龍の力は危険なのか?
想像の範疇だが、TTが今は竜人みたいな感じで済んでいるが…長時間使うほど竜の比率が上がっていき…最終的に龍になって、人間に戻れなくなるのでは?
獣の英雄はその結果、何も知らない妻に殺された…そういえば妻はどうやって赤黒い龍が獣の英雄と知ったのだろうか?書物が燃えた以上、今はもう知りようがないが…。
プレイヤーが永続的にドラゴンになる…普通ならありえないと思うが…自分自身が現在の6割妖精になっているのだ…TTもあり得るかもしれない…。
「TT、その龍の力乱用しないほうがいいかもしれない…」
「え、なんでだ?」
「さっき燃え尽きたけど、獣の英雄の妻の日記を見つけたんだけど…」
そう言うとTTは眉を潜めた。
「なんて書いてあったんだ?というか燃え尽きた?」
「龍になった獣の英雄が、妻に殺された事が書いてあったんだ…もしかしたら使いすぎたら龍になって、TTが他のプレイヤーに殺されるかもしれないとおもってね…あと日記は読んだら燃え尽きた、理由はわからん」
「なるほど、やっぱり身内に殺されたのか…」
やっぱり…ということは、そこまで考えが至る程の情報は手に入れているみたいだな。
「でもそれと俺の得た龍のスキルと関係なくね?俺の場合、仮に龍になったとして、もしも他のプレイヤーに敵と誤認識されて殺されたとしても、まあ、腹が立つけど実際に死ぬわけではないからな」
……確かにその通りだ、獣の英雄とTTの最大の違いは命の数だ、NPCの獣の英雄は一度死んだら終わりだが、TTはTT…高田の心が折れるまで無限に復活が出来るのだ…。
もしかしたら龍になってしまっても、死んだら人間状態で復活できるかもしれないし…自分自身が妖精になりかけてることもあって、深く考えすぎてたか?
「すまん、こっちの考えすぎかもしれない、さっき言ったことは忘れてくれ…」
「……まあ、あの龍の姿は人の注目を集めるし、NPCの反応も変になりそうだから、いざという時の切り札にしておく」
「そうすると良いとおもう、TT…。
しかしレッドドラゴンを倒したわけじゃないからドロップアイテムはないんだな…赤字だな…」
道中の戦いでドロップアイテムとして得た動物の毛皮があるが、レッドドラゴン戦で使ったMP回復薬はなかなかの値段だ、動物の毛皮を売ったとしても使ったMP回復薬の値段と釣り合わない。
「そうか、龍鱗の1つもないのか…これだと釣り合い悪いな…レンナはレベルは上がったのか?」
「道中で1レベル上がったけど…」
「こっちは3レベル上がった…ちょっと街に戻ったら、なんか良い強化素材を倉庫で探してプレゼントする、もしくな高級なMP回復薬を…おかしいなナンバークエストに関わった仲間にはかなりの経験値が入るんだけどな…」
頭をガリガリ掻くTT、なんかうまく交渉すれば、色々とぼったくれそうだなと一瞬思ったがやめておく、リアル友だちにそんな事して数少ない友人を失う事はしたくない。
「取り敢えず倉庫確認するためにも、一旦帰るか…これ使おう」
そう言って、懐からスクロールのようなものを取り出して、それを破壊するTT、すると自分達の体が光ったと思ったらツー街の入口付近にワープしていた。
「何したの!?」
「アイテムで移動したんだよ、かなり割高だが、まあ時間を買うと思えば値段相応なのかな…すまん、ちょっと倉庫見てくるからここで少し待っててくれ」
TTはそう言うと入口付近にある魔法陣でどこかに飛んでいった…多分、TTのマイホームに飛んで行ったのだろう。
人通りの邪魔にならないように、端っこに移動する。
道の端で待っていると考えてしまうのはTTのナンバークエストだ、龍の力は確かに大きな目標に見えるが、他にも何かやるべき事とかあったのかな?
龍の力を得次第に帰ってきたけど…動物の力を集めた先になんかやばい敵とか出てくるのかな?そんな事をぼんやり考えているとTTが戻ってきた。




