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第六話 地獄のトレーニング その2(後編)

 8月某日


 雲一つない青空の下、目まぐるしい暑さの中で俺は自室のベッドで静かに寝そべっていた。


 無論、俺は貧乏学生なので親の仕送りでなんとか毎日高校生活を過ごしている。

 生活をするのも常にギリギリの生活。

 生活費を除いたら僅かなお金しか残らない…。


 その生活を永遠と過ごしていたので、

脱却するためにアルバイトをしようか検討しているところだ。


 今、住んでいるアパートは1DKの六畳一間、大体そんなところだ。部屋も広くなく、一人で住むのが限界だ。


 真夏でクソ暑い環境だが、安いアパートなのでエアコンは元々ついておらず扇風機で凌いでいるのである。


 成績はいくら良くても、金銭面ではかなり苦しいため下位互換されたような感じだ。


 最早、いつものようにネットサーフィンをする気力や何か作業をする気力もないので一種の五月病かもしれない。


 俺は、先日の星川から送られたメールを見返そうと開いたところ部屋の方から突然インターホンが鳴った。


 宅急便の配達みたいだが、見るからに出たくないほどの無 数の段ボール箱を抱えているのを映像からは確認が取れた。


 「すみません、〇×宅急便です。雛沢様のお宅でよろしいでしょうか」


 「はい、今、向かいます! 」


 ドアがギシギシと鳴り響くので、大量に段ボールを抱えている様子だった。


 見る限り、とても嫌な予感がする。急いで玄関に俺は向かうのだった。


 「雛沢様、星川様からのお届けです」


 「えっ...はい こんなにあるんですか? 」


「はい、星川様から受け取るようにと連絡が入っておりますので、お受け取りお願いいたします」


 俺は何も言わず静かに受け取った。

 部屋を埋め尽くすほどの無数の数の段ボールの量だった。


 「これ、いくつあんだよ...はぁ...」


 段ボールとは別に一通の手紙があった。


 手紙を見ると星川から期日までにやるようにとリスト化されたメモが同封してあったのだ。


「どれどれ...げっ...120...こんなの終わるかよ」


 メモには以下の内容が記載されていた。


 陰キャオタク君へ、8月14日までに記載したゲームを全て完了してね。終わらなかったらぶっ殺すよ☆てへっ☆


 星川の言うことは絶対なので、やらなかったら殺される...

 その後の展開まで見えるのでやらざるを得ない状況。


 星川は少々極道気質な所があるので扱いが出来る人間が少ない。


「今日は8月2日...単純計算して1日10本完全クリア...鬼畜すぎる」


 絶対的に終わる気配がしないと途方に暮れていた矢先に携帯から着信音が鳴った。


 星川からメールが入ったのだ。


 メールを確認すると、星川から「メモは見た?期日までに絶対に終わらしてね。私の言うことは絶対だから」と記載されていた。


 内容を確認すると、明里にも話が通じているので彼女は星川の内通者として動いているようだった。


仕方なく、俺は渋々段ボール箱を一つずつ開封していくのだった。


 どうやら、星川が好きなようなジャンルらしく、一般的な学園ラブコメのゲームや妹物や幼い幼女が魔法少女になっている姿のゲームが主体となっているようだ。


内容はともかくとして、開封するだけに3時間もかかり疲れ果てた体で適当な奴をPCに入れ込み黙々とプレイするのだった。


イラスト自体は可愛いが、クリアをするのにかなり時間がかかるようだった。

時間もないため、片っ端から攻略することにした。


いかにも、ツインテールで小柄な女の子が、主人公にベタベタしていてとてもベタな内容だがシナリオはしっかりとしていたのでゲームが終了した頃には深夜2時を過ぎていた…


俺はやつれていた顔で黙々と数をこなしていたが

さっぱり内容が入ってこないため、理解には時間がかかる内容のゲームもあった。


ゲームなのに教養を養うために座学で勉強しているような感覚だった。


そんな日々をエンドレスで14日間過ごした頃には、体は遂に限界を迎えていたのである。


何故だか、それを察したように星川から連絡が入るのだった…

 





 

 

-第7話へとつづく-


こげたまと申します!


最後まで、読んで頂きありがとうございます!!

こちらの作品は初めての処女作になります。

僕はキャラクターが生き生きとした姿や情景描写を書き進めることが好きです。

書いていてとても楽しいので最後まで突っ走ろうと思います。

次の話が面白いと思って頂けましたら、評価や感想、ブックマーク登録をして頂けると幸いです( *´艸`)

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