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第6話 宿屋の子猫と初めての魔法だよ!

 美味しい食事を食べながら3人でおしゃべりをしていたら、だいぶ夜も遅くなってきたので、解散することになった。2人にお礼を言ってからお店の前で別れる。



 ひとりになると満腹感と身体の疲労感のせいで、むしょうに眠たくなってきた。もうすぐにでもベットに横になって惰眠をむさぼりたい。


「ふわぁぁ~......。うー、ねむぅぃー。隣が宿屋でよかったあー」


 チカは大きく欠伸をすると、眠たそうに瞳を擦りながら宿屋の扉を開いた。


◆◇◆◇


「あれ、マリーちゃん! どうしたのー?」


 宿屋の中に入ると、カウンターに座っていた十歳ぐらいの黒と白の牛柄の猫耳パーカーをきた女の子が、無邪気な笑顔を浮かべながら私に駆け寄ってきた。


どうやらマリーちゃんと私を見間違えてるらしい。それにしても、どうしてこの子は牛柄を選んでしまったんだろう......。


猫耳がついていたから分かったけど、パっと見た感じだと牛なのか猫なのかよく分からない。


「あれ、マリーちゃんじゃない? ごめんなさいっ! 同じ猫耳パーカーを着てるからてっきり......。おねーちゃんはマリーちゃんのお友達?」


「んー、なのかな? さっきまでマリーちゃんとメリィちゃんの三人で一緒に食事はしてきたよ」


「えーっ! いいなあー。マイもマリーちゃん達と一緒にご飯食べたかったなあー......」


 私は妹と同じ名前の小さな女の子にすこし親近感が湧いてくる。

 それにしても子供が猫耳パーカーを着ると子猫みたいですごく可愛らしい。

 誘拐されないかお姉さんは心配だよ。


「おねーちゃん?」

「あっ、ごめんね。泊まりたいんだけどお父さんかお母さんっているのかな?」

「んー! もう! 私だって宿泊の受付ぐらいできるんだよ?」


 そう言うと、マイちゃんは不満そうに頬を膨らませた。


「一泊銅貨5枚だよお! 朝と夜の食事つきなら銀貨1枚!」

「続けて泊まったりもできるのかな?」

「大丈夫だよお!」

「じゃあ今日は食事なしで。明日からは食事ありでお願いしてもいいかな?」

「はーい!」


『あら?マイ、お客さんきたの?』

「おかあさん! うん! マイちゃんと受付できたよおー?」

「あら、そうなの? 凄いじゃない」


 マイちゃんがニコニコした笑顔で嬉しそうに駆け寄っていくと、マイちゃんのお母さんは優しく微笑みながらマイちゃんの頭をそっと撫でる。


「あっ、お客さんもどうかゆっくりして行ってくださいね? マイ。お部屋に案内してあげて?」

「はーい!」


 マイちゃんに宿の説明をしてもらってから部屋まで案内してもらった。

 シャワーとお風呂はこの世界にもあるみたい。


「おねーちゃん! このお部屋だよ!」


 マイちゃんは部屋のドアを開ける。


 ビジネスホテルぐらいの広さかな?

 ベットとかわいいネコの形をしたテーブルが置かれている。


「かわいいでしょ! マリーちゃんがくれたのーっ!」

「うん。すごく可愛いテーブルだね。 ──ねえマイちゃん、この街はネコが好きだったり、信仰してたりするのかな?」

「ううん! マリーちゃんとメリィちゃんがネコさんをたくさん作ってるんだよっ!」


 あの姉妹はどれだけネコ好きなんだろ......。


◆◇◆◇


 マイちゃんは説明を終えると受付に戻って行った。


「とりあえずお風呂に入ってこようかな?街までたくさん歩いて汗も相当かいたしね。」


 私は部屋をでてお風呂に向かうことにした。


 宿のお風呂はちゃんと男女で分かれていた。なんか昔、家族でいった古い旅館みたい。


 猫耳パーカーを脱いで浴室にはいる。

 シャワーの近くにボタンがついてたので押してみたらちゃんとお湯がでてきた。


 「おー!石鹸まで置いてある。」


 石鹸を使って体を綺麗に洗ってから、ゆっくりお風呂にはいって身体の疲れを癒していく。


 お風呂でさっぱりして部屋にもどってきた。

 立ってるのは疲れるので、ベットに仰向けで寝ながら天井を見つめた。


「これからどうしようかなー......」


 勇者みたいに使命があるわけじゃないしなあ。それにしても召喚された勇者も大変だ。勝手に召喚されて魔王討伐なんて悲惨すぎる。

 

 私には応援することしかできない。

 勇者様頑張って。



 ふとニコニコしたミリアーヌさんを思い出す。

 よく考えたら私も十分悲惨だ。

 暇で面白そうだからやっちゃいました♪

 みたいなかんじで娯楽目的で連れてこられた。

 思い出したらイライラしてきた..。


「決めた。私はあの駄女神が退屈するぐらい平和に自由にこの世界を楽しもう。」


 明日はギルドと買い物に行こうかな。

 ほしい物もいっぱいあるしね。

 部屋の明かりを消して目をつぶる。

 今日はぐっすり寝れそうだぁ。

 おやすみなさい。


◆◇◆◇


 翌朝。

 

 朝日が眩しくて目が覚めた。お腹が減ったので猫耳パーカーに着替えて食堂で食事をしてからマリーメリィ商会に出かけた。


 マリーちゃんもメリィちゃんもいないみたいだ。昨日はあまり店内を見ることができなかったので、ゆっくり見て回ることにした。

 

「けっこう広いなぁ......」


だけど色々な商品が種類ごとに棚に並んでるから見やすくていいかも。


「さてと。優先して買うとしたら下着と武器かぁー......」


 下着は着ていたものしかなかったので早急にほしい。

 

 下着が並んでいる棚はすぐ見つかった。種類も豊富だ。小さいネコの絵が書いてある下着もある。いやこれは買わないよ?


