妹からのメッセージ
『お兄ちゃん、今何処にいるの?フレンド一覧でわかる場所の名前が???となってるんだけど、バグで世界の裏側に行ってないよね?』
『世界の裏側てなんだ?自分はフェルの故郷にいるんだよ』
指を動かしてメッセージを入力すると、直ぐ様返事が帰ってくる。
『おーたどり着いたんだ、フェルちゃんの故郷に!それでどうゆう状況なの?』
どういう状況と言われても説明に困る、というか長文になるから出来れば言葉で説明したいんだが。
『電話できないこれ?長文入力はきつい』
『今の状態だと無理だね、戻ってこれないの?』
『戻ってくれるけど、オールモスキート…倒すべきボスが徘徊していて戻る際はリスキーだな、一回あったけど、妖精火門を壁にて逃げ切ったけと、次は通用しないと思う』
メッセージを送信してから入力したメッセージが脱字誤字にぐちゃぐちゃなのに気づく…あー文字入力苦手だ。
妖精達が作ったセーフゾーンである結界内に居る事や、フェルの故郷の大半が荒野になってる事を伝えたいが難しい、タッチパネルで長文入力は苦手だ。
『倒すべきボスが徘徊しているの?大丈夫なの?もしかして、フォークエストとか発生してる?』
『今は妖精達のセーフゾーンにいるから大丈夫…すまん色々と情報が伝えそこねてる…』
『うーん、取り敢えず、これからどうするの?個人的には気になるし、話を聞きたいから戻ってきて欲しいけど』
どうするか…頭の中でやりたい事を頭に浮かべる。
やりたい事は2つある、1つはオールモスキートと戦う事。
もう1つは結界内に妖精達のご飯を運搬することだな、TTに聞けばクッキーの販売場所を聞けるだろうし、もう少しクッキーなどのNPCが食べれる物を結界内に持ち込みたい。
それに拾った、壊れたユキさんの杖を直せないかな?ユリならなんか知ってるかもしれない。
…よし、決めた!
『一回戻ろうかな、お菓子とか運びたいし、拾った物を修理したりしたい、あと説明不足の所も説明したい』
『お菓子…?わかった、私も話し気になるし、マイホームで待ってるね』
「ユリさんから連絡が来たんですか?」
「ああ、色々と説明したいし、一度ユリのマイホームに戻りたいんだけど、ついて来て欲しい…いいか?」
「勿論、行きますよ!あ、その前にお母さんと会話していいですか?」
「ああ、勿論だ」
ぽふとフェルは胸ポケットに入ってくる。
「えーとフェルのお母さんは…?」
「はい、お呼びですか」
「…もしかして話聞いてました?」
眼の前の空間が歪んだとおもったら、フェルのお母さんが現れた…いつも隠れてるのか…?
「はい、レンナさん、小さな子ですが、うちの娘をお願いします…フェル、必ず二人で生きて帰ってきなさい」
「…行ってきます、お母さん」
「えっと、フェルの事は必ず守りますので安心してください!」
もう少し結界内を見て回りたかったけど、流れ的に出発することになった、花畑は後でまた見に来ればいいか…。
こうして自分達はフェルのお母さんに見送りされつつ、着た道を戻り始めた。
道中何度か数体の虫に襲われたが、フェルのMPが回復していた為、大して苦戦すること無く、着た道を戻ることが出来た…。
というかフェルがだんだん杖を使うのが上手くなって、的確に敵に魔法を当てる事が出来るようになった。
その結果、遠距離魔法でフェルが弱らせてから、自分がアースキーでトドメを刺す流れで、サクサクと戦闘を終わらせることが出来た。
オールモスキートと会わなかったのは、幸運だったか。
「……………ぷは、というかオールモスキートと戦う前にMP持続回復の装備を作った方がいいな…」
転移の魔法陣の前で帰還用のMPを確保する為にMP回復薬を一本飲む…飲むんだが、量が多くて飲むのに時間がかかる。
戦闘中なら確実に致命傷に繋がる位の時間だ、途中で飲むのを止めたらいいんだが、リーダーさんが言うにはそんな事したら、MP回復量が減ってしまうらしい。
また一度封を開けたMP回復薬は再度蓋が出来ず、瓶底が丸いので地面に置けず、落としたら中身が溢れて、瓶ごと消滅するらしいので、もったいないし、ソロで戦闘中に飲むには極めて向いてないらしい…。
「よし、それじゃあ、地魂の遺跡に行くぞ、フェル!」
「はい!」
転移の魔法陣の中心で火光を地面に突き刺して、薬で回復したMPを全て注ぎ込むと、魔法陣が輝きだして、視界が真っ暗になった。
そしてシステム画面が現れた。
もしかして…ナンバークエストか?