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鍛冶屋の息子、MMORPGにはまる  作者: リーフランス
フォーパワー、強さを求めて
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共鳴の試練、追体験:最悪の厄災の記憶の中章

「カギロイ!何処!?」


ユキさんが走りながら辺りを見渡している…しかしあるのは沢山の花畑だけだ。


「もしかして、あの虫の群体が噴出した所に行ったのでは!?」

「…カギロイ!」


少し悩んでから、虫の群体を噴出した所に走り出すユキさん。

再び虫の群体が襲ってくる。


「チェインライトニング!」


近くにいる敵に連鎖する雷が数多の虫を落としていく…。

だが相手側の勢力を削った気にはなれない…。


「嘘でしょ…花畑が…」

「くう…気をしっかり持ってフェル」


虫の群体が通った所にあった花畑が不毛の地に近いレベルで虫食いのように枯れきっている…。


あの一瞬で食われたのか?分からない…でも虫が通ってない所の花畑が無事なので、虫が良からぬ事をしているのは確かだ。

ユキさんは枯れた花畑をみて怒りに満ちている。


「カギロイ…無事でいて!」


祈るような言葉を口から溢しつつ、再び走り出すユキさん、すると近くで火柱が吹き上がった!


「あれはカギロイの攻撃!?」

「いきましょう!ユキさん!」


駆け出すユキさん、火柱が発生した近くに行くとカギロイの姿を確認出来た、巨大な剣には火が纏っている。

周囲には虫と思われる燃えカスがあった


「カギロイ!無事だったのね!」

「二人共無事で何よりです!」

「他の妖精は!?」

「…虫に襲われてなくなった子が居る……」


ユキさんの言葉にカギロイは歯を食いしばり、怒りに満ちた声を出す。


「嘘、被害者が…出てるの…?」


自分としての言葉が出そうだったが抑え込み、フェルとしての言葉にしてだす。


くそ、他のプレイヤーが居ればもしかしたら!と思ったが、ユキさんはこの場所を秘密にしていた…つまり他のプレイヤーがいる可能性はゼロに近い…。


「はい、ですので虫が噴出した所に行きましょう!多分あそこに全ての元凶が居るはずだ!」


ここはフェルにとっての分岐点だ…ここで転送の魔法陣に向かうことを提案すれば、カゲロイが死なずに済むかもしれない…。


だがこれは自己満足で実際のカゲロイが生き返る訳では無い…それにフェルがそう提案する可能性は低い…この状況でフェルが家族を置いて逃げるなんて手段は取らないはずだ…。


「あの…私のお母さんは?」

「分からない…鍵を持ってる以上、フェルのお母様がそう簡単に倒されるとは思いたくないが…」


フェルのお母さんも妖精門の鍵を持ってるの!?


「時間が惜しい、虫の発生源の所に行きましょう!ユキ!」

「ええ、ボスを叩けばなんとかなるかも!」


カゲロイとユキさんが走り出す、それを止めることは出来ない、だがここでボスを確認しておけば後々役に立つはずだ…。


二人が死地に向かっているのに、自分はそんな打算的な考えが頭にある事に少し自己嫌悪を抱いた…。


5分ほど走ったり、襲ってきた虫の群体をユキさんやカギロイが雷や火で倒して行っていると、遂に虫の発生源の所にたどり着いたのだった…。


そこに居たのは人間サイズの巨大な蚊だった、やばい、気持ち悪い…ホースみたいに長い口、血を吸ったかのような真っ赤になってる胴体とシマシマ模様、不快の音を出す羽、虫嫌いの身としてはあれと戦うのはめちゃくちゃ嫌だ、鳥肌がたつ。


「おや?お客さん…いやメインディッシュ自ら来てくれたかい?」

「貴方が大量の虫を引き連れた元凶ね!」

「元凶とは酷い、私達はただ食事をしにきただけさ…まあ、私が彼らのボスと言われたらボスですが」


ユキさんの言葉に食事にしにきたと答える蚊…というか言葉を話せるのか…。


「貴様はオールモスキート!全てを吸い殺す厄災!」

「吸い殺しの何が悪いのです?そこの人間も色んな生物を殺して、食ってるじゃないか」

「それは否定しませんが、少なくとも無差別に襲うほど、私の種族の人は蛮族ではありません」


カギロイはボスのことを知ってるのか!?

というかなんというか、オールモスキートの声が酷く耳障りだ…。


「ユキ!私が前に出る、その間に大技の準備を!」

「わかった!コンセントレート!」


ユキさんはカギロイと言葉を交わすと呪文を唱え始める、ユキさんの足下に魔法陣が現れる。


「火の刃!」

「おや美味しそうな火ですね」


火を纏った巨大な剣を振り下ろすカギロイ、しかしオールモスキートのホースの様な口で受け止められたと思ったら、ズッ!と巨大な剣に纏っていた火を吸い込んでしまった。


「な!?」

「ほら搾り滓のお返しですよ」


オールモスキートの口から火が吹き出し、その火がカギロイを焼く…火とか吸って、カウンターする力があるのか!?


「リジェネレート!」

「トリプルアイスニードル!」


自分はカギロイに持続回復魔法をかけて、ユキさんの魔法でオールモスキートの立ってる地面から鋭い氷が3つ、凄い勢いで生える、胴体に当たるが、突き刺さらない…。


「氷は吸う物であって、刺すものじゃないですよ?」

「刺突攻撃が聞かないならアイスチェーンからのアイスメテオ!」


オールモスキートを氷の鎖で拘束して、その頭上から巨大な氷を落とすユキさん。

巨大な氷はオールモスキートに直撃すると、炸裂した!


「メテオスラッシュ!」


そこに追撃を入れるように剣を叩き込むカギロイ…だが、それはオールモスキートの口で再び止められてしまった。


「あはは、その程度で勝とうとしても軽い傷しかならぬ!」

「ぐあ!」


ムチのように動く口によって、吹き飛ばされるカギロイ…。

シンプルに強くて頑丈だなこいつ!?

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― 新着の感想 ―
[一言] これが過去の出来事とはいえつらいですね、結末も決まってますから。
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