3話目 2人部屋
(どうしてこうなったのでしょう?)
私の疑問を他所に私の部屋には2つのベッドが配置された。ルーシィ様は床でも寝れると言ってましたが流石にそれはさせられない為私の部屋に急遽ベッドを2つ設けられたのです。
「これからよろしくね。リアさん。」
「よ、よろしくお願いします。」
私はルーシィ様の手を握り握手をした。ただかなり怯えながらです……
「そんなに怯えなくてもあなたを食べたりしないわよ?」
「そ、そんな怯えてなんて……」
「ふふふ。嘘が下手ね。嘘つきさんにはお仕置きが必要かしら?」
「お、お仕置きですか……?」
「ふふふ。怖がらないで本気でするわけないじゃない。」
私が怯えてるのを楽しんでるのか楽しそうに笑ってるルーシィ様。そしてルーシィ様はそのままベッドに腰掛けました。
「リアさんも座りなさい。お話があります。」
「は、はい!」
ルーシィ様の目つきが鋭くなったため私も自分のベッドに腰掛けた。
「まずはご迷惑をかけてごめんなさい。でも、アイツから逃れるにはリアさんの力が必要なの。」
「いえ……あの時助けて頂きましたので当然の恩返しだと思っております。」
「そう言って貰えると嬉しいわ。」
「ですが、私は何も出来ませんよ?」
私は言っておかなければならない事がありました。それは……
「私は父上の様な武功も母上の様な知性もありません。とてもルーシィ様を助けられるとは思えません……」
私は申し訳なさそうに言いました。するとルーシィ様はさも当然の様に言い返されました。
「知ってるわよ。そんな事。」
「えっ?」
「でも、あなたは私をきっと助けてくれる。そんな気がしたの。」
「そんな……買い被りすぎでは?」
「いいえ、あなたはあの時の悔しいと言ってた時の目。あれは正しく武人の目でした。そしてあの目に私は惚れてしまいました。」
「……あの。それは恋という意味での惚れたですか?」
「ふふふ。察しが良いわね。そのまさかよ。」
私は女の人……しかも年上の女性に惚れられたそうです。
「あの……ルーシィ様は女性ですよね?」
「そうよ。」
「私も女性ですが?」
「知ってるわよ?何を今更。」
「……私たち結婚は出来ませんよ?」
「そうね。でも、国が認めてないだけで付き合って一緒に住んでる人たちはたくさんいるわよ。」
たぶんですが。嘘ではないと思いました。何故ならルーシィ様は平民の生活もよく観ているからです。噂では勝手に屋敷から脱走してるとか……
「あの……それは分かりましたが。私なんかで本当によろしいのですか?」
「もちろんよ。あなたなら簡単に調教できそうだもの。」
「……調教ですか?」
「ええ、私を好きになるようにね。」
「……私は動物ではないですからね?」
「知ってるわよ。言い方が悪かったかしら。それならこう言いましょう。貴女を私の虜にしてみせます。だから覚悟なさい!」
「恋愛のゲームの様なものですか?」
「そうとって貰って構わないわ。そのために貴女の家に匿ってもらう事にしたのだもの。」
この方は凄く頭が良い。だからこそ両親も簡単に丸め込めたのだと思います。ですが……
「では、ゲームという事ですので私はルーシィ様に恋心を抱かぬ様に努めます。」
「あら、どうしてかしら?」
少し意外そうな顔をしつつもほんのり笑みを浮かべるルーシィ様に私は宣戦布告の様な事を言い放ちます。
「ゲームなんですから、無抵抗にやられてはルーシィ様も面白くないでしょう。私が少しでも抵抗した方がルーシィ様も楽しいと思いまして。」
「ふふふ。やっぱり貴女を好きになって良かったわ、リア・オロル。では、期限は半年。貴女ももう17歳。私が攻略した暁には私と一緒に2人だけの生活をしてもらうわ。」
「良いですよ。では、私が勝ったら私の侍女になって下さい。」
一瞬目を見開いたルーシィ様。私も少し高揚していたのでつい出てしまった言葉だった。なので急いで訂正しようとしたのですが。
「ふふふ。貴女本当に最高よ!いいわ。その勝負受けて立ちます!」
なんとルーシィ様はその条件を飲んでくれたのでした。
「どのみち貴女と一緒にいられるんです勝っても負けても私にとっては問題ないわ。これからよろしくねリアちゃん。」
「リアでいいですよ。ルーシィ様。」
「リアがそういうのならリアも私を呼び捨てにしなさい。そうじゃないとフェアじゃないわ。」
「では、2人きりの時だけルーシィと呼ばせて頂きます。」
こうして私たちの恋愛ゲームが始まりました。
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