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レンナの地雷とレッドドラゴン

「また来たか、龍望む獣よ」


重く、響き渡る声が耳を強く震わせる。

龍の鋭い目がこちらを捉える、本能的な反応か体が震える。


「お望み通り、こっちはとっておきの助っ人を連れてきたぜ、あんたが苦手そうな妖精の力を持ったやつをな…」

「え、妖精の力が弱点なのか?」

「いや、実際の所わかんないけど、別ゲーだとドラゴンタイプはフェアリータイプに効果抜群だ」


別のゲーム知識かよ!?


「ふん、妖精の力とは舐められた物だな、虫と同じ存在の力でどうにか出来ると思われるとは」


「あ、地雷」「妖精火門!!!」


TTの言葉をかき消す勢いで、火光を手にして全力で切り札を叫び、叩き込む!それ言ったら戦争だろが!


「TT!回復するから守ってくれ!」

「り、了解…て、どう狙えば…火が凄い…」

「妖精火門の火は味方を焼かないから安心してくれ!」


未だ妖精火門による火柱が吹き出す中、素早くMP回復薬を飲み始める。


「レッドドラゴン相手に火とは舐めた事をする!」


火柱の中からレッドドラゴンが飛び出してきて、尻尾を振るい、こちらを攻撃してくる。


「鹿猫熊!バスターナックル!」


自分とレッドドラゴンの間に入って、パンチ1つで尻尾攻撃を相殺するTT。


一本飲み終わり、MPが200回復する、だが自分の最大MPは400以上だし、火光にMP補充するならあと3本飲みたい。


レッドドラゴンは火は効かない的な事を言っているが、鱗にしっかり焦げ目が付いている辺り、決して効かないという訳ではないはずだ。


とにかくもう一本飲み始める。


「スマッシュキック!」


TTは跳躍して、ドラゴンの顔に狙い、蹴りを放つ、蹴りはドラゴンの顎を捉えるが、少しドラゴンの顎を動かす程度で大きくダメージを与えたようには見えない。


「ふん、口を狙って、ブレスを封じるつもりか…無駄だ!」


ドラゴンの口から真っ赤な粉が大量に噴出して、辺りにばら撒かれる。


目を細め、赤い粉が少しでも目に入らないように目を保護する。


「鳥!スピンニングキック!」


TTは背中から羽を生やし、空中で体を回転させて、赤い粉を吹き飛ばし、更にドラゴンに蹴りを放つ…その吹き飛ばしでこっちに結構な量の赤い粉が飛んできてるんだけど!?


取り敢えず、もう一本のMP回復薬を飲み干し、MPがほぼ満タンになる。


今の所、赤い粉による体に異常は現れてない。


「レンナ前衛変われるか!?MP回復したい!」

「分かった!パワーアップ、スピードアップ!」


TTと入れ替わるように前に出る、シンクロの効果で、フェルの覚えている補助魔法が使えないか試すと、効果は発動した。


「随分と舐められた物だ、後衛モドキに前衛やらせるとは!死ね!」


ドラゴンは尻尾で薙ぎ払ってくる!太い尻尾が迫ってくる、迫力満点だが…ナナサカさんの一撃と比べたら遅い!全力の跳躍で回避する!


「エレメントブースト、地門!」


地面に着地して地門を放つ、大地の針はレッドドラゴンの胴体に突き刺さるが、結構刺さりが浅い…。


「…くぅ……ジクッとしたがその程度か!火を吐くまでもないわ!」


ドラゴンは地門の針を破壊して、自分を食らおうと口を開き、噛みついてくる!


「土でも食ってろ地門!」

「持たせたなレンナ!バスターナックル!」


地門で噛みつき攻撃を防ごうとしたら、TTが前線に復帰してきて、バスターナックルでドラゴンの頭を殴り、噛みつき攻撃を阻止した。


結果、地門は発動損だ…まあいいや。 


「早いな」

「MPが少ないからな飲む薬の量は少なくて済むんだよ…まだMP回復したいなら下がっていいぞ?」

「なら頼む」


後に下がり、所持MPの全てを火光に込めて再びMP回復薬を飲み始める。


「ふん、ならば2人もろとも!」

「ストームストーン!」


レッドドラゴンが炎の息を吐くが、TTが取り出した風の石によって発生した風の壁が相殺する。


「ぷは、地門!」


一度MP回復薬を飲むのを中断して、少し回復したMPで地門を放つ、大地の針は炎を吐いているドラゴンの顎を捉えた。


「かあ…」

「ナイスだレンナ!虎!バスター…ナックル!!」


TTは地門により途切れた炎の息の隙を突いて、全身をムキムキにして一気に肉薄、顎に全力のアッパーを放った!


しかしバスターナックルが当たると同時に、爆発したかのようにレッドドラゴンの口から赤い粉が噴出し、自分達に降り注いだ!

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― 新着の感想 ―
[一言] 妖精が地雷とは。TT運がない…勝てるかな?
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