現実の会話、友達からの電話
「なあ、友奈…フレンドでユキさんて、居ないか?」
「居ないよー」
食後、自分は友奈に質問にしていた。
まあ、ダメ元だけど、案の定居なかったか…ユリは人脈あるからもしかしたらと思ったが…。
「ナンバークエスト関連の探し人?」
「違うけど、フェルと縁がある感じの人だよ…でも状況的に引退している可能性が高いから、見つけ出すのは難しいかも」
「うーん、流石に引退者を探し出すのは難しいね…リーダーさんに聞いても難しいと思う」
そうだよな、ただでさえ広いゲームの世界で探し人するのは難易度高いだろうに、更に引退している可能性が高い人なんて、無理難題だよな。
でも引退者じゃなければ、頑張れば探せるぽい言い方をしているのは気のせいか?
「まあ、そうだよな…人探しは諦めて特大氷の結晶取りに行くか…」
「…氷の結晶?それなら夏イベントの雪山を目指すといいよ、そこで氷の結晶採掘出来るという情報があるの、お兄ちゃんは火光作成でポイント使い切ったよね?ポイント稼ぐよりかは、雪山登ったほうがいいよ」
「雪山て難易度高いエリアだよね?水着で行って大丈夫?」
「火光あるから大丈夫だと思うよ?あそこらへん火属性弱点の敵が多いし、火属性の武器を持っていれば、多少は寒さに耐性得られるし…多分…なんとか…」
だんだん声が小さくなる友奈、自信無くなっていくじゃないか。
「うーん、力を貸して上げたいけど、今日は予定があるから…応援するくらいしか出来ないよ…」
「まあ、少し雪山に行ってみるよ、ヤバそうだったらすぐ撤退する感じで…」
「きっとなんとかなるよ、頑張ってねお兄ちゃん」
友奈とそんな会話を交わしつつ、自分は部屋に戻った。
ファンタジーフリーダムにログインしようとしたら、スマホがピピピ!と電話を知らせる音がなる。
「うお!?」
普段スマホは電子書籍閲覧装置、メッセージ受信装置と化していて、電話機能はまず使わないので、めちゃくちゃビックリする。
「も、もしもし?」
「おーい、錬那!遊びに行こうぜ!」
久しぶりな声が聞こえる…高田の声だ。
「おっと、夏休みの宿題は全部終わらせたぜ?」
「え!?まじかよ、今日は爆弾が降るのか?」
「お前超失礼だな…」
「お前じゃなきゃ、雨で済ませてるよ」
何度も夏休みの最後に地獄を味わって、こちらに助けを求めてられてる身としては、高田が宿題を早期で終わらせるのは、ビビる話だ。
「自分はゲームイベントで雪山に登る予定だったが…まあ、高田が夏休みの宿題を終わらせたのなら、遊びに付き合うよ」
「ゲームイベントで雪山?…夏イベ?」
「まあ、夏イベントだな」
「………ファンタジーフリーダムの?」
「ファンタジーフリーダムの…あ」
やべ、高田が宿題を早期に終わらせた衝撃が大きすぎて口を滑らせた…。
あの世界でなっている、自分の姿を高田に見られたら弄られそうだから、隠しておきたかったんだが…。
「やっぱりそのゲームをやってたのか、白髪白目のシャベルを持った少女の姿で」
「はあ!?なんでそこまで!?」
はあ!?一瞬で全ての情報抜かれた!?
リオアのオークションの関係で、ファンタジーフリーダムをやっていた事は勘付かれてもおかしくはないが、姿まで看破された!?
「何で姿すら分かったの!?」
「前に、アイドルのリオアのレイドバトルのゲリラライブの映像が投稿されたんだけど、そこで白髮白目の少女の頭の上に、レンナという文字が浮かんでてね…宿題を早期に終わらせたビックリを利用して、カマをかけたら見事に口を滑らせたね」
レイドのライブてセイレーン戦のやつか!?
というか頭に名前てなに!?もしかしてゲームの設定で頭に名前とか出せるの?
「……まさかカマをかける為に、宿題を終わらせたのか?」
「うん、頑張った」
「まじか…なんでそんな事の時は、無駄に手が早いんだよ…」
「なあなあ、ファンタジーフリーダムで遊ぼうぜ、見た感じ、女性みたいな姿を見られたくなくて隠してたんだろ?もう姿バレた以上、隠す必要はないだろう?」
頭を抱えていると、スマホからうっきうきの高田の声が聞こえる…悔しいが一本取られた…。
「いいけど、こっちはNPC…フェルを連れて行ってる、彼女に変なことしたら、速攻で絶交するからな?」
「へぇ、錬那がそこまで言うとは相当入れ込んでるな…わかったよ、変なことはしない、安心してくれ」
フェルに変な事をしないという約束をする、そして雪山で氷の結晶(特大)を探すのが、自分の目的な事を伝えて、集合場所を決めたら高田からの連絡が切れた…。
まさかバレるなんて…悔しい気持ちが胸に満ちるが、集合場所に向かうために自分はVR装置を装着するのであった。