夜の2人、カンパニュラ・メリーベルのコサージュ
お昼ご飯の食べた後、アッシュルさんに捕まったらしいTT…高田からの謝罪のメッセージがスマホに来た。
相変わらず変な所で律儀だな…。
少し連絡してたら、ログイン制限がなくなったからと、高田はファンタジーフリーダムに飛び込んでいった、元気そうで何よりだ…?
時間が飛んで、晩御飯を食べた後の夜。
お昼は親の仕事の手伝いをした後、一応ダンスの動画で、イメージトレーニングはしといた自分は、ユリのマイホームに降り立った。
朝にあった壁は撤去されていた…手早いな…。
「レンナさん、こんばんは」
フェルが笑顔で出迎えてくれるが、見た目に変化があった。
フェルのドレスの胸元水色のカンパニュラ・メリーベルのコサージュがあった…あげたものより小型化しているが…。
ドレスが白色だから、水色が目立つな…。
「フェル、そのコサージュは?」
「レンナさんから貰った花をユリにみせたら、リーダーさんに頼んで、コサージュに加工してくれました!これなら枯れないみたいです!」
へーそうなのか…言ってくれればレシピ買って作ったのに…。
そりゃあリーダーさんは強いし、多分細工スキルレベル的に負けるだろうが…少しだけもやっとする。
「そうか、似合ってるな…」
「えへへ…嬉しいです」
目に見えて喜ぶフェル…少し顔が赤いのは気のせいか…?
「えーと、どっちからいく?ウランさんのおすすめスポットかリーダーさんのおすすめスポット?」
「リーダーさんのおすすめスポットに行きたいです!」
まあ、ウランさんのおすすめスポットはバーだし、リーダーさんのおすすめスポットを先に行ったほうがいいよな…。
というかバーて、行けるのかな?未成年だからお酒は頼めないと思うが…ジュースは頼めたら良いな…フェルはお酒飲めるのかな?人間じゃないからお酒飲めそうではあるが…。
「それじゃあ行こうかフェル」
「はい、レンナさん!」
フェルが胸ポケットに入ってくる、それを確認して自分達はリーダーさんのおすすめスポット、多目的ホールに向かった。
道中思わず背後を確認してしまった…いや、流石にTTが居るとは思えないが、お昼前は尾行されてたからな…念の為だ、念の為…流石に二度も友達に尾行されるのは、気分良くないからね!
スリー街の夜は薄暗いと思っていたが、お店の明かりでそんなに暗く感じない、特に多目的ホールは、より一層に光を放っている、これなら迷うことはない。
多目的ホールにたどり着き、受付にリーダーさんから貰ったチケットを渡す。
「ご予約のレンナ様とフェル様ですね、係の者が案内しますので、係の者の案内に従ってください、そしてレンナ様、こちら、お預かりしていた物です、踊る際はこちらをお使いくださいと、承っています」
受付はそう言って、1枚のカードを渡してきた。
え?予約なんてした覚えが無いんだが…。
誰だ?リーダーさん?ユリ?
取り敢えず、鑑定眼で渡されたカードを確認しようとしたが、鑑定眼では見抜けなかった。
なんだろうこれ?と思ったら、係員がやってきた。
「お待ちしていましたーレンナさ、様…フェル様、ダンスホールにご案内しますー」
「え、アッシュルさん!?」
係員がアッシュルさんだった、NPCじゃないのか?
「アッシュルさんて、警備以外にも係員もしてるんですね!」
「今回だけだよーフェル様ー、悪者を捕まえた報酬の代わりに今回だけ、係員やらせて貰ってるのですー」
「なんで報酬の代わりに係員…?」
「色々と気になる事がありましてー」
気になる事て、自分達の事か?それとももしかして、なんかあったのか?
係員状態でも口調が変わらないんだな…まあ、いいか。
自分達はアッシュルさんの案内で、ダンスホールにたどり着いた。