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幻影異変  作者: シラネ
第一章
4/7

STAGE 1 湖上の修行者 道中

博麗神社にスカーレット家がやって来たその日の夜。

空気の冷たさの影響で霧がかっている湖の畔に1人の少女がやって来ていた。

今朝の霊夢との修行で力不足を痛感していた博麗霊奈は行動を省み、修練を積んでいたのだった。


「……はぁ!……せぃ!」


どのようにすればより耐えれるのか、動けるのか、効率的な動きとは何かを模索しながら夜の湖の上を飛行しつつ自らの陣や結界を作り、壊す、を繰り返す。

時折、イタズラ目的でちょっかいをかけてくる妖精達を懲らしめつつ、ひたすら自分対自分の模擬戦を試みていた。





「……はぁ……ふぅ。寝れないからって少し動きすぎたわ。」

流石にずっとは魔方陣や結界を連発は出来ない。修行を続けられる気力が失せてきたために霊奈は湖の畔に降りたって休めそうな所を探し始めた。



ここら辺で良いだろう。

湖の直ぐ近くに少し大きめの切り株があったのでそこに座って休むことにした。






夜の外は静かで普段は気づかないような小さな音や動きもよく気づけるようになる。そよ風に吹かれて芝や木の葉が僅かにカサカサと音を出したり、湖に滴が落ちて波紋が出来たりなど、夜の外は色々な事を教えてくれる。



ん?湖に滴?



それに気づいた時には既に遅かった。





空から降ってくる滴の量は徐々に増していき、服を重くしていくと共に身体の体温を奪っていく。

このまま雨に打たれ続けるとこの霧の湖周辺の寒い空気ではより危険になっていく……かといって近くに休める所はほとんど無いので霧の湖の畔にある紅魔館にお邪魔することにした。


紅魔館なら、急な客一人ぐらいは招いてくれるんじゃないかな?





しかし、霧の湖自体が大きく、雨が降っている夜なので霧も濃い。

視界が悪い中飛行し、急いで向かう。




暫く何も見えない状況が続いたがようやく灯りが見えてきたのでそこへ向かうことにした。


「ッ!」


何かの気配を後ろに感じ、体勢を整え、幣を構える。



「……気のせいか。」


雨がより酷くなっていくのもあってかなり焦っていたんだ、そう思って警戒をほどいた。その瞬間、自分の周囲を何かが通り、かする。


「……やっぱり何かいる。何が目的?」


霧のせいで何も見えないが、周囲に呼び掛ける。

しかし、依然として何かが飛来してくるのでそれを避け、様子を伺う……が、このままでは埒が明かないのでまずは状況をはっきりとさせることにした。


「『霊符 夢想封印 破』!!!」


周囲に御札を飛ばしてそれらを爆発させる。霧を晴らすと同時に敵の状況を明らかにさせるため牽制をする。


「……ねぇ、さっきから何の用です?そこの不審者さん。」


「用なのはアンタによ。さっきからナイフを飛ばしてるのに気づいていなかったの?」


ようやく姿を見せたそいつはボロボロの黒い外套を羽織っており、端から見れば、影とも表されるような格好だった。

奴の顔はブカブカなフードのせいでよく見えなかった。


「随分と荒れている服装ですね。」


「そちらは随分と寒そうな格好ね。こんなにも悪い天気なのにどうしたのよ?」


「ちょっと着てくる服を間違えたんです。」


「へぇ。それで雨宿りの為にあの紅い館へと向かうわけ?」


「まぁ、たまに客として行ってるから。」


「ふぅん。私もそこへと向かう所だったのよ。」


「そんなボロボロな格好で?」


「当たり前じゃない。じゃなきゃこんなみすぼらしいのなんて着てられないわ。」


「あそこは吸血鬼の根城よ?あなたみたいな人一人で大丈夫?」


「あら、心配するのは彼女らの方じゃないのね。どうも。」


「……。」


「こんなに天気も悪いから本気でいくわよ。」


「こんなに天気も悪いのに。」


「楽しい夜になりそうね」

「永い夜になりそうね」

霊符 夢想封印 破


霊夢の夢想封印やその派生から霊奈が作り出したオリジナルスペル。自分の周囲に御札をまとわせそれらを周囲に拡散させる。

威力自体はあまり無いが防御や索敵に使える。

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