TTからの武器作成依頼
セーフエリアにたどり着いて、達成できる採取イベントクエストの報告後、TTから依頼の為の素材が渡された。
『TTから呪われた動物の骨が2つプレゼントされました』
『TTから呪われた格闘家の血が4つプレゼントされました』
『TTから呪われたクリスタルが2つプレゼントされました』
『TTからアサルトレッグのレシピがプレゼントされました』
「え!?これが素材、呪われてるじゃん!?」
「ああ、これを使えば、装備時最大HP下がる代わりにスペック上がるんだよ?知らないのか?」
「知らん、というか依頼するなら金払え!ゲームの世界でも、金払わないと俺はやらんぞ!?」
親から教わった、鍛冶屋としてやっていく為には絶対に忘れたら駄目な事、技術は決して安売りするな…ゲームの世界でも、その考えは変えたら駄目だろう。
「えー金?50万G位でいい?」
「相場わかんないからそれでいいよ」
「……金要求しといて、おまかせとか鍛冶屋としてどうなんだ?丸投げじゃないか」
「うるさい、TTならボッタクリしないと信頼してんだよ」
そういうとTTはうっ…と少しバツ悪そうな顔をした。
もしかしてかなり安値だったか?
「素材持ち込みだし…安くはなるけど…真面目な相場だと100万位かな?」
「半額じゃねーか…まあ、いいけどさ、雪山で先行してくれたのはありがたかったし」
「いいのか、ラッキー!」
ガッツポーズして喜ぶTT。
雪山ついてきてくれたし、もしも自分とフェルだけだったら、氷のゴーレム戦で苦戦してた可能性高いし、登山で道に迷ってた可能性もあるし、その分安値でもいいだろう。
TTから依頼のお金を受け取る。
「それじゃあ早速作ってくるよ、その間TTはどうするんだ?」
「俺はせっかくだし、雪山の逆…海の底目指してみるよ、出来たらメールを送ってくれ、近くじゃないと、アイテムの受け渡し出来ないからな」
そう言ってTTはパーティを離脱していった。
「TTさんは大丈夫なのでしょうか?海と雪山だと全然違うと思うん…」
フェルが心配する、雪山は氷や斜面はあるが、少なくとも空気と地面がある…。
だが水中は空気がないし、足がつかない事が多い…魚人がリーチの長い槍とか装備しているし、格闘系のTTにとっては、かなり不利だと思うが…。
「大丈夫だ、TTならなんとかするだろう、バトルセンスなら、あいつのほうが上だしな」
「なんか淡白ですね…」
「まあ、そういう形の仲だからな、自分が冷たくあしらう事が多いけど、なんやかんや声かけてくれる、数少ない友人の為に良いもん作ってやらないとな」
「はい、頑張りましょう!レンナさん!」
小学生の頃、鍛冶屋としての修行に集中してたせいでボッチになってた所、しょっちゅう話しかけてきたからな…。
修行を理由に誘いを何度も断っても、話しかけてくれて…なんやかんや修行がない暇な時に一緒に遊んでいたら、ズルズルと今のような仲になっていた。
体育の際の二人組作ってーとか、グループ作る際に良く助けてもらっている。
友情崩壊する対戦ゲームでお互いに全力でやりあって、よく言い争いする経験があるが、翌日には普段通りになってたりするからな、まあ、なんだかんだありがたい、腐れ縁みたいな仲だ。
でも宿題を終わらせる際に、頼ってくるのは勘弁してほしいけどな…自分もそんなに勉強得意じゃないし…。
まあ、手伝ったらいつも後日に、お菓子とか持ってくるから、なんやかんや手伝ってしまうんだよな…。
でも夏休みの宿題を、ギリギリでもってくるのはお菓子のお礼があっても駄目だ、あそこは直して欲しいと思っていたが、今年は早期で終わらせてびっくりした。
高田…TTとの仲を思い返す…というか高田との思い出なんやかんやが多いな…。
「レンナさん?足を止めてどうしたんですか?」
「いや、ちょっとTTとの思い出を思い返していた」
フェルに指摘されて、足が止まっていたことに気付く、再び足を動かし、チームゼロオーダーの工房に向かった。