の虫が赤いエフェクトを纏って消えていっている、黄金蜘蛛も所々赤いエフェクトを発し始めている。


「妖精地門!」


黒龍のように赤いエフェクトを発してても殺しにかかってくる場合があるとわかっているので、回復したMP全部使ってもう一度妖精地門を使う!確実に倒す!


黄金蜘蛛が再び大地の杭に貫かれた瞬間、黄金蜘蛛はこちらに糸を吐いてきた!


「回避…」


回避しようとしたが気付いた、自分の背後にフェルが居ることを!

駄目だ、回避したらフェルが…。


「フェル!」

「え、きゃあ!?」


フェルが蜘蛛の糸にかからないように突き飛ばすと同時に、背中に痛みが走り、高速でHPが減る…。


咄嗟に黄金蜘蛛の方向を見ると最後っ屁をだしたぞと言わんばかりに赤いエフェクトを纏って消えていった。


「あ…………う…そだろ…」

「え、い、いやレン」


だけど蜘蛛の糸は消えなかった…。

それと同時にHPバーが無くなり視界が真っ暗になっていた。

フェルの声は途中で聞こえなくなっていく…。


あ、駄目だ不屈が発動しない、まって、これ判定どうなるの!?クエスト成功はしたけど強制終了条件も満たしちゃったよ!?!


『ファイブクエスト

鍛冶屋と妖精と虫の失敗条件が0%、成功条件が100%の状態で終了しました。』

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― 新着の感想 ―
[一言] ギリギリ!?あっぶねぇ!でも、これはフェルと離ればなれになってしまうのか? いや、妖精になったから自力で妖精郷に来れるようになったのかな?
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