謎の地震とボス
「はあ、はあ…なかなかにきついな…」
何度か戦闘と採掘をこなすしながら奥に進むほど、ゴブリンとの遭遇率が上がっていってる気がする。
二体までならフェルのリジェネレートでじわじわとした回復が追いつくが、三体になると早く戦闘を終わらせないと、回復が間に合わず、ジリ貧になった、なんとかしのいだが…。
それに出てくるのはゴブリンだけではなく、コウモリも出て来て、かなりうざい、飛んでいるとスコップが当たりにくくて、かなりしんどい…。
なんとか倒して、コウモリの羽根を手に入れた…ゴブリンのパンツよりかは使えそうなのでこれは持ち帰る。
「レンナさん…そろそろ撤退しましょう、私の魔力もそろそろ無くなりそうです」
「わかった、撤退しよう…二人で挑む難易度じゃなかったな、ユリにはボス付近はトーテムみたいな装飾あるから、そこまで行ったら撤退しろと言われてたけど、もう帰ろう」
レベルが1上がり、道具術と採掘のレベルも上がったが、やはりシャベルとハンマーでは戦うのに限度がある、幸い採掘によって、鉄以外にも宝石のトパーズと少量の銀が取れたので十分な戦果だ。
回れ右して、来た道を戻り始める、一本道をだったので、帰る時の戦闘はないはずだ…そう思った時、地面が揺れ始めた。
「やばい、生き埋めになる!?」
「レンナさん!こけないように気をつけてください!」
「フェルもしっかりポケットに捕まっててくれ!」
ゲームの世界で地震!?自分はともかく、フェルが生き埋めになるのは最悪だ、揺れる中、危険とわかっていても出口に向かい、走り出す!
この洞窟がどれだけ頑丈かわからず、洞窟の崩壊の危険がある以上、ここに立ち止まってるわけにいかない。
「一本道で良かった!」
20秒以上経ったのにまだ揺れが収まらない、自然の地震じゃない?どちらにせよこのまま洞窟に居るのは危険だ!
「レンナさん!目の前に入口があり…でも付近に生物が居ます!」
「嘘!?敵!?」
フェルの指差す方向を見ると出口の明かりとそれを背に立つ、ゴブリンよりも大きなゴブリンの親玉ぽいやつがいた。
「ふざけんな!あれボスだよな!?なんでここに!?」
ユリから聞いてた話と特徴が一致している、ゴブリンの倍くらいの大きさ、肩に質の悪そうな大剣を背負って、胴体に沢山の鎖をまいた、この洞窟のボスだ!
ボスもこちらを認識したのか、戦闘の構えを取る…ユリのアドバイスからして間違いなく、格上だ…やつの直撃を喰らえばただじゃすまないだろう。
だが、ボスに出入り口に立たれている以上、戦う戦わないにしても、道はボスの後ろにしかない。
「フェル、俺の頭上のライトの明かりを一瞬だけ全力に光らせるて出来る!?」
「出来ます!」
「ならライトと叫んだらやってくれ!頼むよ!」
そう叫んで、出口に向かい、駆け走る、ボスどの距離が近距離になった時、ボスは大剣を足下を薙ぎ払うように剣を振るう、それを避けるように全力ジャンプする!
「「ライト!」」
自分とフェルの声が重なる、頭上のライトが閃光のように輝き、ボスの目を潰す。
「ついでに食らっとけ!」
ジャンプの勢いを利用して、片手でもった鍛冶用のハンマーを全力で振り下ろして、バチィ!とフェルとの共鳴の効果か、雷を纏った一撃をボスの頭に叩き込む!
「追撃!」
着地と同時に再びジャンプ、次はハンマーを振り上げて、顎にハンマーをゴウ!と次はフェルとの共鳴の力で火を纏った一撃を叩き込む。
頭に2回ハンマーを食らって、こたえたのか倒れるボス、倒してないが、目的は撤退である以上、今が逃げる最大のチャンスだ!
「ナイスだ!フェル!ライトのタイミングが最高だった!」
「ありがとうございます!あれにトドメはささないんですか!?」
「今は避難が最優先だから!」
まだ地震が続いている、日本でもやばいなと思える長さだ…絶対になにか良くないこと起きてるよな!そう考えつつも、自分とフェルはボスを放置して、洞窟から脱出するのであった。