生き返った身で妹を待つ
少なくとも自分はセーフゾーンまで来た、妹は森に置いていってしまったが、自分と違って、この世界に詳しい…大丈夫なはずだ…。
森に行きたいが…シャベルがない今、満足に戦えない、むしろ下手に動かずに、安全なここにいた方が、合流できる可能性が高いだろう。
そう判断して、取り敢えずクエストで手に入れたスキルと称号を確認しようと、なれないシステム画面を弄っていると。
「そこのお嬢さん、大丈夫?初心者さんかな?良ければお兄さんが教えてあげますよ?」
チャラチャラした、チンピラがナンパしてきた。
…こちらを向いて言ってきているが、少なくとも俺は男性故に無視して、システム画面を人差し指で操作する、あ、出てきた。
『献身
誰かを守る際にステータスに+補正が入る。』
『不屈
HPがゼロになり倒れそうな場合、倒れずにHP1で立ち上がれる可能性がある、立ち上がれる可能性は意思の強さに依存する。』
逃走術と投擲術はそのまま、その行為をする際に有利になるらしい、道具術も。
称号の恐怖に立ち向かう者は、持ってるだけで最大HPが少しマイナスされる効果と虫の特性を持つ生き物と戦う際に有利補正が入るらしい…。
わざわざ虫と指定されている辺り、この世界に虫嫌いと知られているのが、なんかちょっと恥ずかしかった、最大HP…体力が減少は死んだせいで付与されたのかな…?永続ぽいから結構重たいデメリット効果だ。
「おーい、無視しないでよ、どうしたの?上の装備だけ脱いでるなんて…危ないよ」
チンピラナンパを無視し続ける、上の装備がないのは、シャベルと一緒に妹の所にあるはずだ…因みに上はなにも着てないというわけではなく、脱げないTシャツのようなものを着ていた。
「ねえねえ、困ってる事があったら教えてよ、お兄さん力になるからさ」
「………なら話しかけないでください、妹を待っているし、さっき死ぬほど怖い目にあって、イライラしているんです、邪魔するな、それにこっちは中身が男だ」
しつこく話しかけて来るので拒絶する、自分も男だ、女性に逆ナンされると、きっと話くらいはしてしまうだろうが、同性にやられるとこんなに気持ち悪いんだな…。
「えーそんな事いわないでよ、何なら可愛い装備一式プレゼントするよ?初心」「うちの妹になにすんじゃー!!」
チンピラのナンパが続くと思っていたら、妹の友奈…この世界だとユリが現れて、チンピラに飛び蹴りを食らわせた!チンピラは物凄く派手に吹き飛ぶ…あ、あれ死んでないの?大丈夫なの…?
「は、早いなゆ…ユリ、もう少しかかるかと思った」
「パーティだから死んだのがわかったから、スピード系のスキル全部起動して、ダッシュで来たの!レンナの敵は取りたかったけど!預かった物が者だけに、そういう訳にも行かず!取り敢えずここで話すのは不味いから、こっち来て!」
慌てるユリに引っ張られる様に街を移動する…ナンパのチンピラは…放って置いていいか、ナンパてリスクあるからね…うん、男だし放置でいいな。
「妖精は無事なの?というかさっき妹て…」
「無事だけど、全くとんだビギナーラックを発揮するわね、妹と言ったのは見た目的にね!そう言って、チンピラ蹴飛ばせば、周りの印象に悪影響が少ないでしょ」
確かにユリがチンピラを蹴飛ばしたシーンを見ている人が多かっただろう、地味にナンパされてる所から、色んな人の視線を感じてたし…注目を集めていたのはたしかだ…。
て、そんなことより助けた妖精はどこに?そう思った気持ちを察したのか妹が言葉を紡ぐ。
「取り敢えず私のマイホームに妖精がいるからマイホームいこう!というかここに乗れば…」
「え、え?」
なんか綺麗な円に乗った瞬間、視界が真っ白になったと思えばログハウスの中にいた。
あれか、魔法陣でワープ的なやつなのか。
辺りを見渡すと、テーブルの上にあの時、繭に囚われていた妖精が立っていた、蜘蛛の糸を取り除けたのか、翅はキラキラと煌めき、こちらを認識した時、妖精の表情はえ!?と驚く表情になっていた。