対人戦?妖精火門のお試し開門!
「よっしゃ!奴はビギナーを守ってる!今こそ殺せ!」
悪党のリーダーが叫ぶ、すると悪党達が一斉に襲いかかってきた!
侍は居合の姿勢に入る。
こちらもなにか戦闘支援しなければ…。
「一か八かやるしかない!」
水着の今ならMPが尽きても防御が下がらないし、火光が使えなくなるだけだ、敵の数が多いし試し時は今!
「妖精火門!」
「エレメントブースト!」
「絶刀炎神!」
3つの声が重なる、自分とフェルと侍の声だ。
火光を地面に突き刺すと侍以外の足下に白い魔法陣が展開されたと思ったら、全身を包むくらいに激しく白い炎の火柱が噴出して悪党達を燃やす!
凄い、キャンプファイヤーみたいだ…近くにあった火柱同士が合体して大きな火柱となり、天すら焦がしそうだ…。
一部の悪党は、魔法陣に反応して避けたり、不屈などのスキルで耐えたみたいだが、それは侍の抜刀された火を纏った刀で纏めて撫で斬りされた…。
明らかに刀が届かない遠い悪党も斬ってるように見えたんだが…魔法の力で刀を伸ばしたのな?といかその刀見たことある!?
大量にいた悪党はあっという間にリーダー含めて3人になっていた。
「な、なんなんだよ!?おまえいつの間にそんな力を!?いや、そこのガキか!?」
「……ふ、甘いな、さっきの一撃は全部俺の攻撃だ!俺の本気を直視できないのを、PVP初心者の一般人のせいにするな!これで終わりだ審判の断罪!」
侍の一振りで残りの悪党の命が刈り取られる、完全に戦いではなく、蹂躙だった。
おお?なんか侍が全部自分の攻撃と言ったが、なぜだ?結構棒読みだったが。
「くそチート野郎が…」
悪党が捨て台詞を吐いて、赤いエフェクトをだして消えていく。
「ふう、これで暫くこの世界に来れない…どんぐらい罪を重ねたかはしらんが、暫く寝てな…」
刀を鞘に納刀する侍、すると自分の目の前にシステム画面が現れた。
『チーム:デスロードを撃退しました、どうしますか?
略奪:装備を奪う
強奪:お金を奪う
罪を訴える:相手のログイン制限を与える
赦す:何もしない』
「な、なにこれ?」
「説明しよう、PVPでは勝者に、色々な権利として、どれか一つ選択できるんですよ…あなたは一般人ですから、相手を一定期間ログイン出来なくさせる罪を訴えるか赦すのどちらかを選択するとかいいですよ、奪ったらあいつらと同じになってしまいますから…悪人顔になっちゃうよ?」
うーん、なら赦すかな、下手に罪を訴えて、ログイン制限を解除後に襲われたら、溜まったもんじゃない…というか悪人顔になるって、なに!?
取り敢えず、赦すボタンを押したら、システム画面は消えた。
それを確認した侍は正座をして頭を下げる、土下座をした!?
「まずは…すまない、さっきの白い火柱は君が放った物だろう?俺が放った風に見せてしまって申し訳ない、そうしないと、後々奴らが恨みを持って、君を狙うと思って、俺の力のように振る舞ってしまった、君の力で大半倒したのにすまない」
「あ、そういうことだったのか!?いや、最初疑問に思ったが怒ってはないから頭を上げて欲しい!刀を買ってくれたお客さんに土下座されても困るよ!?」
「刀を買ってくれた…?もしかして貴方がこのかっこいい刀を作ったレンナ殿か?…もしやその小さなNPCがフェル殿か?」
そういうと侍は頭をあげて正座をやめて、刀を手にする侍さん。
何度見ても、それは前に作ったゴーレムコアの刀…オメガコアの重刀だった、300万で売れた記憶がある。
確か鑑定眼を使った際、刀の説明に自分とフェルの名前があったな、だから侍は、自分達の名前を答えられたのか。
しかし刀の購入者に会えるとは…世界狭くね?それとも、何かしらの繋がりがある人とは、会いやすくなるシステムとかあるのかな?
「は、はい…私がフェルです、刀の持ち主に会えるとは光栄です」
「うん、自分がレンナで胸ポケットにいるのがフェルだ、えーとすまん名前聞いていいか?さっきの鉄の塊と言われてたけど、本当の名前じゃないだろ?」
そう聞くと侍は立ち上がり、自己紹介をした。
「俺は最強の決闘者を目指す侍、ナナサカだ、以後よろしく頼む、凄腕の鍛冶屋のレンナ殿…あれ程強い力を使えるならぜひ決闘を…」
「勘弁してくれ、あれはMPを全部使った攻撃なんだよ、あれ以外の攻撃はアースキー…シャベルで攻撃するしか出来ないんだよ…」
「むう、そうなのか…MPを使い切った相手に決闘を仕掛けるのは、正々堂々じゃないな…わかった、決闘は諦めよう」
かなりの決闘好きと知り合ったみたいだ…まあ、問答無用で、決闘仕掛けてこないから、良識はあるみたいだ。