雪山に突入、夏とは対極の世界
数回戦闘があったが、TTが苦戦すること無く倒して、雪山の入口にたどり着いたんだが…。
「さ、寒い!」
「寒いです…レンナさん」
体がブルブルに震える。
ガタガタ震える手で、防寒効果を得られる薬をフェルに飲ませてから、もう一本を自分の口に流し込む。
すると怖いくらいに震えが止まった、冷たさはあるが寒い!動けない!死ぬ!というレベルではない。
「ふう…マシになった…」
「二人共水着の影響か、寒冷の影響がでかいみたいだな、凄い震えっぷりだったぞ」
TTも耐寒の薬を飲んで、耐寒効果を得る。
「あのさ、耐寒効果得られたけど、足下がめっちゃ冷えるんだけど…」
「そりゃサンダルで雪の塊に足を突っ込めば、足がキンキンに冷えるぞ」
「これ靴だけ変えられないのか…?…駄目だ、変えれない…」
防寒効果でダメージはないが、結構冷たい…これ後々しもやけとかになるのかな…?
「早く先に進もう、長時間居たくない所だ」
「そうだな、早速行こう」
雪山を登り始めると、凄く牙が長い兎2体と遭遇する。
牙が長いこと以外は普通の愛らしい兎だが、牙が血の色で真っ赤に染まっていて、そこで一気に愛らしさが消えて、不気味さを感じる。
「おー即死攻撃をしてきそうな兎だな、気をつけろよ、可愛い外見のやつは即死や状態異常とかよく使うからな」
TTのアドバイスを貰う、即死か…一応耐性はあるし、大丈夫だと思うんだが、念のために火光を使おう、雪山は火が弱点の敵が多いみたいだからな。
「1体はこっちでやる、火光!」
「スピードアップ!パワーアップ!」
「了解、猫鹿!」
フェルから補助魔法を貰い、火光で斬りかかる!
すると兎が長い牙で火光を受け止めるが、火光から吹き出す炎が兎の口周りを焼く。
「ヂィ!」
「そこだ!」
兎が鳴き声をあげて怯んだ所で、ゴリ押し気味に押し斬り、兎を焼き切る!少し美味しそうな匂いを出しながら、兎は赤いエフェクトを出して消えていった。
「ダブルキック!」
TTは兎が放つ素早い食いつき攻撃を一つの蹴りで防いで、更にもう一つの蹴りで兎の顎を蹴り砕く。
めちゃくちゃスマートな戦い方だ。
「ふう、雪で結構足が取られるな…」
「足が取られると言いながら、的確に蹴りを当ててるな…」
「プログラミングを極めれば、このくらい出来るぞ」
「嘘つくなし、プログラミングで足を鍛えられるてたまるか」
「プログラミングて格闘術なんですか?」
「そうだよ、特に指先が大事なのさ」
「おい、フェルに嘘を教えるな!」
アースキーの持ち手でTT突っつく。
「あだ、それ以上で力強くやられたらHP減るから勘弁してくれ!というかそこに採掘ポイントあるから採掘してくれ!俺がやるとあんまり効率良くないからな」
「わかったよ…周辺警戒頼むぞ」
指を指した方向を見ると露骨な鉱石が付いた岩がある、キラキラとエフェクトを放っている。
それをアースキーで何度も突っつくと、イベントクエストを達成する為の鉱石が掘れた。
だが目的の氷の結晶(特大)は出なかった。
一応イベントポイントを貯めて、氷の結晶(特大)を交換する事も出来るから、頑張って採掘していこう。
「採掘終わったぞー」
「おー早いな、俺だったらまだまだかかるのに」
「良いシャベルを使ってるからな」
採掘時に周囲を警戒してくれてたTTに、アースキーを見せびらかす、しかしTTの表情は硬かった…苦笑いというやつか…。
「そ、そうか…俺にはわからんから先に行くぞ?」
「わからんて、鑑定眼持ってないのかよ」
「持ってない、代わりに敵のステータスを見るスキルはあるぞ」
アースキーの良さを理解してもらえなかった…まあいいや、先に進もう。
「アースキーは凄いシャベルですよ!レンナさん」
「あ、ありがとうな…」
自分の気持ちを汲み取ったのか、フェルからの称賛を受け取りつつ、自分達は雪山の登山を進めていった。