アースキーを強化!
鍛冶設備の前に立ち、強化のシステムを立ち上げる、強化のシステムなんて始めてみたが、スキルを得るまで出て来ないシステムなのかな?
「なにこれ血を注ぐ?」
「あーそれは装備に血を注いで、装備の性能を上げる事が出来る呪血鍛冶特有のコマンドだ…まあ、使いすぎると、最大HPが永続的に下がるという報告があるから気をつけてね。
一応転職神殿で呪血鍛冶をスキル封印すれば戻るけど…結合進化したスキルを封印するには結構な金がかかるし…1から鍛冶スキルを鍛えないと行けないからおすすめはしないよ」
「うーん、HP下がってばっかりだな…」
リーダーさんの説明を聞いて考え込む、装備の性能が上がるけど、HPが低くなるのはネックだよな…。
ネージュフラワーを作った時に出てこなかったのは最初からHP…血を注いでいたからなのかな?
うーん、アースキーはメイン武器だ…最大HPを注ぐ価値はあるはずだ…それに使いすぎたら下がるなら、初回は減らないはずだ。
「まあ、自分の物だ!血を注ごう!」
強化するアースキーと素材であるアース・ドラゴンの牙をセットして、血を注ぐをオンにして、開始ボタンを押す。
するとHPとMPがごっそり減って、鍛冶装置が動き始める、最大HPは減ってないみたいだ。
そして周囲の温度が上がると同時にアースキーの形をした真っ赤な金属の塊が金床に流れてきた。
「リジェネレート、フェアリーウィッシュ、スリップガード、パワーアップ、エレメントブースト!」
聞き慣れたフェルの補助魔法を唱える声を聞きつつ、ハンマーを振るい始める!
ネージュフラワーの時と違い、手応えがわかりやすい!
特に躓く事もミスする事無く強化作業を終える事が出来た!
『アースキー
属性:地
ステータス:攻撃力+28、魔法力+22
特殊効果:採取増加(中)、作業効率化(中)、身代わり(フェル)、装備制限:レンナ
特殊スキル:地門
レンナとフェルが力を合わせて作ったシャベル、地の力に満ちていて、振るえば、どんな地面も掘り返せるだろう、また大地を操作する力もある。
1回改造済み』
あれ?防御と運のプラス補正が消えてる…?でもステータスは大幅に伸びているし、特殊スキルが付いている。
『地門(消費MP:30)
大地に武器を刺してスキル名を言う事で発動する、視界の範囲内の地面に、尖らせた地面を高速で生やして、相手を突き刺して攻撃する、ある技術の劣化模倣で武器を大地に突き刺す必要がある為、建物内では使えない』
視界の範囲内というかなり長距離射程の攻撃スキルだ、まあ、地面からの攻撃だから飛んでる敵には無力かもしれないが、劣化模倣だとしても地面から攻撃を撃ち出せるのは強力なのは間違いない!
まあ、自分の防具の防御力が現MP依存だから使いすぎたら紙装甲になってしまうから上手く使わないといけないが…。
「これなら、そろそろフェルの故郷に向かっても良いかもしれないな…」
「い、行くんですか!?」
フェルが驚く中、自分の装備を確認する。
防具は現MP依存で性能が上下する代わりにMP最大時は高い性能があるジャケット、武器は強化されたアースキーと攻撃する度にMPを使うが高火力の火光。
フェルの防具は最大MP依存で安定した防御力を持ったコート、武器はユキさんというプレイヤーが持っていた杖を模した杖で色んな魔法が使えるようになる杖だ。
切り札として妖精氷門が使える、まだ使った所を見たこと無いが、必ずフェルの力になるはずだ。
「……ユリから話を聞いている、フェルの故郷に向かうのか?俺からみたらレベル的に時期尚早に見えるが…」
「そうかもしれないが…早く行けばもしかしたらフェルの知り合いがまだ生きてるかもしれないし…そりゃあ時間をかけて強くなれば、フェルに降りかかる危険を払えるけど…」
確かに自分はレベルが低い…クラスチェンジの時に中級クラスになった以上、上級クラスという物があるはずだ、上級クラスになってからフェルの故郷に向かう事も出来るが…どれだけで時間がかかるかわからない。
それにずっとサードクエストの放置は、報酬のフェルの知り合いの生存保証の詳細がわからない以上、放置のし過ぎだと、取り返しのつかない事になる可能性もある…。
はっきり言って賭けだ…そりゃあ時間を掛けて強くなればフェルが死ぬ可能性は下がるが…だからといって時間かけすぎて故郷が殆ど滅んだらフェルは後悔しそうだし……ああ!くそ!選択に対する責任が重い!
「レンナさんの考えはわかった…ならばこれをあげよう」
『リダさんからゼロオーダーの呼札がプレゼントされました』
手渡しで札が渡される、キラキラな数字のゼロが書かれたシンプルな札だが、明らかにナナサカさんから貰った刀神の呼符と似たやつだった。