フェルの友達、医者のメーチャとのお話
フェルの友達のメーチャさんを探す、探すと言っても、近くにいた妖精に聞いたら、あっさり見つける事が出来た。
メーチャさんは結界の端っこで一人、花からなにかを採取していた。
「あのー、貴女がメーチャさんですか?」
「うん?あ!噂のレンナじゃん!」
自分の声にメーチャさんが振り返る、彼女は茶髪のロングウェーブで茶色眼、フェルと違ってボンキュボンと言えばいいのか、世間一般的に言う豊満な体格をしていた。
服装も白衣を羽織っているが、その下はかなり露出ある服?下着?を着ている…。
背中の羽はピンク色で色鮮やかで目が惹かれる。
どんな妖精かは…前に結界内にいる妖精一覧書を読んだが、もう細かい内容は忘れてしまった…。
多分クッキーを配った時に会った事があるはずだが…。
生憎記憶力はそんなに凄くないのだ、こんな事なら書物の内容メモなりすれば…いや、ページ量的に無理があるか、そもそも筆記用具持ってないしな。
「……ふむふむ、改めて見てみると、不思議な感じ…クッキーを貰った時よりも、随分こちら側になっているじゃん」
「なんの話だ?」
「確認為に…フェアリーチャーム♡」
メーチャさんが腕で胸を強調した魅惑的なポーズをとる。
その瞬間クラリとして、体の制御が出来なくなるが、すぐに体が動くようになったので、速攻で距離をとる!
「なにするんだ!?自分は味方だぞ!?」
名前からして、明らかに相手を魅了するスキルだろう。
何で自分に使った!?
「むーやっぱりほぼ効果ないじゃん…あのフェルの事だから、あたしが教えたフェアリーチャームを使ったとは思えないし…」
「私が教えた…?あのニンフという言葉に心当たりはあるか?」
「ニンフはあたしの種族の名前だよ?」
黄金蟻戦の後に、フェルは友達から異性を魅了するスキルを教えてもらったと言っていたが、どうやら彼女が教えたみたいだな。
「それよりもレンナ…貴方は人間?妖精?」
「…わからん、推定になるが人間と妖精の混血だと思うが」
普通なら人間だと言えたが…。
敗走してしまったオールモスキート戦で知った事、共鳴の試練で自分は妖精の血を得た結果、混血状態になっているらしい。
オールモスキートが嘘をついてる可能性は…いや、あの状況で嘘を付く意味はない。
「さっきのフェアリーチャームはフェルの為に調整した対人間に特化して放ったスキル、仮に混血だとしても、フェルに完全に好意を寄せているレンナなら確実に魅了出来るとは思ったんだけど…結果は失敗したわ」
「ただこっちが状態異常耐性があっただけでは?」
「耐性が発動したらそもそも一瞬でもクラッとはしない…もしかしてフェルにフェアリーチャーム使われた?相思相愛じゃん?」
うーん?メーチャさんが何を話したいのかよくわからない。
というか相思相愛て!?は、端からそう見られてるのか…?そ、それよりも!
「使われた事はないぞ!それよりも何が言いたいだ?何を言いたいのかよくわからない」
「こんなの初めて見たの、だからなんともいえないけど、貴方はだんだん妖精になってるじゃん?」
「どういう事?」
意味がわからずステータス画面を開くが、種族名なんて書いてない、人間の筈だ?
「あたしもわかんない、だから手探りでフェアリーチャームかけたじゃん、医者として更に調べたくてね、少し検査してもいい?」
「わかった、調べて欲しい」
このまま放置はモヤモヤするので、検査を受ける事にした。
検査と言ってもされたのは注射みたいな何かで血の採血されたり、背中を見られたり、あとは魔法をかけられた感じだな、魔法陣の中を通されたけど、あれなのかな?スキャンでもされたか?
自分は何も分からずに、ドキドキして検査をしているのであった。