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鍛冶屋の息子、MMORPGにはまる  作者: リーフランス
ファイブエネミー!荒野の妖精郷と虫の化け物
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山登りとお試しの地門!

10分後、フェルは泣き止んだ…。


「ごめんなさい、レンナさん…泣いてる場合じゃないのに、泣いてしまって…心の何処かで頑張ってれば、ユキさんに会えると思っていたんですけど…やっぱり無理なんですね…」

「別に謝る必要はない、別れは何時だって悲しいものだからな…」


しかしてっきりナンバークエストが発生すると思ったが…何も起こらないんだな。


明らかに何かしらのトリガーだと思ったが…。

まあ、ナンバークエストがなくてもやることは変わらないが。


「レンナさん、もう大丈夫です、行きましょう…山を登って、皆の無事を確認したいです!」

「分かった…フェルは胸ポケットから出ないでくれよ、フェルなら飛べば、山なんてひとっ飛びだろうけど、万が一空飛ぶ虫に襲われたら助けられないからな…」

「わかってますよ、それにレンナさんを置いて行きたくありませんよ」


フェルとそんな言葉を交わしながら、フェルが指定した小さな山に向かって移動する、道中出てくる敵はやはり虫系のモンスターだ…。


両手に乗るくらいの大きくなったカブトムシやクワガタなどのモンスターはなんとか、ともかく、かろうじて悲鳴をあげずに耐えたが…。


見た目がやばい、サッカーボール位のイモムシや子犬サイズの蜘蛛に会う度に、悲鳴をあげてしまうが、心を奮い立たせて、殴って倒す!


ファーストクエストで手に入れました虫に有利補正が発生する称号のおかげか、体は軽い…。


…でも殴り潰した感覚が、アースキー越しに伝わるのはなかなかに気持ち悪くて、心は嫌悪感で重い。


「チェインライトニング!」


フェルが放つ敵から敵に感電する雷が敵を屠る、以前はサポートしか出来なかったフェルは杖を手に入れてからは、積極的に杖で使える攻撃魔法を放ってくれている。


フェルが言うには装備しているコートのMP持続回復の効果のおかげで長期戦、連戦にならなければ早々魔力が尽きたりしないらしい…妖精氷門という例外を使わなければの話らしいが。


正直言って、めっちゃありがたい…一撃で倒す事が出来なくても、虫を殴る回数が減るという事実がかなり精神的に楽になる。


「俺も一度試しておかないとな!地門!」


アースキーを突き刺して叫ぶと、5メートル以上離れた、バスケットボールの大きさで丸まったダンゴムシを串刺しにするように尖った土が高速で地面から生えた!


尖った土に貫かれて、一撃でダンゴムシは赤いエフェクトを纏って消える…。


「強いけど、乱用は出来ないな…」


やはりネックとなるのがMPだ…防具が現MPに依存した防御性能だから、乱用するほど紙装甲になってしまう。


くそ、自分で装備できるMP持続回復する装備を作るべきだったな…まあ、減ったMPは回復アイテムで補えるから、今は文句言う時じゃない、足を動かさないと!


「レンナさん、あと少しです!」

「ああ、あと少しで頂上…」


虫による嫌悪による心の乱れを抑えつつ、歩いていると、小さな山の頂上には、道中戦った他の虫よりも明らかに違う、普通の四人乗りの車くらいのサイズの巨大なトンボがいた…。


明らかに移動中の時と戦った虫と違い、セカンドクエストで戦った、オオムカデと同じ強さを感じる…。


それ以上に巨大な複眼が気持ち悪い、むり、なんであんな巨大化しても体が細長いの?


ああ、創作である妖精のトンボ羽は全然嫌悪感ないのに本物のトンボの羽はあんなに気持ち悪いのだろうか?


分からないし、一生理解出来るとは思っていない、生理的に無理なものは無理なのだ。


「だ、大丈夫ですか?レンナさん、少し体が震えてすよ?」

「大丈夫、武者震いだ!それよりもボスぽいトンボがこちらに気付いたぞ!構えて、飛ばれたらフェルの魔法が頼りだよ!」

「わかりました!任せてくださいレンナさん!」


恐怖心を無理矢理抑え込んで、自分は山の上にいるボストンボと対峙する、ボストンボは大量の目…複眼をこちらに向けて羽を動かし始めた…。

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― 新着の感想 ―
[一言] まるで毎回遭遇する度にSAN値チェックされてる気分ですね。
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