表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鍛冶屋の息子、MMORPGにはまる  作者: リーフランス
フォーパワー、強さを求めて
116/626

共鳴の試練、追体験:最悪の厄災の記憶の序章

『共鳴の試練、ハードモード

目的

今までの思い出と記憶を元にフェルとして、次の追体験:最悪の厄災の記憶を生き残れ。


成功条件

転送の魔法陣に飛び込む。


失敗条件

共鳴率がゼロになる、死亡時


特筆事項

共鳴率はフェルらしくない行動をするほど下がる。逆の場合は上昇する。

記憶の追体験の為、失敗条件を満たした場合、リトライが可能です。

またこれは追体験です、どれだけ努力しても現実の事実は変えられません。』


試練の内容と共に、ハイとイイエのボタンと、視界の端に共鳴率70%という文字が現れた。


なるほど…今まで経験を元に、フェルとして行動すればいいのか…いささかフェルの記憶で得られた情報が少なめだが…ハードモードだからなんだろう。


そして最悪の厄災の記憶か、つまりフェルの故郷を襲った、化け物の姿を確認できるのか…。

もしかしたら化け物の強さも、把握できるかもしれない。


「よし!行くぞ!」


気合を入れて、スタートボタンを押す、すると視界いっぱいにノイズが走り、次の瞬間にはテーブルとノートが視界に写った。


すぐさま持ち物を確認する…筆記用具と思われるペンのみ、着ている服はフェルと始めてあった時に着ていた、植物の服みたいだ…。


「オーイ、急にポケット探ってどうしたの?フェル?」


顔を上げると、不思議そうにこちらを見つめるユキさん、あ、授業中だったか!?


「い、いえ、ちょっと失くし物を…」

「え?何を失くしたの?一緒に探すから教えてほしい」

「えーと…家の鍵です」

「え?家の鍵?何を言ってるの?貴女が家の鍵なんて…?」


『共鳴率がゼロになりました…試練は失敗です』


ユキさん話しかけられてからて、咄嗟に嘘付いたら、一気に共鳴率がゼロになった…視界が真っ暗になる。


待って、フェルは家の鍵を持つ事がかなりおかしいのか!?もしかしてフェルの故郷て治安良すぎて誰も鍵を持ってないのか?


ええい、リトライだ!持ち物も確認出来たし、次は不審がられずに済むはずだ!

リスタートを押して、再び花畑に舞い戻る。


「これで本日の授業はおしまい、分からない所はあった?」

「いえ、大丈夫です、ユキさん…」


そういうとユキさんは少し頭を傾げた。


「どうしたの?なにか、不安そうな声を出してるけど…」

「いえ、少し嫌な予感がして…」

「え!?」


そう言うとずん!!と地面が揺れる…あ、やべぇ…フェルの背中にある妖精の羽で飛ぶべきだが、飛び方が分からない!


「フェル、こっちに!」

「はい!」


ユキさんがこちらに手を差し伸ばしてきたので、そちらに飛び乗ると、肩に乗せてくれた、落ちないように服を掴む。


辺りを見渡すと遠くで黒い煙が上がっていた…いや、煙て、あんな真っ黒一色になるものか!?それに動きが煙じゃない!?


「なに、あれ…?……虫?」

「え!?虫ですか!?」


虫!?嘘だろ、信じたくない…。

すると一部の黒い煙がこちらに飛んでくる…。


「バリア!ワイドキャスト!コンセントレーション!」


純白の杖を取り出して、補助魔法を使い、戦いの準備を整えるユキさん。


「う、嘘でしょ!?」


黒い煙がこちらに近付き、より正体が分かる、それはイナゴやカナブン、蝿等の群体だった、数多の虫を視認して恐怖がこみ上げるが、なんとか悲鳴を上げずに済む…。


取り敢えず、フェルの使える補助魔法をユキさんに使わないと!


「エレメントブースト!スピードアップ!」

「ありがとうフェル!チェインライトニング!」


杖から迸った雷が数多の虫を貫く!

黒い煙、虫の群体は地に落ちた…。


「ユ、ユキさん、皆と合流しましょう!」

「ええ、まずはカギロイと合流しましょう!あれだけの数、私の魔法だけじゃ対応しきれない!」


そう言って、走り出すユキさん、振り落とされそうになるが、必死にしがみついた。

共鳴率は60%、少し落ちてるが虫に驚いた分かな?

どちらにせよ気にする余裕はない。


頭の中には嫌な確信が満ちる、セカンドクエストのカギロイの武器が刺さってたオオムカデ、今見た大量の虫の群体…ほぼ確定だ、フェルの故郷を襲った化け物は虫の軍団だ…。


群体が戦闘員で、オオムカデが幹部か?じゃあボスは…?

逃げたい心を抑え込んで、ユキさんの服にしがみつくのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 虫の群れとか主人公の天敵じゃないですか。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