待ち伏せエンカウント!
MP200を使い、地魂の遺跡の転移の魔法陣を使い、再びフェアリーガーデンに降り立つ…。
しかし視界が正常に戻った際に見えたのは、荒野だけではなく…軽トラックサイズの巨大な蜘蛛と、その蜘蛛の頭に、蜘蛛ほどではないが、黄金の巨大な蟻が乗っていた、まるでこちらを待っていたかのように…。
「おお、予想通り人間がやってきたぜ!流石吾輩の予測通りだ!魔法陣を壊せれば、理想だったがヒビ1つ入れられず、壊せないなら、出待ちで人間を狩るのが1番だ!」
黄金の蟻が高笑いをあげる!
「蟻が喋った!?気持ち悪!?」
「クソ失礼な、人間だな!」
頭に怒りマークが飛び出る黄金の蟻。
知性ある虫…オールモスキート以外にも居るのかよ…嫌だな…。大量にいる虫を、効率よく動かす知性ある虫とか、脅威でしか無い…。
「レンナさん!あ、あの蜘蛛は!なんか嫌です怖いです!」
「うん、なんだって?ダークスパイダー、こいつら前食いそこねた二匹だ?おいおい、獲物はしっかりと食い殺しておきなよ、逃した獲物は厄介だぞ!」
胸ポケットで震える声で怯えるフェル…フェルの怯える声が、隙見て逃げようかと思ったが、転移の魔法陣で逃げるにはMPが足りない…。
仮にMPがあって、転移の魔法陣で逃げた所で最初の黄金の蟻の声的に出待ちされているみたいだから状況が好転するとは思えない。
「フェル、恐怖で動きにくいなら深呼吸して息を整えて、その間はなんとかする」
というか蜘蛛にとって食いそこねた二人…?
心当たりが1つある…ファーストクエストの時の蜘蛛…?
「まったく、仕方のないスパイダーだ!そこの人間!吾輩はゴールデンコマンダーアント!オールモスキートのブレイン幹部!そしてこいつは我らの軍の陣地構築の幹部!ダークスパイダーだ!前回は遊ぶようにいたぶっていたら、貴様らを逃したらしいが、今回は食い殺すと決めたそうだ!」
「名前が長えよ!黄金蟻!」
取り敢えず魔法陣の上から移動する…黄金蟻が壊せないと言っていたが、万が一戦闘で破損したら、色々と終わるからここから移動せねば!
いや、ゲームシステム的に壊れるとは思わないけど、万が一で行き来できなくなるという最悪の状態にはなりたくないからな!
しかし巨大蜘蛛の言い分?的に、やっぱりファーストクエストの巨大蜘蛛だったのかよ!追われたトラウマを思い出すわ!
フェルが怯えていたのは、無意識下か意識朦朧な状態でも、襲われた事を覚えているからか…。
「おいおい、また逃げるつもりみたいだぜ!捉えようぜ!」
黄金の蟻がそう叫ぶと、巨大蜘蛛はこちらに向かって糸を吐き始めた!ダッシュで避けるが、糸は地面に付くとジューと焼くような、溶かすような嫌な音が聞こえた。
「危ない、酸性の糸なのか…地門!」
「下からくるぞ、飛べ!」
アースキーを地面に突き刺して、鋭い地面を蜘蛛の足下から生やすが、黄金の蟻の言葉で巨大蜘蛛がジャンプして回避した、まるで最初から地門の性能を知ってるかのような動きをしている、まさか初手で見切られた!?
「ふん、同じ幹部の空襲性能のみのヤンマ、妖精の技術を見よう見まねで模倣しただけの百足は殺られたが、所詮力を過信して、虫本来の戦い方を忘れて単体で戦った奴らだ…」
黄金の蟻が独り言を言う、妖精の技術を模倣した百足…まさかセカンドクエストで戦った、カギロイの武器の一部が刺さった、ムカデのことか…?
ヤンマはわからん…もしかして他のプレイヤーに倒されたのか?
「虫の本来の力を見せてやる!軍勢虫門!」
「門!?」
黄金の蟻が叫ぶと、大小様々な、魔法陣を大量展開する!
すると魔法陣からにょきりと、大量の虫が現れた、蝶からイモムシ、カブトムシ、蜂や色んな種類の虫だ…。
はっきり言って、虫嫌いにとって地獄めいた、最もグロい光景で悲鳴を叫びたくなるが、フェルが怯えている中、悲鳴を上げる訳にはいかない…いかない!