四人六妖精レンナ…?
「レンナ、貴方は約6割くらいは、妖精になってるじゃん」
「ろ、6割…?」
メーチャさんの言葉に反応に困る…仮に全部が妖精になったら、どんなメリット、デメリットが生じるんだ?
もしかして体格がフェル達と同じになって、アースキーと火光が使えなくなる…?
だとしたら、かなり不味いな…確実にオールモスキート戦で不利になる。
それにフェアリーガーデンから帰る時に、転移魔法陣から人の感知とか言ってたし…下手したら帰れなくなる?でもフェルは単体で転移魔法陣使ってたよな……よくわからんし、人でいたほうが良いのは確かだ。
かと言って人間の比率を上げる方法なんてわからない、ファンタジー世界に血を抜いて、血液検査は行為はメーチャの行動であるとわかったが輸血なんて概念あるのか?
「残りの4割は…多分人間じゃね?」
「多分て…」
「あたし人間の事あんまり知らないから、正確な判断は出来ないじゃーあ、あと背中に羽は生えてたよ」
「はい!?」
背中を見ようとするが、首が硬くて背中が見えない…手で確認しようにもなんも羽を実感できない。
「光で出来た羽だから、素手じゃ触れないよ」
「え、羽は服が貫通しているのか!?」
「貫通はしてないよ、隠そうと思えば隠せるじゃない?」
そ、そうなのか…まあ、隠せるなら隠しておきたい気分だ、見せびらかしてもトラブルしかならないとおもう。
「取り敢えず調べさせてくれて、ありがとう、ずっと気になっていた事の一部がわかって、スッキリ爽快じゃん、また時間がたったら調べさせてよ」
「ああ、色々と気になるからまた調べて欲しい」
メーチャさんとの会話を終えた自分はフレンド一覧でログイン状態のリーダーさんにメッセージを飛ばす。
わからないことはリーダーさんに聞くのが1番だ。
『リーダーさん、体の6割が妖精になっていってるんだが、どうすれば人間の比率を上げられるか知ってるなら教えて欲しい』
メッセージを飛ばすが、数分待っても返事は帰ってこない。
もう少し待っていると返事が返ってきた。
『すまん、訳がわからないよ』
『こっちもわからない、共鳴の試練で得た謎スキル妖精の血というのが多分影響しているんだと思うんだけど…他のプレイヤーが別種族になった話は、聞いたことある?』
ゆっくりとタイピングして送信する、待っていると長文が返ってきた。
『噂は聞いたことあるが…信憑性は薄い、コスプレだったというオチがあるし…エルフやドワーフは見た目の模倣は比較的簡単に出来るし、何を基準にエルフやドワーフになったかは判断は難しい。
獣人の模倣は簡単にわかるんだけどな、付け耳の有無だし。
ステータスに種族名があれば一発でわかるんだが…。
状況はよくわからないが、もしもレンナさんがフェルと同じ大きさの妖精に永続的になったのなら…間違いなく大騒ぎ案件だ…街中で頭にPLネームを浮かべた、明らかに模倣じゃない完全な妖精とか、確実に妖精になれる方法を知る為に人が殺到するぞ。
それに妖精になったら、フェルと一緒に街巡りは難しくなるだろうな…レンナさんが追いかけ回されるし…間違いなくフェルも狙われるだろうな…端から見たら、君が妖精になったのはフェルが深く関わってるから…てな。』
その文章を見てゾッとする。
あかん、妖精になった際のデメリットがえげつない!?
『なるほど、ゲームに詳しくないから、その考えは全く無かった…色々と教えてくれて、ありがとう』
『いや、こちらこそ信憑性が特大の情報をありがとう…また困った事があったら言ってくれ、難しいと思うが、人間の比率を上げる?方法を探してみる、通信はこれで終える、返信は不要だ』
リーダーさんからの、メッセージのやり取りが終わる。
本音を言えば、めっちゃ妖精になってみたいが…デメリットがデカすぎる。
というか他のプレイヤーは頭にプレイヤーネーム浮かんでるの?見た事ないんだけど…もしかして設定で、見れるようになるのか?
いや、それよりも、バランスを取る方法がわからない…どうすればいいんだ。
自分はフェルと合流するまで、変質した自分の体をぼーと眺めるのであった。
少なくとも、今の所…身長は小さくなってないはずだ…?