 次は武器を見に行くことにした。護身用も兼ねて武器は絶対必要だよね! 何が起こるかわからないし。


 宿屋も内鍵はついていたけど、壊そうと思えば壊せそうな感じだったしなぁー......


「んー。どれにしよう......」


 武器のコーナーには剣や弓や杖など、色々な種類の武器がたくさん並んでいた。


 武器なんて持ったことないから困ったなぁ。昔遊んでたゲームでは剣をつかってたけど......。

 

 私は適当に剣を手に取って軽く振ってみた。

 

 重さで体が引っ張られてよろめく。


「これはダメだ。振り回されちゃう」


 今度は適当に短剣を手に取ってみた。剣と比べて半分ぐらいの長さしかないけど、そのぶん軽いので私でも大丈夫そうだ。

 

 問題はどれを買うかだね......。


 剣もそうだったけど短剣といっても色々種類があってそれぞれ値段が違った。


 形や長さや重さぐらいならわかるけど、それにしては値段に差がありすぎる。


「んー......。ダメだ。全部同じに見える......。他の人はどうやって選んでるんだろ?」


 他のお客さんがいないか周囲を探してみると、ちょうどゲームの冒険者みたいな格好をした女性と男性の二人組が同じように武器を選んでいた。


 ふたりは武器を手に持ってなにかを呟いてじっと武器を眺めたあと、首を横にふり、武器を元の棚に戻すとさっきのとは別の武器をまた手に持って、何か呟いたかと思うとじっと武器をみた後に隣の男性のほうを振り向き、二人で相談してる。

 

 あれは何をしてるんだろ?


「なにかお困りですかな?」


 後ろから声がしたので振り向く。

 昨日見かけた渋い感じの猫耳をした従業員のおじいさんがいた。



「あの二人はなにをやっているんですか? 武器を持って何か呟いてるように見えるんだけど......」

「あー。鑑定して武器を選ばれているようですね」

「鑑定?」

「失礼致しました。鑑定を使うと詳細を見ることができるのです」

「それは誰でも使えるものなんですか?」

「はい。誰でも青のスクロールで覚えればお使いになれます。これがそうです。よろしければひろげてみてください」


 私は紙を丸めたような青い巻物を受け取ると言われた通りひろげてみた。


 青い文字で魔法陣みたいのが書いてある。

 

 眺めていると急に魔法陣が青く光った。

 青い光はすぐ消えた。

 スクロールに視線を戻すと白紙になっていた。


「これであなたにも鑑定が使えるはずです。試してみてください」

「鑑定」



 鉄の短剣 

 属性: -なし

 効果: なし



「見えましたか? 属性や効果があるものはより高価で取引されています」

「あのさっきのスクロールはいくらするんですか?」

「お気になさらないで下さい。お嬢様方もいらっしゃればきっとチカ様にお譲りしていたでしょうから」

「私のこと知ってるの? えーと。あなたは?」

「失礼致しました。ジョンと申します。今後ともお嬢様をよろしくお願いします」

「こちらこそ! ジョンさんよろしくお願いします」

「失礼ながら丁寧に話されるのは身分が違う方と話す時ぐらいでよろしいかと。逆に見下されトラブルに巻き込まれる可能性もございます」

「そうなんだ。ありがとう! 気をつけるようにするね!」


 とりあえずお金もないのでさっきの鉄の短剣を買うことにした。


「チカ様。失礼ながら魔物の素材を剥ぎ取るためのナイフはよろしいのですか?」

「この短剣じゃダメ?」

「できないことはないですが、すぐに刃が痛んでしまうかと。商会やギルドでも解体は可能ですが運ばないといけないのが難点ですな」


──じゃあ大丈夫かな? 私にはこの不思議バックがあるし。


「とりあえず短剣だけで大丈夫です」

「かしこまりました。もし必要になったらいつでも言ってください」

 

 正直、動物を解体したことなんてないし、気持ち悪いからできれば触りたくない。解体されたものならスーパーでよく見てるから大丈夫なんだけなあー......。


「あっちなみにスクロールがあれば誰でも色々なスキルや魔法を覚えられるの?」

「青のスクロールなら、簡単な魔法やスキルしかありませんので誰でも覚えられます。それ以上となると緑のスクロールがありますが、職業にあったものでないと魔法陣が反応しません。取得できるスキルによって値段も跳ね上がりますな」


 ジョンさんに他の青のスクロールを見せてもらえたので鑑定した。


[火魔法]:魔力で小さな火をだせる。

[洗浄]:魔力で汚れを落とすことができる。

[水魔法]:魔力で少量の水をだせる。


 便利そうなので三つとも買って習得することにした。バックからお金を取り出してジョンさんに渡す。


 ジョンさんにギルドの場所を聞いたら、丁寧にギルドの場所を教えてくれた。

 

 昨日笑いそうになってごめんね。


 色々教えてくれたジョンさんにお礼をいって店をでた。


 さてと、次はギルドにいこうかな!


お読みいただきありがとうございます。


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これからも応援よろしくお願いします(*´︶`*)♡


毎日1話更新予定


★この作品の第一部の結末は、1話を書いた時点である程度決まっています。どうか考察しながらお楽しみいただけると幸いです★

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― 新着の感想 ―
[良い点] 自販機を開ける鍵が出てきたときは、思わずニヤリとしてしまいました。面白いです! 視点もいろいろあって、それぞれ感じ方が違うので飽きることなく読めました。 [一言] 応援しています!
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