新しいハンマーの入手とアースキーの強化その2
「疲れたー……」
約25分後、なんとかリーダーさんからの依頼としてのナナサカさんの刀の修理を終える。
「お疲れ様だ、これでそのハンマーはレンナさんの物だ」
「はい…」
疲れた、残りの2つの刀も硬いのは当然として、かなりのクセのある刀だった、1つはかなりの長くて全体的に叩く必要があった。
その刀を修理するの際は、体を反復横跳びみたいな感じで打つ事になったし、もう一つの刀は潰して斬る事を前提にした刃で、分厚くて、打ってる最中、上手くいってるか分からなくてきつかった。
現実でやることになってたら、絶対うんざりする刀だった、細かい作業とか研磨とか省略されるゲームで良かったと思う。
「疲れました…」
「フェルさんもレンナさんにつられて、反復横跳びしてたらそりゃあ疲れるよ」
フェルも疲れ気味だ…というかフェルは反復横跳びする必要はあったのか?いやないか。
「2人共疲れているし、武器を強化する前に少し休憩しないか?お菓子とジュースだすよ?」
リーダーさんはそういうと、ワッフルと牛乳と思われるドリンクを取り出した。
「いいんですか?それなら欲しいです」
「あーいただきます…」
個人的には別に休まなくてもいいが、フェルが休むなら、合わせて休むべきだろう。
自分達は工房の隅にあった椅子に座って、ワッフルと牛乳を食べ始めた。
「2人共、最初はぎこちなかったけど、最後らへんいつも通りになっててよかったよ」
「まあ、新しい道具となると少しはぎこちなくなるさ、ハンマーの重さとか色々と把握しないといけないし」
そう言いつつ、ワッフルを食べる、ふわふわとしているが、甘さは殆どなかった。
「ワッフルはメープルシロップ欲しくなるな…………牛乳あま!?きつ!?」
メープルシロップを希望しながら飲んだ牛乳が、かなり甘かった…なにこれ?砂糖大量に放り込んでる!?
「それ牛乳じゃなくてチョコレートドリンクだよ、ホワイトチョコのやつ、ワッフル甘くないからシロップ代わりにね」
「シロップにしては甘すぎないか!?」
「え、美味しいですよ、レンナさん?」
フェルに言われてもう一度飲んでみる、牛乳じゃなくてホワイトチョコのドリンクと認識して飲むと、結構甘いとはいえ、普通に美味かった、牛乳と思って飲んでたせいで、認識がバグってたのかな…。
「美味しい…」
「よかった、甘いのがダメという訳ではないんだな」
「甘いのはいける、さっきのは牛乳と思って飲んでしまっただけだから!」
慌てて言ったら、フェルにクスクスと笑われた。
恥ずかしいな…恥ずかしさを抑える為に、ワッフルをガツガツ食べつづけた。
ワッフルを食後、今度こそアースキーを強化する為に、鍛冶設備にアースキーとオリハルコンをセットして、更に呪血鍛冶の固有効果である血を注ぐコマンドをオンにする。
「フェル準備はいい?」
「はい!」
フェルの返事を聞いてから、スタートボタンを押す。
それに連動して、HPとMPがごっそり減って、鍛冶装置が動き始める、最大HPは減ってない。
そして周囲の温度が上がると同時に、アースキーの形をした全体的に真っ白で所々が紅くなっている金属の塊が、金床に流れてきた。
「リジェネレート、フェアリーウィッシュ、スリップガード、パワーアップ、エレメントブースト!」
フェルの補助魔法を受けつつもアースキーにハンマーを振り下ろす!
ドン!とまるで大地にハンマーを振り下ろしたかのような感触が伝わる。
「なにこれ…金属音がしない!」
待ってくれ、一回アースキーを強化したけど、なんかその時と明らかに違う!?
ハンマーを変えたから?素材のレベルが高すぎる?どうすればいいんだと迷っていると…。
「先端を丹念に叩いて!」
フェルでもリーダーさんでもない声が聞こえた、その声は最初の鍛冶とアースキーを作った時に聞こえた声!?結局何なんだお前!?
もしかしてフェアリーウィッシュの効果なのか?それ以外思いつかない。
ともかく先端を叩き始める。
「頑張れー、支援魔法いるか?」
「問題ない!」
リーダーさんからの支援を断る、流石にリーダーさんに頼りすぎるのは良くないからね!
ドンドンドンという音がカンカンカンと金属音に変わっていく、しかしそれに伴って地面が揺れてるかのように感じ始める。
「このくらいで止まれるか!」
地面が揺れようが、震えようが変わらずハンマーを振るう!体幹なら自信がある!それに何故か武器が震えてない…ならば問題ない!
揺れて震える足場に惑わされずに、何度もカンカン叩いていると、仕上げボタンが出てきたので、それを全力で押し込んだ!