ボストンボを落とせ!
ボストンボは空高く飛んで、こっちのアースキーが届かない高度で水の弾丸を撃ち出し始める!
「うお!?」
「アイスボール!」
フェルは氷の玉を生み出す!しかし自分が回避行動をとった結果、両者の攻撃魔法は当たらなかった。
「フェル、俺は回避に専念するから魔法であのトンボを撃ち落として欲しい!」
「わかりました!」
次にボストンボは、水のビームを薙ぎ払うように撃ち出した!
「ウォーターカッターかよ!?」
「チェインライトニング!」
自分はウォーターカッターの回避に専念する中、フェルがその水のビームに向かって雷を放つ、すると雷が水のビームを伝って、ボストンボを感電させた!
その結果、ボストンボが地面にぼとりと落ちてくる!
「チャンスだ!」
「パワーアップ!スピードアップ!」
火光を装備して、落ちたボストンボに斬りかかる!
狙う所は複眼だ!
ザシュリ!と火光の刃と刃から吹き出した火がボストンボを焼き切る、しかし一回斬ったら、ボストンボが転がるように暴れまわり、羽から発された風の衝撃で吹き飛ばされてしまう。
複眼より羽を叩き切った方がよかったか?
「うう、また飛ばれてしまったか…」
「レンナさん、大丈夫ですか?」
「ああ、風による吹き飛ばしだから、ダメージはない…さっきの一撃で大ダメージを与えれたみたいだから、フェルは雷の魔法でボストンボを撃ち落として!」
「わかりました!」
ボストンボは先程と変わらずに、近接が届かない上空から水の攻撃魔法で攻撃してくる!
だけどなんか黄色いバリアを展開している…?
「チェインライトニング!」
自分は水魔法の攻撃を避けていると、フェルの放った雷が迸るがバリアに阻まれた。
「フェル、多分だけどあのバリアは雷を防ぐ、他の属性で攻撃した方がいい」
「わ、わかりました!アイスチェーン!」
杖から氷の鎖が発射されたが、撃ち出された鎖の速度が遅くて、回避された…。
距離があって、更にボストンボが飛ぶスピードがそこそこ早いので、目を負傷していても…げ、目を刺したはずなのにボストンボの目が回復している…。
ゴルフボールみたいな複眼がこちらを見ている…あ、あれはただのゴルフボールだと自己暗示で気持ちを奮い立たせる……に、逃げてぇ…。
「レンナさん!突進攻撃が来ます、アイスボール!」
こっちが怯んだのを察したのか、ボストンボが風を纏うようなエフェクトを発しながらこちらに突撃してきた!フェルはそれを察して、氷の玉を撃ち出すが、ボストンボが纏った風に逸らされる。
なら風に影響されない地門を突撃をしてくるボストンボの眼の前に生やして、顔面にぶつけて事故らせる!
「!レンナさん!エレメントブースト!」
「気持ち悪いけどチャンスだ………地門!!」
ぐんぐん迫ってくるボストンボの顔に体は鳥肌がたち、心底避けたかったが、攻撃のチャンスなので、タイミング合わせて地面にアースキーを突き刺して、スキル発動!
自分の眼の前の地面から少しでも大きく、分厚く、大地の針…いや杭を作り上げる!攻撃用のスキルだから脆い壁かもしれないが、フェルが補助魔法をかけてくれたし、耐久面はなんとかなると思いたい!
これで唐突に現れた壁にぶつかればどんな飛行物も飛行困難になるだろ!多分!
ドゴン!とせり上がった大地の杭に亀裂が走り、ボロボロと崩れ去るが、そこには地門で生やした大地の杭に激突して、星のエフェクトを発して、目に見えて気絶しているボストンボがいた!バリアも消えている!
「よっしゃ!想定どおりだ!フェル、妖精氷門をやってみてくれ!」
「わかりました…お願い!開いて妖精氷門!」
フェルが杖を天に掲げると、ボストンボの頭上に巨大な青い魔法陣が展開される!
そこから巨大な氷が雷を纏って生成されたかと思えば、氷はそのままボストンボを押しつぶして、爆発した!
「うお!?雷!?」
「大丈夫ですかレンナさん!?」
爆裂したことで、雷を纏った氷の塊の一部分がこちらに飛んでくる!アースキーを使ってせめてフェルだけでも守ろうと氷を防ごうとしたら、氷はアースキーを通り抜けて、更にこちらの体とフェルの体を通り抜けた…び、びっくりした…。
「な、なるほど…妖精火門でも体感したが、妖精門の攻撃は、発動者や仲間に危害を加えたりしないのか…」
「良かったです…レンナさんが怪我しなくてよかったです」
安堵するフェル…けどまだ戦闘の姿勢は崩せない、ボストンボが至る所に赤いエフェクトを出しているが、死んでない、ピクピクと痙攣をしていて気持ち悪い。
氷の大きさ的に圧死したと思ったがそうでもなかったのか…。
だけど…瀕死なのは間違いない!
「これで終わりだ!地門!」
接近戦でトドメを刺せそうだったが、これ以上ボストンボに近付きたくないので、地門による遠距離攻撃で鋭い大地を発生させて、墜落して動けないボストンボを貫く!
するとボストンボは赤いエフェクトになって、消え去った…。
戦闘に一段落した為、座り込み息を整え、バクバクとなっている心臓を落ち着かせる…。
「フェル、さっきエレメントブーストを使ってくれたよな、あれって属性攻撃を強化する魔法だよな?よく自分が地門とか属性攻撃すると分かったな…」
「えーと、レンナさんから地門をトンボの顔面にぶつける!という声が聞こえたので咄嗟にエレメントブーストでサポートしたんですが…だめでしたか?」
うん?おかしいなそんな声発した記憶は無いし、妖精氷門も氷だけじゃなくて雷も纏ってたし、おかしな点が多いが…。
まあいいや、前者は多分顔に出ていたのかな?後者は多分共鳴の効果なんだろう。
「いや、最高のサポートだったよ、なかったら地門で作った杭でトンボの突撃を受け止めきれなかったかもしれないしな」
自分は虫との戦闘による精神摩耗で思考を放棄して、フェルを褒めて、頭を人差し指で優しく撫でた、あー褒められて赤面して喜んでるフェルをみると癒やされるー。