洞窟探検
さて、鍛冶屋レベル6のレンナである自分は、現在の課題を思い出そう。
防具は見た目は体操服だが、性能は今いる街で買える市販品よりもいいらしいので、問題は武器だ、武器になる物は2つ持っている、一つはシャベル、もう一つは鍛冶の際にユリに貰った片手ハンマーだ。
シャベルの攻撃力は1、ハンマーは2だ、そう考えると、鍛冶で作ったレンフェルソードが結構強かったのかもしれない。
因みに最初に初期装備に武器を貰える為、初期の所持金では武器は買えないらしい、ユリも今の自分のレベルで装備できる武器は持っておらず、お金は借りなかった…流石に妹にお金借りたくない…。
故に初期装備のスコップとハンマーでなんとかしないといけない…状況次第ではに、逃げ回る必要があるかもしれない…。
「取り敢えず妹から教えてもらった洞窟に行ってみよう、鉱石取れるみたいだから、鉱石を採掘してみたいんだ」
一応スコップで採掘出来るのは、採掘スキルを得た時にわかったから、なんとかなるはずだ。
「わかりました、もしも戦闘になったら多少の補助魔法かけますが、命大事でいきましょう」
「わかった、死にたくはないしな…」
フェルとそんな言葉を交わしつつ、見える敵を避けて進む、ユリが言うには、街周辺のエリアから手に入る皮素材では、体操服を超える防具を作るのは極めて難しいらしい。
故に狙いは武器の材料になる鉱石に絞っている。
十分後、ユリから教えてもらった洞窟にたどり着いた、名前は何だっけ?まあ、ビギナー洞窟としよう、森と違って虫は出ないから、安心してとユリは言ってたな。
「…暗くね?これじゃあ先が見えない…ランタン必須だったか…」
しくじった、ゲームの中のと妹が言ってなかったから必要ないと思っていたが…
「任せてください、ライト!」
フェルの一言で頭上に灯りが照らされる…
「凄い!助かったよ、フェル!」
「えへへ、道を照らすのは任せてください」
胸をはるフェルに、歩いて少し溜まってた疲れが癒やされた、自分は意気揚々と洞窟に足を踏み入れた。
「はあ!」
三分ほど歩いてたら、棍棒をもったゴブリンのようなモンスターが出て来て、戦闘に発展する、自分はシャベルを両手持ちで刺突攻撃を放ち、ゴブリンは棍棒で殴り掛かる。
ゴン!とゴブリンの一撃は自分の手首に当たり、シャベルはゴブリンの胴体にガッツリと突き刺さる。
傷む手首を動かして、素早く二度目の突きをゴブリンにぶっ刺して、ゴブリンにトドメをさす。
「くう…非力だからか、一撃で倒せないのはきつい…」
「大丈夫ですか、回復します、リジェネレート」
「ありがとう、俺一人だと回復出来なくてジリ貧になるところだった…」
攻撃されて赤くなった手首が光に包まれて、赤みやキズが消えていった。
「と、ここが採掘ポイントか」
ゴブリンのドロップ品…ゴブリンのパンツは無視して、洞窟の壁を掘る。
ザクザクと壁を掘ると、鉄鉱石を掘り起こせた。
「鉄鉱石だけだと限度があるし…銀とかチタンとか取れないかな?」
鉄鉱石はこれで2つ目だが…鉄鉱石も練習用も合わせて、もう少し掘っていきたいな。
もっと掘りたいし、もう少し洞窟の奥へ歩いて行こう。