雪山の世界、氷将軍との交渉?コミュニケーション?
「あのー申し訳ない、フェルを含めて、自分達は現状薬の力でこの寒い環境でも行動出来るのです、ですが薬の効果は長く持たないので、お茶をする余裕はないです、すまない」
どうにか戦闘を回避しようと言葉を出す、フェルに魅了されたのなら上手く交渉すれば行けるかもしれない。
「なるほど、寒い環境に弱いのかならばこうしよう」
氷将軍が手を上げると風が止み、雲が晴れる…。
天候を操作したのか!?強!?
それに耐寒効果あっても感じてた、僅かな寒さもなくなった?
「えーと、あ、ありがとうございます?」
「いえ、貴女のためなら喜んで」
フェルがお礼を言ったら、凄く嬉しそうに反応する氷将軍…鎧の兜で顔が分からないが、声でわかる。
「え?てっきり戦闘の流れだと思ったけど違うのか?見た感じ頂上近いし、ボス戦じゃないのか?」
TTの見る方向を見ると、石のオブジェがあり、そこ以外に高いところが無く、頂上と思われる。
「で、でもお茶は出来ません、そもそもお茶を持ってきてませんし…」
「む、そうだな…ならアイスにしよう!」
懐から棒アイスを取り出す氷将軍…TTが強敵と言ってたのに、棒アイスとか持ってるのか…。
「あ、アイス大きくて、フェルが持てないので自分が持ちますね」
「ふむ…レンナ、貴様はフェルのなんなんだ?」
「…フェルの相棒です」
アイスを受け取るが、威圧を感じる…。
下手な言い方をすると、速攻で敵対しそうだ。
鑑定眼で見た感じ、普通のバニラアイスだ、変なのが入ってる感じはしない。
「そういえば、二人の関係て何なんだ?出会って長そうだけど」
「TTも気にするなし!」
というかこれウィンディーネの時に似ているな!?
「えーと、アイスを食うか?フェル…?」
「は、はい」
取り敢えず話を変えるためにフェルにアイスを進める、ハイと答えたので、アイスを差し出すとフェルはアイスを食べ始める。
「美味しいです!」
「ふふ、そうかそうか!アイス作りには自信があるんだ!」
自慢げな氷将軍…これはどうやって戦いとかせずに別れようか…?
「あ、あの氷将軍さんは特大の氷の結晶て作れますか?もしも可能なら作って欲しいんですが!」
「フェル!?」
急なフェルのお願いにビビる、いやでも氷将軍はフェルに魅了されてるし、作れるなら作ってくれるのか?いや、でも作れるか?
「作れるがなぜ欲する?貴女は寒さに弱いのだろう?」
「実は私は私の故郷を襲った悪い化け物を倒す為の武器を作る為に、特大の氷の結晶が欲しいのです!」
「えーと、補足するが、フェルの故郷では蚊のような化け物に襲われて、フェルにとって大切な女性の教師とそのパートナーが殺されたんだ…だからもしも可能なら、協力をお願いしたいです」
氷将軍の質問に真剣に答えるフェル、自分も説明しつつお願いする…どうだ?
「なんと、そんな事が…わかった!今すぐ作ろう!」
やった、フェルのお願い聞いてもらえた!?
「おお!?凄いな…まさかこんな所で二人の目的の氷の結晶が手に入るなんて…てっきり強敵を倒したり、採掘かポイント交換になると思ってたが…まさかボスキャラと仲良くなって、作ってもらえるとはな」
TTは驚いている…自分も驚いた、フェルがこんなお願いするなんて…。
「ゆくぞ!はあああああああ!!!!」
氷将軍が両手を掲げて力み始めると、周囲の雪や氷の力が集まるように、氷将軍の手に集まっていく…。
すると、大きな雪の結晶の形をした物が作られた。
「さあ、持っていくと良い!愛しの妖精よ!」
「ありがとうございます!レンナさん、私は持てないので持ってほしいです!」
「わ、わかった」
フェルの代わりに氷の結晶を受け取る…鑑定眼を使ったら、間違いなく記憶妖精門の鍵を作るための素材である、目的の氷の結晶(特大)だった。
これ目的は達成したが、これどうするんだ?
どうやって氷将軍と別れれば良いんだ?
何かしら要求されてもおかしくないが…。
「レンナさん早速作りに行きましょう!ごめんなさい、氷将軍さん!これから下山して熱い場所で結晶を加工するので、また会いましょう!」
「あ、ああ!また会おう!愛しの妖精よ!」
フェルに促されて下山を始める。
氷将軍も手を振って見送ってくれる…え、こ、これで終わりでいいのか?
「え、これで終わり…?」
「まあ、自分達の目的は達成したな」
まるで肩透かしを食らったかのような表情をするTT…。
一応数個イベントクエストの採取依頼を達成できるほど素材は集まった…未達成の物もあるが、放置で未達成にしていても、ペナルティはないのでこのまま下山しても問題はない。
自分達は下山をし始めた。
取り敢えず、TTにフェルの水着の事とか教えないとな。