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鍛冶屋の息子、MMORPGにはまる  作者: リーフランス
ファイブエネミー!荒野の妖精郷と虫の化け物
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総力戦!?妖精達と作戦会議

「ふう、読み終わった…」


結界内にいる妖精の一覧書を読み終えて、一息つく。

フェルのお母さんの情報だけなかったな…書いた本人の情報は、記入し忘れたのかな…?


「それで、どんな作戦で行くんですか?レンナさん?」

「言ってくれれば、指定した妖精を呼びますよ?」


フェル親子が質問してくる。


「呼んで欲しい妖精は…黒髪で光の屈折で姿を隠せる妖精…エウノーラさんと風魔法で音を消して、相手を喋れなくする緑髪の少年の妖精…ローを呼んで欲しい」

「わかりました、早速呼びますね」


フェルのお母さんはそう言って、何処か行く。


まあ、作戦と言うにはショボい物だが、光の屈折で自分の姿を消して、さらに風魔法で音を消す。


その状態で黄金蟻に不意打ち、暗殺に近い感じで倒して、そこで範囲攻撃が効くようになった黄金蟻の配下を、妖精火門や妖精氷門で、集まった虫を一気に蹴散らす作戦だ。


雑と言われても、反論出来ないのだが、生憎自分は天才軍師でもないし、策略家でもない…それに交流の無い妖精の助力を借りるなら、複雑な作戦は作れない。


その事をフェルに伝えていると、フェルのお母さんが戻ってきた。


「あのーごめんなさい、呼ぶ事は出来たんですが…他の妖精達も力を貸したい!貸したい!と言って聞かなくて」


「私も協力するー!食の恩義は大事だよー!」

「負けっぱなしはいやなのー!」

「俺も戦いたいー!」

「皆で魔法で叩き込めば、勝てるはずだー!」


ぞろぞろと、色んな妖精達が現れる。

そういえば殆どの妖精は、倉庫にお菓子を運んでたな…そこでフェルのお母さんがエウノーラさんとローさんを呼んで、皆自分も自分もーとなったのかな?


「いや、流石に沢山の妖精の能力を有効活用した作戦は難しいんだが…下手な作戦立てて、死人出したくないし…」

「まさか全員が戦いたいという意思があるとは思いませんでした…」

「え!?全員なの!?」


フェルのお母さんの言葉に驚いてしまう、総力戦なの?

さっき立てた計画、全部ゴミ箱行きだよ?


「待ってくれ、自分が連れてきた敵だ、全員を巻き込むのは、気が引ける」

「何言ってるですかレンナさん、虫は私達の共通の敵です!ここにいる人は、誰も無関係ではないんですよ!」

「確かにフェルの言う通りだけど、自分が引き連れてしまった敵と戦わせるのは、心苦しくなってきた…」


わがままだが、妖精達に怪我してほしくないのが、自分の考えだ…。


「はーどうしよう、せめて妖精達の力を一箇所に集めて、波動砲みたいな感じで攻撃出来たら…いや、結局範囲攻撃になるだろうから黄金蟻の効果で無力化されるのか…」


どこまで行っても、黄金蟻がネックになるな…。

配下に範囲攻撃を無効化する効果を付与する…結界内にいる妖精の一覧書で、範囲攻撃が得意という妖精が多かったが、それ故に相性が最悪だ…。


黄金の蟻が手札をペラペラ言ってくれたから、相性最悪とわかっているが、黄金の蟻が何も言わなかったら、範囲魔法に頼った作戦を立ててしまって、範囲攻撃が効果なくて、焦ってる所を突かれて総崩れが目に見える…。

というか、黄金の蟻の存在が妖精達が結界内に追い込まれた要因の1つだろう。


「あ、妖精達の力を集めて攻撃は出来ないけど、儀式魔術で皆の力を合わせて、一時的にレンナさんを大幅強化するなら出来るわよ、その代わり妖精全員は結界内で支援することになるから、レンナさん一人で戦わないといけなくなるけど」

「え、それならそっちの方がいい、下手な共闘作戦を立てて君達に怪我させたくないし、それなら皆の強化を受け取って、一点突破で黄金蟻を倒したい」


フェルのお母さんの言葉に食いつくと、周りの妖精達が不満の声をあげた。


「えー支援に専念ー?」

「メシアが優しすぎるのも考えものだ…」

「一人で戦うのは無謀なのー」

「範囲魔法ぶっぱしたいー!」


更にフェルも反対の声を上げた。


「お母さん、私はレンナさんの胸ポケットに入って戦いますよ!」

「あらあら、皆血気盛んね…だけど今回はレンナさんの決定に従ってね?フェルだけは…好きにしなさい」


フェルのお母さんの声で、皆静かになる…でも皆不服そうだ。

フェルだけ例外なのは、加護のあれこれがあるからか、一蓮托生と思ってくれてるのか。


このままだと、フェルのお母さんにマイナスの感情が積もるのは良くない、こちらからもお願いしよう。


「えっと敵の中にいる黄金の蟻が厄介な能力を持っているんだ、だから多数で戦うのは危険なんだ、だから支援して、助けて欲しい…お願いします!」


頭を下げてお願いすると、妖精達があわあわし始めた。


「頭下げないでー!」

「分かった、支援でいいから頭上げて!?」

「ご飯の恩義があるのに頭下げられると困るのー」



なんとか協力を取り付ける事が出来た。


「黄金の蟻を倒すんですよね、それなら北側の入口の結界付近に立って待っててください、その間に儀式魔術の準備をします…結界から顔を出さないようにすることをおすすめするわ、結界が不透明なので見えませんが、一部の虫が結界に取り付いているので顔面に虫が激突する可能性もあるので気をつけてね」

「わ、わかった…」


フェルのお母さんは北と思われる方向に指差して、言ってくれた。


「メシアー!?」

「レンナさん、私も行きますからね!」

「わかったよ、フェル…絶対に胸ポケットから出ないでくれよ?」


胸ポケットにいるフェルに言葉をかけつつ、北側の結界の側に立つのであった。


目標は黄金蟻の撃破…知性ある蟻を倒せば、虫の軍勢の戦力を大きく削れるはずだ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 妖精達も背水だからこそ力を貸したいんですよね。
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