リダとナナサカ、決闘するほど仲がいい?
「はあー…まさかの味方かよ、それは想定して無かったぞ…というかナナサカはPVP初心者に決闘申し込むな!レイドボスより質悪いじゃねぇーか!」
ナナサカさんと会った経緯と色々と教えてもらった事を教えると頭を抱えるリーダーさん。
「いや、レンナ殿と決闘するなら大量のハンデ背負ってするからな?勝負にならないとつまらないじゃないか、それにレンナ殿が初見で妖精火門を使ってた場合、うっかりやられてた可能性もあったし…直感で話しかけたが、結果的にリダと決闘出来たし、満足満足」
「妖精火門?ああ、レンナさんが作った武器のスキルだっけ?ハンデ大量とはいえお前がうっかり殺られるて…それは見たかったな…まあ、一度見られた以上もう見れないか…」
さっきまで本気で戦ってたとは思えない位に普通に会話する二人。
「すまない、ナナサカさんとリーダーさんてどういう関係なんだ?」
「俺個人の腐れ縁みたいなものだ…昔は一緒にクエストをこなしてたんだ」
「最近めっきり共闘する機会ないからな、今じゃお互い一人で大抵の敵は倒せるから…競い合って決闘することの方が多いよ」
「俺は決闘勘弁だけどな、重武装とはいえ魔法使いにタイマン勝負持ち込むな!」
質問するとリーダーさんが答え、ナナサカさんが補足してくれた。
リーダーさんの口は悪いが、嫌悪とかそういうのは全く感じない、軽口を言い合える仲というのだろうか?
「まあ、二人が無事みたいだし、俺はそろそろ帰らせてもらうよ…MP殆ど使ったし、ナナサカがPVPチームに対応したなら、レンナさんが狙われることはないはずだ」
そう言ってから、リーダーさんは帰っていった。
それを見届けたナナサカさんはシステム画面を操作して、札みたいな物を取り出した。
「…まあ、リダのお気に入りならこれ渡しておくか、もしもさっきのPVPチームに襲われた場合、使ってくれ、でもPVPが発生しているエリアでしか使えないから注意してくれ」
『ナナサカから刀神の呼符がプレゼントされました』
「なんか強そう…」
渡された札を眺める、綺麗な刀が描かれている。
鑑定眼で見たら、鑑定が失敗してしまった…。
「万が一の際のお守り代わりだ、破って使えば、俺の幻影が一瞬で敵を薙ぎ払ってくれるはずだ…まあ、その火の剣があれば、不要かもしれないが」
「いや、ありがとう、フェルを守る為にも使わせてもらう」
「どういたしまして、リダと絡んでるならまた会えるかもな、あと決闘の出汁に使って悪かったな、あいつは何かとかこつけないと、決闘してくれなくてな」
そう言ってナナサカさんも去っていった。
かこつけて決闘を申し込んでいるのか…まあ、ナナサカさんなりの遊び方?友情表現?と言うやつなのだろうか?
「なんというか凄い人でしたね…」
「あれくらい強ければ、フェルの故郷の化け物も倒せる?」
「流石にあそこまで強ければ化け物でも瞬殺出来そうですね、でもあれは別次元の強さだと思うのです…私達ではたどり着けないかも…」
まあ、中級生産クラスとバランスブレイカーと思われる戦闘クラスを比べられたら困る…。
「この後どうするんですか?」
「目的は強くなる事だ、取り敢えず一回マイホームに戻ってMP回復して、ナナサカさんから貰った地図の所に行ってみよう、共鳴が絡むクエストが気になる」
地図を確認する、ツー街の端っこに印がついている、街中だし、危険なくたどり着けるはずだ。
地図を確認した自分達は一度ユリのマイホームに戻り、自分のMP、火光のMPタンクを回復して、地図の所に向かった。