オールモスキートの力、逃げ道を探せ!
居場所の確認とはいえ、オールモスキートの根城に近付いた結果、起こってしまったオールモスキート戦、自分の逃げろという直感は正しかった。
「パワーアップ、スピードアップ、フェアリーウィシュ!」
「はあ、せい、地門!」
「ふむふむ、よく見たら妖精も居たんですね、小さすぎて、わかりませんでしたよ」
自分のアースキーによる攻撃が当たらない、2回攻撃を振ってからの地門に繋げて見たが、回避されてしまった…。
フェルというか、妖精を舐めているのか?
腹が立つが、今は勝てない!
「まずは一手」
「アクアシールド!」
オールモスキートはホースのような口を鞭のように動かして攻撃してくる、その動きは素早かったが、アクアシールドがその動きを鈍らせたおかげで、アースキーで受け止める事が出来た。
「お、重い…」
ホースのような口と、鍔迫り合いみたいな感じになったが、見た目互角でも、完全に押し負けている…。
「どれ一口」
「ぐう!?」
オールモスキートは、アースキーと鍔迫り合いになっているホースのような口を動かして、こちらの肩に突き刺してきた!
ごきゅりごきゅりと、ホースのような口が脈打つように動き、それと連動するようにHPバーが減っていく。
「リジェネレート!アイススピア!」
「痛いんだよ!」
フェルの氷魔法による攻撃支援と回復支援を受けつつ、アースキーを滑らせて、肩に突き刺さったホースのような口を引き剥がす!案外あっさりと引き剥がせたが、HP4割位持っていかれた…
「……ふふ、はははは!!!!何だこの味は味わったことがない味だ!?美味い!」
「はあ…はあ…そりゃあどうも、自分を殺しても生き返るが、相棒のフェルを殺したら二度と味わえないようになるからな」
「レンナさん何言ってるんですか!?」
高笑いするオールモスキートにそんな事を言ってみるとフェルに怒られた。
いや、わんちゃんフェルを見逃して貰えるかなと思ったが、良くなかったか。
「しかし貴様は何者だ?明らかに人間の味ではなかったぞ?混血にしては、見た目が人間にしか見えないが」
「はあ…?」
「え!?」
混血?いや、ファンタジーフリーダムのプレイヤーは人間しかなれないはずだ…混血…?
そういえば、共鳴の試練で妖精の血というスキルを得たが、その効果か?
でも混血になった所で、外見変化もステータス変化もなかったはずだ。
「少し心当たりがあるが…どちらにせよ、自分が妖精との混血だろうが、なかろうが、お前は自分達を殺しにくるんだろう」
「妖精の混血!?いや、でも…」
会話の時間稼ぎをしたおかげで、リジェネレートの効果でHPは回復したが…。
状況は好転していない、というかフェルが驚きすぎだ、混血てそんな特殊なのか?いや、特殊か…。
「どうかな、ここまで美味いなら、捕らえてじわじわ吸い殺すのもありかな?」
「そんな事をさせたない!アースチェーン!アイスチェーン、アイススピア!」
「それは勘弁だな、火光!」
オールモスキートの言葉に怒ったフェルが魔法を放つ、大地の鎖と氷の鎖がオールモスキートに絡みつくが、オールモスキートはそれがどうしたと言わんばかりに氷の槍はオールモスキートの口の中に吸われてしまった。
自分はアースキーから火光に持ち替えて、オールモスキートに接近して、斬りかかる。
「おっとこれはお返ししようかね」
「そこだ!」
吸った物を吐き出す効果を持っているのは知っているので、オールモスキートが吐き出した氷の槍を回避して、オールモスキートの羽に向かって、火光を振った!
「くっ…舐めすぎたかな?ああ、先に鎖を壊すか」
「焼き斬れなかったか!」
オールモスキートが鎖を破壊している間に火光の炎がオールモスキートを焼く。
火光は羽を切断することは出来なかったが、1つの羽を黒く焼く事が出来た!
これで多少はスピードを殺せたか?少なくとも飛びにくくなるはずだ!