ユリのおすすめのスポットは宇宙空間!?
「ここが…ユリのおすすめの場所?」
スリー街にある、ユリのおすすめスポットは小さめの建物だった、ドームみたいな形状で、どんなスポットかわからない…お店なのか?。
「いらっしゃいませ!ここでは魔法陣で宇宙空間を体験出来るスペースにいけるお店です!」
入口にいた、店員と思われる人に話しかけられる。
「宇宙空間…?」
「あの、なんでこの世界で宇宙空間?」
ファンタジー世界なのにおかしくね?と思い、そう聞くと、店員は困ったようは表情を浮かべてからも料金の説明をした、教えてはくれないみたいだ。
料金はかなり安いな…なんでだろう?
「レンナさん、宇宙空間てなんですか?」
「空よりも遥かに高い所だな、普通なら生身でいたら死ぬような所だけど、街中にあるということは模倣品で見た目だけ似せた空間に入れるんだと思う」
多分中に入っても、宇宙空間が見れるだけで、なにか特殊な事は起きないから、利用料金が安いのかな?
「レンナさん、入ってみたいです」
「そうだな、ユリがなんでここをおすすめしたか気になるし、入ってみよう」
お金を払い建物に入ると、魔法陣があったので中に入る…すると視界が真っ暗になっと思ったら、ふわっと地面が無くなる。
「え!?うわ!?」
「れ、レンナさん!?なんかふわっとします!ふわっとします!」
落下する感覚はしない、足をばたつかせても地面はつかない。
もしかして、これが無重力というやつなのか?ど、どうやってバランス取ればいいの!?
「あ、レンナさん周りみてください!」
「え?うお!?」
フェルの声に辺りを見渡すと、数多の星が瞬いていた。
360度どころじゃない、宇宙のど真ん中に投げ出されたプラネタリウムだ…凄いけどなんか生きた心地がしない。
「おーす、凄いな…」
そういえば、宇宙空間は真空で、音が伝わらないんだっけ?フェルと会話出来てるけど、やっぱりあくまで模倣しているだけなのかな?
「レンナさん、あそこにでかくて、青い球体があります!」
「多分地球だな…」
「地球てなんですか!?」
「え、えーと自分達が住んでる所を模した星だな、距離が遠すぎて、自分が住んでる所すらまともに見れないな…」
胸ポケットにいるフェルの質問に答えながら、なんとか移動できないか試みる…だが体の向きは変えられても、動けない…もしかしてそういうシステムか?
「レンナさん、あの星はなんですか?」
「あれは土星だね…輪っかのは、岩の群生だよ」
実際に土星の輪っかが、何で出来ているか知らないが、た、多分あってるはず…?
「あれが岩の群生ですか?」
「ああ、多分岩の一つ一つが人間の何倍もでかいぞ、遠すぎてわかんないけど」
「そうなんですか!?」
フェルが目をキラキラにして辺りを見渡している。
「危ないからポケットから出ないようにな?」
「はい!」
模倣だから大丈夫だと思うが、念のために注意を促す。
しかしフェルと一緒だから楽しいけど、一人だと早々に飽きそうだな…。
「あ、レンナさんさん、あれなんですか?」
「うーん、わからない、星の知識はそんなにないからな、星は殆ど球体で見分けもつきにくい」
有名な星ならばわかるが、有名じゃなければわからない。
「あ、レンナさん!星型の星があります!あれは何でしょう?」
「ほ、星型の星?」
現実にそんな星は聞いたこと無い…つまりこの模倣された宇宙空間は、完璧に地球周辺の星を模倣したわけではないみたいだな。
「あれはスターだな…星の詳細はわかんない、多分スターの支配者になれば、無敵になれるとかあると思う?」
「なんですかそれ?作り話ですか?」
「この空間に浮かんでる星の大半は人間が住めない世界だからな、だから沢山の妄想や作り話をするんだよ」
クスクスと笑うフェル、なかなか楽しいなと思っていたら目の前にシステム画面が現れる。
『残り30秒後、元の空間に戻ります、着地の準備をしてください』
あ、時間制限あったのか、制限時間短いが値段相応か、というか着地の準備て…どうしろと?
「フェル、そろそろ時間制限で元の空間に戻るみたいだ、着地の準備をして欲しい…上手く着地出来ずに、衝撃がくるかもしれないからな」
「わかりました」
すると視界は真っ白になって、それが正常に戻ると、先程入ったお店の中にいた、一瞬足に自分の体重の重みが加わり、ガクンとなったが、コケる事にはならずに済んだ。
「と、とと…無重力なんて、初めて経験だった」
「楽しかったですね、レンナさん」
ユリはよくこんな所知っていたな…そう思いつつ、自分達は、宇宙空間の体験が出来るお店から、出るのであった。




