決闘!VSTT
「チャージキック!」
開始早々TTは急接近からのハイキックを放つ、完全に顔狙いだ!
「危な!?」
バックステップをしてキックを回避する。
「トリプルキック!」
「殴るんじゃなかったのかよ!?」
「殴るのはフィニッシュ時だ!」
TTが3回のケリを放つ、一つは回避、残りの2つはアースキーで受け流す!
「いい加減にしろ!」
アースキーを大振りに振るい、攻撃をするが、滑るようなステップで回避される!
「鹿!」
「く…足だけムキムキになると気持ち悪いな!」
自分の弱点が見えた…自分は補助関連をフェルに頼りすぎて、自前の補助スキル、魔法を持っていない…MPを使うスキルは火光の火の刃と全てを消費する妖精火門しかない。
妖精火門はMP満タン状態だと、TT一人に放つにはオーバースペックすぎるし、MPを使う他のスキルが必要なのかもしれない。
「気持ち悪い言うなし!」
ビュンビュン!と風を切るような音がなる蹴りを回避する、怖い怖い、テレビゲームと違って、ムキムキの足が眼前に通り過ぎるのはかなり迫力がある。
「そこ!」
ハイキックをしゃがんで回避してアースキーをTTの体を支える足に突き刺す!するとTTの上に見慣れたHPゲージが現れた…あれを全部削りきれば勝ちか!
「痛ぁ!?脛をよくも!ショットナックル!」
「うぐ!が!」
TTのナックルダスターを装備した拳から拳の形の波動みたいなのが撃ち出されて、自分のお腹に突き刺さる。
その力はレンナという小さな体を吹き飛ばすには十分な力で、自分はバリアに叩きつけられた!HPが半分になる…。
「さあ、食いやがれ!ジャンプキック!」
TTが人間とは思えない位に跳躍したと思ったら、飛び蹴りを放ってきた!
「ぬおお!?」
ゴロゴロと体を転がして、回避する…くそ!自分が受け身に回るなら、受け流すのが1番適しているとナナサカさんに言われたが、上手く出来ない!
「よーし!一曲歌うよ!」
リオアがそういうと、パッションの曲が流れ始めて、リオアが歌い始めた!
「うおおお!!テンション上がる!」
好きなアイドルの歌を聞いてテンションが上がったTTは、懐から取り出した薬を一気に飲み干したと思ったら、咆哮する、今の内に立て直さないと!
「虎!熊!猫!鹿!」
TTの体が全体的に肥大化する、2メートル位の大男みたいな姿になったと思ったら殴りかかってきた!
「バスターナックル!」
「うひゃぁ!?」
明らかに受け流せる一撃ではないので、回避する。
「バスターナックル!」
「おわ!?」
再び本気のパンチが放たれる、それを全力で回避する、体が巨大になった分、スピードは多少落ちているので回避はしやすいが、食らえば即負けなのは間違いない。
はっきり言って攻撃する暇は無いが、TTはMPが少ない!MPが切れて補助がなくなった時が最大の攻め時だ!
「ぐう…」
するとMPを使い切ったのか、補助スキルの効果が切れたのか、TTの体が元に戻る。
「そこだ!」
アースキーから火光に持ち替えて、TTに横薙ぎで斬りかかる!
だがTTは体を後ろに反らして火光を回避する。
「うぐ…あっつ!」
だが火光から吹き出した火までは回避出来ず、TTのHPを削る。
「薬を飲まれる前に終わらせる!」
「なめるな!バースト!」
TTの全身から波動が迸り、自分の体を吹き飛ばす…ダメージは無い、相手を突き飛ばすスキルみたいだ…MP使い切ったのに使えるのか!?
「くそ、バースト使わされたか…生産職だからって油断した…」
バーストは切り札か?ならもう使えないのかな?ならば…また薬を使う時の隙に、妖精火門を使えば!
「油断してたのか…?」
「少しだけな!」
TTは大きく距離を取り、薬を飲み始める!逃さない!
火光を地面に突き刺す!
「妖精火門!」
「下か!?デカ!?」
TTの足下に巨大な魔法陣が展開される…その瞬間視界は真っ赤に染まった…。